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丸善 書店員レビュー一覧4ページ目

丸善 書店員レビューを100件掲載しています。6180件目をご紹介します。

検索結果 100 件中 61 件~ 80 件を表示

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

丸善
丸善|丸の内本店

雪の香り 塩田 武士 (著)

雪の香り

京都を舞台にした、最近は珍しい純愛ミステリー

京都を舞台にした、最近は珍しい純愛ミステリー。
雪のようにはかなく美しい容姿、性格は関西のじゃじゃ馬である雪乃と金のない学生恭平が偶然出会い、一緒に暮らし始め恋におちる。失踪してしまった雪乃と新聞記者になった恭平は12年後に再会し、また暮らし始める。雪乃が失踪した理由、本当の正体は誰なのか、記者ならではの緻密な操作で暴いていく。真実を知りたい気持ちと愛してるからこそ知りたくない恭平の心の葛藤がせつない。
相変わらずの流暢なユーモアあふれる関西弁の文章が作品を暖かく仕上げ、SNSなどネットを扱ってないところが懐かしいラブストーリー映画を観ているような気持ちにさせてくれる。


(評者:丸善丸の内本店 文芸担当 三瓶ひとみ)

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

丸善
丸善|丸の内本店

南朝の真実 忠臣という幻想 亀田 俊和 (著)

南朝の真実 忠臣という幻想

歴史研究の面白さに気付く一冊

後醍醐天皇の倒幕運動に応じて挙兵した後、一貫して天皇に忠誠を尽くした楠木正成ら南朝側の人物たちは忠臣、その一方で倒幕の最大の功労者足利尊氏といえば、天皇を裏切って北朝を樹立したという事実があるがゆえに逆賊という印象が強い。

こうした「南朝忠臣史観」は、戦前からの代表的中世史家である平泉澄が集大成した皇国史観に最も鮮明に表れており、それが多くの日本人が南朝と北朝にもつ印象に影響しているようである。だが南朝の内実はといえば、天皇に従わずついには配流された息子の護良親王や、内部対立の結果北朝側に帰順した正成の子の正儀を見れば、ご内紛あり、裏切りありと、清廉潔白な忠臣のイメージからは程遠い。

本書ではそうした南朝の内実が暴かれていくのだが、筆者の目的は「南朝中心史観」の単なる否定ではない。ある史料によれば、正成は全国の武士をまとめるには尊氏の力が必要だとして、尊氏が九州に没落した段階で講和すべきだと天皇に献策するなど現実的・合理的な考えを持った武将であったという見方ができるという。一方で尊氏はといえば、後醍醐天皇の本名の尊治から偏諱を受けた尊氏という名を終世使うなど、天皇に対して親愛の情を持っていたという。

本書を読むと先行研究をただ否定するのではなく、正しく評価しなおす、あるいは違った見方ができるということを提示できる面白さが歴史研究にはある、とうことを気づかせてくれる。


(評者:丸善丸の内本店 人文科学書担当 喜田浩資)

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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丸善|丸の内本店

ビジネスパーソンの誘う技術 ベリッシモ・フランチェスコ

ビジネスパーソンの誘う技術

著者曰く「誘う」とは「人生を変える魔法である」

お金もコネもないただの留学生だった著者は、自らの「誘う技術」を磨いていくことで、あらゆる人を巻き込んでいった。それにより数人からはじめた料理教室は大人気となり、タレントとしても活躍していくようになる。この本はそんな著者の「誘う技術」をあますところなく紹介した本だ。

著者曰く「誘う」とは「人生を変える魔法である」。確かに人生というのは待っているだけでは何も始まらない。自ら人を誘うことで、ものごとはどんどん動いていく。なぜなら人はみんな誘われることを待っているからだ。誘われて嫌な気持ちになる人はあまりいないはずだ。(もちろん嫌いな人から誘われたら嫌かもしれないけど……。)

断られるかもしれない。そう思って人を誘うことに二の足を踏んでいる人も多いだろう。でも断られることが当たり前だと思えば、人を誘うハードルというのは下がるのではないだろうか? また数をこなすことも重要だろう。私は実際にこの本を読んでから、色んな人を、食事や遊びなどに誘ってみた。するとどうだろう? びっくりするぐらい人生が色々と動き出したではないか。騙されたと思ってこの本に書かれていることを実行してみてほしい。きっと人生が面白くなるはずだから。


(評者:丸善丸の内本店 ビジネス書担当 田中大輔)

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

丸善
丸善|丸の内本店

英国一家、ますます日本を食べる マイケル・ブース (著)

英国一家、ますます日本を食べる

多くのファンを獲得した『英国一家、日本を食べる』の第二弾

昨年、多くのファンを獲得した『英国一家、日本を食べる』の第二弾。
本書は正確には新作ではなく、原書『Sushi & Beyond』の中から、一作目に収録されなかったエピソードを中心に新たに加えられた番外編と、著者マイケル・ブースから日本の読者に向けたメッセージで構成されています。

イギリス人ジャーナリストの著者は、日本人の友人に紹介された辻静雄の本の影響を受け、本物の日本食を食べる為、日本へ行くことを決意。本人の思いとはうらはらに、妻の発案により一家で日本を訪れることになります。

本作では、定番の築地魚河岸、旨味調味料の総本山である味の素本社、天城山の山葵、かっぱ橋道具街、松坂牛から下関のふぐ、沖縄の豆腐よう、ぬちまーすの塩などなど、著者が体験して、独特の感覚で感想を添えています。前作同様、日本食べた褒めではなく、一刺しあるユーモアと家族のドタバタを交え、日本食の世界を堪能。そこがまた本シリーズを面白く読ませるポイントです。

巻末の日本の読者に送るメッセージは、我々日本人が自分たちの食べ物を見直す良い機会になります。前作を読んでいない方は上下巻のような作りになっているので、是非とも前作から手にとって見てください。


(評者:丸善丸の内本店 実用書担当 半田純一)

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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丸善|丸の内本店

オオカミと森の教科書 朝倉 裕 (著)

オオカミと森の教科書

オオカミの悪いイメージを払拭すべく、オオカミの生態に迫る

オオカミほど悪者扱いされている動物はいないかもしれない。子ぶたの家を吹き飛ばしたり、可愛い赤ずきんちゃんを食べたりと、邪悪、獰猛、残忍といったイメージがつきまとう。それゆえ世界各地で駆逐され、日本のように絶滅してしまった地域も多い。だが著者は声を大にして言う、「オオカミはとても賢く愛情深い、美しい生き物だ」と。本書ではこれまで根付いてしまったオオカミの悪いイメージを払拭すべく、オオカミの生態に迫る。

オオカミはシカを捕食するが、そうすることでシカが草や樹木を食い尽くさないように調節するという生態系の中で重要や役割を担っているのである。欧米では1970年代頃からオオカミの生態系の中での役割に気づき、駆除から保護へと方向転換した。生態系の中でのそうした存在を生態学用語で「キーストーン種」という。キーストーンとは石組みのアーチを頂点で支える石で、それがないとアーチが崩れてしまう重要な石のことである。アメリカのイエローストーン国立公園では、オオカミがいなくなったことで崩れた生態系のバランスが、オオカミを再導入することで見事に復活し、オオカミがキーストーン種であることが証明されたのだという。

モンスーン気候の日本では森が再生しやすいというが、やはり増えすぎたシカのせいで再生が遅いという。日本でも森からオオカミの遠吠えが聞こえる日が再びやってくるのだろうか。


(評者:丸善丸の内本店 理工書担当 工藤誠也)

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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丸善|丸の内本店

黒田官兵衛・長政の野望 もう一つの関ヶ原 (角川選書)著者:渡邊大門

黒田官兵衛・長政の野望 もう一つの関ヶ原(角川選書)

播磨の国でもっとも有名な戦国武将

2014年の大河ドラマの主人公黒田官兵衛は、私の郷土播磨の国でもっとも有名な戦国武将といえる。
有名だといってみたものの、司馬遼太郎の「播磨灘物語」を高校生のころに読んだだけで、意外と何も知らないことに大河ドラマを見ていて気づかされた。そこで著者が播磨の守護赤松氏の研究に実績があるということで、本書を読んでみた。

まずわかったことは、史料が乏しさゆえに黒田官兵衛、そして黒田氏についての研究がそれほどなされていないということだ。有名な史料として『黒田家譜』があるが、17世紀後半に黒田家の正史として編纂されたもので、先祖である黒田官兵衛がかなり美化されているようで、信頼のおける1次史料としては扱えないようである。そのなかで天下分け目の戦いとして知られる関ヶ原合戦については近年一次史料を用いた研究がなされるようになっており、本書は副題にもある通り、関ヶ原合戦前後における黒田官兵衛・長政親子の動きを追うことが中心になっている。

官兵衛は豊臣氏に従うことで姫路の一城主から、豊前に大きな領地を得ることになる。その一方で息子長政は家康に近づき、関ヶ原合戦では重要な役回りを演じ、合戦後には筑前の大大名となることになる。彼らの動きをみていると、大河ドラマにもしばしばでてくる、「全ては生き残るため」というセリフに凝縮されているように思われた。


(評者:丸善丸の内本店 人文書担当 喜田浩資)

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ローラの炎 長野 慶太 (著)

ローラの炎

米国リーガルサスペンスを盛り込んだ社会派ラブストーリー

「神隠し」で日経小説大賞を受賞した著者の新作は米国リーガルサスペンスを盛り込んだ社会派ラブストーリー。
故郷群馬に苦い思いを残し逃げるようにアメリカに留学したジュン。ネイティブアメリカンの娘ローラとの運命的な出会いから、村へのカジノ建設の是非を問う論争に巻き込まれる。法廷での争いは迫力があり読者をぐっとひきつける。そしてこの争いが思わぬ窮地に彼らをたたせてしまう。
カジノ利権問題そしてネイティブアメリカンの血の問題、民族のアイデンティティと普段あまり考えられない事が題材として使われ興味深い。
二人の恋の行方も二転三転して恋愛小説としての読み応えも十分である。


(評者:丸善丸の内本店 文芸書担当 三瓶ひとみ)

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USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? V字回復をもたらしたヒットの法則 (角川書店単行本)森岡毅 (著)

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? V字回復をもたらしたヒットの法則(角川書店単行本)

アイディアを生み出すための4つの技法

最近、ユニバーサルスタジオジャパンの2013年度年間集客数が1000万人突破と言うニュースを見ました。
『なぜ集客が伸びて続けているのだろう?』
私はテーマパークが好きでUSJにも数度行って楽しかった記憶があります。
しかしUSJについて、
『以前は映画だけにこだわったテーマパークだったのになぜ今はそうでなくなったのか。』
『いろんなキャラクターに手を出して迷走しているのではないか。』
上記のように思っていた私はこの本を読んで考え方が偏っていたと痛感しました。

落ちた集客を取り戻すためにどうしたのか。映画だけにこだわるのをやめたのはなぜか。限られた予算で集客するためのアイディアやリノベーションのアイディアなど、実在のアトラクションやイベントを事例にピンチを打破するアイディアとストーリーが描かれています。
アイディアを生み出すための4つの技法=イノベーションフレームワークについても読みやすい文章で書かれているのでマーケティング知識がない私のような初心者でも理解できました。

ハリーポッターの新アトラクションが今年の夏OPENなど話題が絶えないUSJ、その話題性の影には常に挑戦し続ける企業努力があり、また発想を次々生み出す柔軟性があると感じました。
逆向きに走るジェットコースターに乗りに行こうと思います。


(評者:丸善丸の内本店 和書一般書担当 村山美尾)

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動的平衡ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト 福岡 伸一 (著)

動的平衡ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト

生物学者・福岡伸一による『動的平衡』シリーズの第三巻

生物学者・福岡伸一による『動的平衡』シリーズの第三巻。「ダイアローグ」のタイトルどおり、今回は対話形式となっています。対話のお相手も、ジャレド・ダイアモンド(進化生物学者)や佐藤勝彦(宇宙物理学者)のような分野の似た人たちから、カズオ・イシグロ(作家)や隈研吾(建築家)、千住博(日本画家)といった全く別の分野の人たちまでバラエティ豊かな顔ぶれとなっています。

シリーズの中で一貫として語られているのは、「生命とは何か」ということ。そして、その中で著者は「生命は『動的な平衡状態にあるシステム』」と定義付けています。生命は、細胞の内でも外でもなく、絶えず新生し古いものと入れ替わっていくという「流れ」の中にある。では、常に入れ替わっているとするならば、変わらない「自己」を形成するものは何なのか。さらに言えばこの世界、ひいては社会の成り立ちに、この「動的平衡」という概念をもって迫ります。

各分野の第一線を行く人々との対話により、「生命とは何か」という問いと答えにより深みが増していき、こちらの世界観すらもかえてしまうほどの説得力を持って読者の心に響いてきます。生物の本なんて難しそう、なんて思わずに、幅広い層の人に読んで欲しい一冊です。


(評者:丸善 丸の内本店 理工書売場担当 山口静香)

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北極男 荻田 泰永 (著)

北極男

北極を舞台に活躍している日本人冒険家

今年は植村直己さんの没後30年ということで、関連書が刊行されていますが、現在も北極を舞台に活躍している日本人冒険家がおり、今も北極点に向かって歩を進めています。
今もというのは、正に“今”2014年4月の北極点到達に向けた行程の真っ最中。
その当人、荻田泰永さんが昨年11月に刊行された初の著作が本作『北極男』です。

著者は2000年に初めて北極に行ってから13年間で12回の北極通い。
本書にはその内の1回、友人である角幡唯介さんと共にフランクリン隊の足跡を追った遠征も収められています。この調査遠征は『アグルーカの行方』として角幡さんの著作になったものです。

現在挑戦中の“無補給単独徒歩による北極点到達”はここ10年成功者ゼロ。
成功すれば日本人初、世界で3人目となるチャレンジ。
今年は植村さんを思い、荻田さんを応援し、北極を身近に感じてみては如何でしょう。


(評者:丸善 丸の内本店 実用書担当 半田純一)

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書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)原田 曜平 (著)

ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体(幻冬舎新書)

日本国内の消費はマイルドヤンキーに支えられている

日本国内の消費はマイルドヤンキーに支えられている。大ヒット商品の裏には必ず彼らの存在がある。スズキやトヨタ、イオンといった企業はそのことに気がついている。都心で働いていると、彼らの存在を認識する機会はあまりないが、全国的に見ると彼らが、消費の中心にいるということがわかってくる。

マイルドヤンキーというのは、地元が大好きで、地元の仲間とずっと楽しく暮らしていけたらいいと思っているような人たちのことだ。ヤンキーといっても危ない人たちのことではない。態度はマイルドで内向的。小中学校時代の友人と、大人になってもずっとつるんでいることを望んでいるような人たちのことである。

彼らはITへの関心が低く、スキルもない。低学歴で、低収入の場合が多く、休日はイオンに行くのが最高のレジャーだという。上昇志向もなく、地元を出てなにかをするということを望まない。仕事もできることなら地元でしたい。将来は地元に一軒家をもてたらいい。そんな思考を持っている。

都心にいる若者がSNSなど、人との交流にお金を使い、モノを買わなくなっているのに対し、マイルドヤンキーはクルマやショッピングモールでの買い物など、モノの消費が多い。彼らの消費動向は今後どんどん無視できなくなるだろう。むしろ彼らの生態をいまのうちから知っておけば、将来、大ヒット商品を生むヒントになるかもしれない。


(評者:丸善 丸の内本店 ビジネス書担当 田中大輔)

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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ウイスキーと私 竹鶴 政孝 (著)

ウイスキーと私

男性へのプレゼントにもおすすめです

ここ数年NHKの朝ドラ人気が高まっています。
出版業界ものその人気に乗り、さまざまな本が出版されました。『あまちゃん』はファンブック、『ごちそうさん』はレシピ、『花子とアン』は『赤毛のアン』関連の書籍が大いに売れたのが記憶に新しいです。
現在放送中の『マッサン』は、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝とその妻リタをモデルとするドラマで、朝ドラ初の外国人ヒロインを掲げていることなどが話題になっています。

今回紹介する『ウイスキーと私』は、日経新聞の『私の履歴書』で竹鶴氏が連載された文章が基となっており、竹鶴氏の生い立ちから、造り酒屋に生まれた氏がいかにして本格ウイスキーの製造を学び、国産本格ウイスキーを作り上げていったかが描かれています。淡々とした文章ですが、その内容はとてもダイナミック。『マッサン』のファンの方はもちろん、成功した企業家の一代記としても楽しめる作品であると感じました。装丁もシックで素敵な本なので、男性へのプレゼントにもおすすめです。


(評者:丸善丸の内本店 実用書担当 望月あゆ美)

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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丸善|丸の内本店

ルポ・罪と更生 西日本新聞社会部 (著)

ルポ・罪と更生

この本に出てくる受刑者達と私に大きな違いなどない

2011年秋から約2年間にわたり西日本新聞でキャンペーン企画として「罪と更生」が連載された。本書はその連載をまとめたものに西日本新聞に掲載された関連記事やキーワード集を加えて編集されている。

「刑務所が「姥捨山」のようになっている。」という一行から始まる。犯罪の高齢化について耳にしたことはあるが、深く追求して知ろうとはしなかった。軽犯罪で有罪判決を受け服役後、生活に行き詰まり刑務所に戻る為に再び罪を犯す累犯者は少なくないという。高齢者に限らず、障害者も同様で自立して生きることの難しい人達が何度も刑務所に戻ってきてしまう。

罪を犯すと裁判で刑を確定され、懲役刑は刑務所で刑に服し出所後、社会復帰して自立する。という流れになっているが、自立して生きるのが困難な人はどうすればいいのか。出所後、帰る場所や就職口が見つかるかどうか。社会が受け入れ、支える手がなければ路頭に迷ってしまうだろう。罪を犯した人が更生するには周囲の理解が欠かせない。怖いから、危険だからという先入観で更生施設の開設に住民が反対する地域もある。私も偏見や先入観を持っている。そういう私自身何の力も持たない人間で少しのきっかけで簡単に転落するだろう。この本に出てくる受刑者達と私に大きな違いなどないのだ。


(評者:丸善丸の内本店 和書グループ 伊藤美保子)

丸善 丸の内本店店員

書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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世界を変えた確率と統計のからくり134話 岩沢 宏和 (著)

世界を変えた確率と統計のからくり134話

苦手意識のある人も是非一読してみてほしい

確率や統計について書かれた書籍は沢山ある。
実用的な分野で興味はあるがなかなか手が伸びない。
それは大学の教科書のような書籍に真面目に読み込み、数字の羅列を読んで納得したとしても、結果ただの暗記になってしまい、実際に応用して使うことができずに失敗し苦労した経験からくるのかもしれない。
また、そういったまる暗記の理解は時間が経てば忘れてしまう傾向が強い。結果やっぱり数学は実践しないと身につかないなという反省と苦手意識だけが残る。
こうしたように、数学に対して苦手意識を持っている人は多い(決して自分だけではないと思う)。

本書は様々なエピソードと組み合わせて確率・統計が紹介された科学読物である。
コラム形式で書かれているため読みにくい部分を読み飛ばし、読みやすい部分から読むことができる作りになっており、徐々に理解を深めていくのに適している。
簡単に理解できる内容から難しいけれど興味を引かれるエピソードなどが多種多様に書かれている。
それにより読み手を飽きさせずに確率・統計にまつわる多くの数学者、その歴史やエピソードを学べる上、それに付随することで確率や統計がどのような発想法に基づいているのかを学ぶことができるためまる暗記にならない。
苦手意識のある人も是非一読してみてほしい。


(評者:丸善丸の内本店 医学書売り場担当 工藤誠也)

丸善  店員

書店員:「丸善書店・ジュンク堂書店 営業本部」のレビュー

丸善
丸善|

戦略は「1杯のコーヒー」から学べ! (中経出版)著者:永井孝尚

戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!(中経出版)

身近な企業がコーヒーを通して成功した理由

セブンイレブンを訪れると、よく目にするのがレジ横の「セブンカフェ」でコーヒーを購入する人の行列。年間4億杯以上売り上げているそうで、単純計算で日本人ひとりあたり年間3杯はセブンのコーヒーを飲んでいることになります。

数年前、マクドナルドの「マックカフェ」が爆発的にヒットしたしたのも記憶に新しい(2008年あたりですね)ですし、ここ最近はネスカフェがオフィスに無料でコーヒーマシンを貸し出す「ネスカフェアンバサダー」も話題です。かくいう私も、セブンのコーヒーを週に何杯も購入し、職場ではネスカフェのマシンのお世話になっています。
いつでもどこでも美味しいコーヒーを飲むことができる環境をありがたく感じると同時に、コーヒーを取り巻く販売戦略が年々進化を遂げていることに気づきます。

身近なありふれた存在なのに、次々と新しいビジネスが生まれるのはなぜなのか。それをストーリー形式でひも解くのが、この『戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!』です。
すでに戦略が出尽くされたような商材にも、目に見えないさまざまなニーズが眠っているということ。本書では、冒頭に挙げたセブンカフェでなく、スターバックスやUCC等、身近な企業がコーヒーを通して成功した理由が紹介されています。

また、読み進めるうちに、各企業の取り組みが、どんな業界においても共通の考え方に基づいていることに気づかされます。筆者は、それを「顧客の課題」と「自社の強み」の2つを考え抜いた結果であると表現しています。

自社ならではの強みは何か?
その強みを必要とするお客様は誰か?
そのお客様は何を必要としているか?
お客様が自社を選ぶためには、どうすればいいか?

自分自身の業務にも置き換えることで、いままで誰も気づいていなかった自社の魅力に気づくことができるかもしれません。

興味をお持ちになった方は、ぜひコーヒーを片手にご覧ください。更に楽しく読み進められるはずです。


(評者:ハイブリッド総合書店honto ネットストア担当 AT)

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書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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消滅した国々 第二次世界大戦以降崩壊した183カ国 吉田 一郎 (著)

消滅した国々 第二次世界大戦以降崩壊した183カ国

過去の一頁ではなく現在の混乱を知る一助にもなると思う一冊。

旧ソ連邦や旧ユーゴスラビア等分裂した国家から独立しても吸収された国、どさくさ紛れに独立宣言した勢力など中にはこれも国なの?と言える怪しげなモノまで混ざってはいるけれど、戦後に消滅した国家183ヵ国の顛末集。
ビアフラ共和国のように200万人の死者を出した凄惨な独立紛争もあれば人工島で独立を目論んだずうずうしい事件まで様々なエピソードが盛り込まれている。国家消滅という結構悲惨とも思える事件が著者の軽妙な語りと薀蓄で気軽に読める。巻き込まれた国民には悲劇だっただろうが当事者たる権力者達はタフというかしたたかなのかなんとも言えない。

独立の意思を問う住民投票、独立運動やチベットのような亡命政権に紛争中の独立勢力と現代でも国家の消滅や分裂独立は起きている。過去の一頁ではなく現在の混乱を知る一助にもなると思う一冊。
尚、著者は「大宮の自治と独立」をスローガンに掲げてさいたま市議としても活動中。大宮独立はいつの日か。


(評者:丸善丸の内本店 金融書売り場担当 荒由子)

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アポロンの嘲笑 中山 七里 (著)

アポロンの嘲笑

東日本大震災から5日後に

東日本大震災から5日後に加瀬邦彦は殺人事件の容疑者として逮捕されるがそのまま逃亡する。
最後の最後まで事件の真相がわからず、なぜ彼が福島第一原発に向かうのか、ラストまで真相がわからず興奮して読めます。
3月11日におきた大震災と原発事故をあまりにもリアルに描いていて、改めて国民の怒りを中山さんが代弁してくれているきがします。


(評者:丸善丸の内本店 文芸担当 三瓶ひとみ)

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丸善|丸の内本店

「しないこと」リストのすすめ 人生を豊かにする引き算の発想 (ポプラ新書)辻 信一 (著)

「しないこと」リストのすすめ 人生を豊かにする引き算の発想(ポプラ新書)

自由を取り戻すためのヒントがたくさん詰まったオススメの1冊

本書では、日々、忙しく時間に追い回され、『あれも、これもしなければ・・・。』と振り回され続け「すること」の無限増殖した状態を打開し、人生の自由と生きがいを取り戻すための方法を説いています。

まず、「することリスト」について考えることからはじまります。
その「することリスト」は、したいこと?しなくてはならないこと?ですか?
最初は嫌々やっていた事が、しばらくやっているうちに習慣となり、リストに溶け込んでいるだけで、よくよく考えてみればしなくても済むこともあれば、しないと生きていけない事も含まれている。すると、「本当にしなければならないこと」ではないということが分かります。

となると、今度は「しないこと」リストをつくってみることにつながっていきます。
「しないこと」リストとは、「すること」リストとは違い、いくら増えても重荷にならない。ということ。
このリストのおかげで時間が増えて、前よりも丁寧にそして楽しく「すること」ができるのではないか。と著者は言います。

では、「しないことリスト」とはどのようなリストなのでしょうか?
「しないことリスト?」と言われても戸惑う人の為に、日常生活の中で、今日からでも実践できそうな「しないこと」の例を挙げ、分かりやすく解説されています。
忙しさに振り回されている人の心が開放され、自由を取り戻すためのヒントがたくさん詰まったオススメの1冊です。


(評者:丸善丸の内本店 ビジネス書担当 伊賀並寛子)

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丸善|丸の内本店

なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか 裴英洙

なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか

仕事だけでなく、プライベートも疲れ知らずで行きましょう!

「仕事量をセーブすることなく、疲れを劇的に少なく、疲れから最速で回復する方法を教えます」
ハイパフォーマンスを維持したい、働き盛りのビジネスパーソン必読の1冊です。

しかしながら、疲れない身体を手に入れる事は不可能です。
“疲れ”は不可避。人は必ず疲れます。ゼロにすることは出来ないからこそいかに速く回復するか。本書には日常で実践可能な、“疲れ”と上手く付き合うハックが記されています。

まず、疲れを知る。
肉体的疲労、精神的疲労、神経的疲労の3つを認識する事で、それぞれに応じた対処がとれるようになります。

更に、睡眠力の向上。
朝と夜の動き次第で睡眠の効果を最大に引き上げられます。

次は、食生活のポイント。
朝飯は大切!また本書は肉食を勧めています。ここは意見が分かれるところ。上手く自分に合わせてハックする部分ですね。

本書では更に、ストレスコントロール、翌日に持ち越さない技についても言及。この情報を丸飲みにしなくても、自身のルーティーンに取り入れられるハックが必ずあるはず。

仕事だけでなく、プライベートも疲れ知らずで行きましょう!


(評者:丸善丸の内本店 実用書担当 半田純一)

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書店員:「丸善 丸の内本店」のレビュー

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丸善|丸の内本店

僕らはまだ、世界を1ミリも知らない けど、その知らない世界がオモシロイ!Travel the world as a liberal arts!!! 太田 英基 (著)

僕らはまだ、世界を1ミリも知らない けど、その知らない世界がオモシロイ!Travel the world as a liberal arts!!!

自分にも可能性があるのではと思わせてくれる一冊です。

旅行の本を読むのが好きです。
旅行記やガイドを見て知らない国の文化を知ったり気候や食べ物を想像したり。でも現実には長期休暇は難しく、世界一周できる人がうらやましくもありました。

この本は観光名所を紹介するよくある旅の体験記ではありません。起業家として働いてきた筆者が『どこへ行くか』ではなく『誰と出逢うか』を主にした本です。
筆者は明確な目的を持って英語を猛勉強したり、ミーティングに飛び込んだりその行動力に驚かされます。
日本で思っていた国のイメージが現地に行ってガラリと変わる・・そんなエピソードがふんだんに盛り込まれています。日本人はもっとこうすれば変われるのではないかと言う提案も多く、読んでいて自分の視野がいかに狭かったかがよく分かりました。
自分にも可能性があるのではと思わせてくれる一冊です。


(評者:丸善丸の内本店 一般書売り場 村山美尾)

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