1. hontoトップ
  2. hontoのBL専門フロア すわんぷ
  3. BLニュース
  4. 「尊い」の沸騰が止まらない!今、絶対読むべきBL小説4選
ディープな沼にLet's ダイブ!

「尊い」の沸騰が止まらない!今、絶対読むべきBL小説4選

BL小説のおもしろさを伝えたい! 「不朽の名作BL小説100選」の結果が発表されましたね! タイトルを見ただけでも、どれもBL小説史を飾るすばらしい作品ばかり!
みなさんはもう、お読みになっていますか……? なになに? 実はまだだから、背中をもうひと押ししてほしい?
わかりました! hontoスタッフが部門1位を獲得した名作BL小説の中から、尊さ溢れまくる作品をチョイスして徹底解説します。初心者はもちろん熱烈ファンの方もきっと共感してくれるはず。この記事を読み終えたら、きっとすべてを揃えたくなること間違えなし! それではまいりましょう!

ハッピーな恋部門1位 『イエスかノーか半分か』 作:一穂ミチ

包容力抜群の天才肌×実は腹黒な王子系アナウンサー!『イエスかノーか半分か』

これが日常BLのレジェンドだ!! テレビ局で繰り広げられるお仕事ラブコメ

本作、なんとアニメ化企画が進行中なのだとか! BLの神様ありがとう~~っ!!! 一穂ミチ先生のユーモアが炸裂した大人気お仕事BLが、『イエスかノーか半分か』です。

見た目は王子、中身は腹黒! な人気アナウンサー・国江田計と、アニメーション作家の都築潮。ひょんなことから表モードと裏モードどちらの計とも知り合ってしまった潮は、ジャージにマスクのやさぐれ男が、あの「国江田計」と気づかない。にもかかわらず惹かれていく二人…。仕事に恋に一瞬も見逃せない! ハラハラドキドキの恋の行方は…!?

2019年10月の最新刊『OFF AIR(2)』の発売と同時に、アニメ化企画が進行中であることが発表された通称『イエスノーシリーズ』。BL小説としては久しぶりのアニメ化ということで、これまで以上に注目があつまっています。包容力抜群のアニメーター×二重人格アナウンサーの、笑って萌える恋を描いた『イエスかノーか半分か』を皮切りに、つづく番外編では新人アナウンサー×関西弁ADのピュアラブが、シリーズ7巻目となる『ふさいで』では彼らの上司にあたるプロデューサー×ディレクターの11年におよぶ恋が描かれました。BLアワード小説部門では、必ずTOP3に入る超人気シリーズです!

【鷹揚にみえて狡猾な天才肌×完璧王子にみえて小心者の努力家】

この作品の最も特徴的な点と言えば、そう、計の二重人格キャラです! 口癖(心の)は「愚民め」。王子様のような完璧な外面からは想像もつかない、強烈すぎる計の裏の顔に読者もびっくり。しかも悪態のつき方がコミカルでテンポがいい!

しかし読み進めると、あの毒舌は実は小心者で自信がないことの裏返しなのかもしれないということに気づかされます。だからこそ計は人一倍努力をして、心のなかで悪態つきながらも完璧なアナウンサーを演じきっているのではないか。だって、たとえ裏の顔があったとしても、これまで積み重ねてきたアナウンサーとしての実績はかわらず計の努力の賜なんですよね。

そしてそれを一番よく理解してくれるのが潮です。仕事面では自由人な潮ですが、意地っ張りで面倒くさい計を「いつでも帰ってこい」とどっしり待っていてくれる。その反面、計が一人で忙しなくしているのを面白がってそうなところが、腹に一物抱えている系攻めという感じで最高です。

女王様気質の計ですが、実は潮に手のひらで転がされている、ように見えて、潮は結局のところ計にメロメロ? みたいな対等な関係性が今作の魅力であり、BL小説としては稀有なカップルでもあります。

【本格お仕事BLでありながら、ラブ要素も盛りだくさん?】

主人公の計は人気アナウンサーで、潮との出会いもニュース番組のインタビュー企画。作中ではテレビ局やニュース番組に関わるお仕事描写満載。潮がアニメーターとしてニュース番組のオープニング映像を作り上げていったり、計が急遽そのニュース番組のメインキャスターに代役として抜擢されたり。主人公たちが仕事に打ち込んでいくストーリーにぐいぐい惹きこまれるだけでなく、こうやって番組ってできていくんだな~と素直に勉強になるくらいのリアリティはさすが一穂先生といったところでしょうか。

そして! 忘れてはいけないのが、当て馬として登場した計の後輩アナウンサー・皆川竜起。お仕事ばかりでなく、ちゃんとBL的な波乱も!! 竜起は、だれとでも仲良くなれる人生イージーモードの圧倒的光属性。THE 当て馬! という立ち位置なんですが、なんだか嫌いになれない不思議な魅力があります。

そんな超陽キャが計に迫っていくわけなので、読んでるほうは「計がほだされてしまう!!」と気が気ではない。わりとチョロそうなんですよね、計って(笑)。思わず潮、頑張れ! と応援してしまいます。仕事に恋に目の離せない展開は絶対にあなたを満足させてくれるはず! ぜひご一読を!!

続編では潮×計のその後が描かれます。恋模様だけではなく、仕事や家族など身近な話題をテーマに、深度を増したストーリーが展開。一作目では安心感のあるキャラクターだった潮ですが、その裏に隠れた過去や複雑な家庭事情が明らかに。これまでとは一変して潮の弱さと対照的に計の強さ、格好良さが際立ちます。二人で生きていって欲しい! という思いを強める続編となっているのでぜひ、あわせて読んでみてくださいね♪

最深の恋部門1位 『COLD SLEEP』 作:木原音瀬

これが本当の「衝撃作」だ。記憶喪失の青年×居候先の謎の男『COLDシリーズ』

人を愛するとはどうゆうことか。一つの答えがここにはある!!

こんな激重マイナー展開の小説が、誰もが知る定番作品だなんて……これだからBLが大好きなんだ~~!!

記憶喪失の青年・透は以前からの友人と名のる藤島の家に居候中。なにかを知っている様子の藤島を透は警戒するが、日々の暮らしの中でだんだんとその優しさに気づき惹かれていく。人たらし系ワンコ×クールな幸薄系美人(ケーキ好き)の大人の恋…のはずが、藤島から語られたのは衝撃の過去だった―――!

BL小説界の重鎮・木原音瀬。名作揃いの木原作品のなかで現在でも多くの支持を得ているのがこの通称『COLDシリーズ』。透×藤島の『COLD SLEEP』『COLD LIGHT』『COLD FEVER』の三部作に加え、透の友人である楠田と、かつて天才と呼ばれた俳優・秋沢のスピンオフ『COLD HEART in TOKYO』『COLD HEART in NEWYORK』そしてシリーズ全体の完結編であり、救い(!)となる『COLD THE FINAL』がこれまでに刊行されています。特に透×藤島の三作品は『COLDシリーズ三部作』ともいわれる傑作。記憶を失う前の透の正体、藤島が犯した過去の罪。はたして二人にどこにむかうのか。BL好きなら必読といえる作品です!

【たった一行で、覆る常識。】

『COLDシリーズ』の読者レビューなどを見ると、「泣ける!」という声が多くあります。たしかに泣けます! それは事実なのですが、ポイントは「感動して泣く」わけではないというところ。「つらすぎて涙がとまらない」、これがこの作品においての「泣ける」の定義なのです。

藤島と透の暗い過去。裕福な家の一人息子とその父の隠し子という関係性。愛された記憶をもたない透に唯一愛をくれた藤島。そして起こった最悪な事件。普通ではありえないやばすぎる展開にもかかわらず、臨場感が半端じゃない。

愛してはいけないたった一人の人を愛さずにはいられない藤島。過去の自分と現在の自分の乖離に苦しむ透。矛盾する感情を抱きながら、それでも前を向いて生きていこうとする二人。だれもが大なり小なり抱えている白黒つけられない感情や行動がここには包み隠さず描かれていきます。

でもだからこそそんな二人の喜びや苦しみに読者は共感し、涙を流さずにはいられない。本の中にもう一つの世界があると感じるくらいに、この作品には圧倒的なリアリティがあるのです。

そして第三巻冒頭一行目。まさに、その世界が反転します。

【木原音瀬が描く「無償の愛」】

正直、この主人公たちは本当にどうしようもない人間ばかり。記憶を失う前の透はすぐに暴力をふるうクズだし、過去に藤島が透にしたことは倫理的に許されることではない。二人をとりまく登場人物たちも最低な人ばかりで、変態的・狂気の沙汰といえるような過激な描写も盛りだくさん。

それでもこの作品が単なる「痛い」作品でないのは、やはりそこにまぎれもない「愛」が描かれているからではないでしょうか。作中にはこんな描写があります。

「言葉もない寒い夜に、藤島は思った。同じ男に何度も恋をする、不思議を思った。」

「君にために何かできる、そんな自分の嬉しさが、伝わればいいのにとそう思った。」

恋をする不思議。だれかを愛することができる幸せ。ここでは誰もが感じたことのあるような感情を通して、無償の愛の喜びがいきいきと描かれます。闇があるからこそ、光がより際立って見えてくる。そんな風に、木原流の「愛」は読者を魅了してしまうのです。

さて、ここでは『COLDシリーズ』のなかでも、透と藤島の話にフォーカスをあてました。しかし、この後につづく秋沢×楠田、そして同時収録の『同級生』も期待を裏切らない、どころか超えてくるような名作です。

本シリーズは読むのに勇気がいる作品であることは事実ですが、読んで後悔しない作品であることも間違いがないです。まだ読んだことがないという方、コミックス派で小説は読まないという方にも、絶対の自信を持ってお勧めできます! これを機にぜひ、読んでいただけると嬉しいです!(麻生ミツ晃先生によってコミカライズもされています!)

スイートな恋部門1位 『お菓子の家~un petit nid~』 作:凪良ゆう

不器用男子の甘え攻撃で尊死続出!!『お菓子の家~un petit nid~』

甘く、そして切ない心理描写に感動必至♡

ヤンキーが野良猫を拾う図って、永遠のギャップ萌えですよね! そんな王道萌えのような関係性をより深く、優しく、繊細に描いたのが、凪良ゆう先生の『お菓子の家~un petit nid~』。

まるで野良猫のように警戒心丸出し、でも心の底では愛してほしがっている受けが、攻めとの出会いでどのように変化していくのか? 優しく切ない恋に、胸が締め付けられる一作です!

一般文芸小説でも活動をスタートし、大評判を呼んでいる実力派・凪良ゆう先生の大人気作! BLアワード2012の小説部門で第2位を獲得した、言わずと知れた名作です。元ヤクザな男前パン屋×不愛想で孤独なバイトの切なく優しい恋を描く本作は、こちらも人気の前作『夜明けには優しいキスを』のスピンオフ。前作では病んでるDV男だった加瀬が、阿木と出会い再生していく姿に心打たれる作品です! 一冊でも読めますが、シリーズ併せて読むとより加瀬の人生を追えますよ♪

【野良猫系男子の可愛さ! 警戒→懐きのギャップに萌えよ】

本作のレビューなどで多くの読者が語っているのが、受け・加瀬の魅力! 加瀬は不愛想で無口、体格も良く、攻めの阿木曰く「そこらのチンピラ以上に目つきが悪い」、一見カワイイ要素ゼロな男性です。しかし、そんな男らしい外見をひっくり返すくらい魅力的なのが、加瀬の猫のような言動! ページをめくるごとに増していく加瀬の可愛らしさに、どっぷりハマってしまう事間違いなしです。

マイペースな加瀬は、まさに野良猫系男子です! そのマイペースっぷりは作中度々描かれていますが、筆者が特に萌えたのは、「ソファに座れ」と言っても中々動かない加瀬に、阿木がしびれを切らして脇を持ち上げて膝に座らせるシーン!! まさに猫そのものじゃありませんか!? しかも、さっきまで動きたがらなかったのに、膝に乗ったら乗ったで甘えるように加瀬の首筋に顔をうずめるんです……。無自覚小悪魔行動に、ときめきが止まりませんっ!

【重いテーマもほっこりに変える!巧みな心理描写】

本作の大きなポイントとして挙げられるのが、加瀬と阿木は心に闇を抱えているということ。なので、作中では加瀬の過去はもちろんのこと、阿木のヤクザ時代の壮絶な過去も語られます。どちらの事情もなかなかヘビーなのですが、そんな重いテーマに差し掛かっても不思議と殺伐としない、“優しい空気感”が本作の魅力なんです!

この“優しい空気感”は、凪良ゆう先生ならではの繊細な心理描写から生み出されています。作中で特徴的なのは、加瀬の恋心の描写や美しい情景描写だけでなく、「今日の夕飯何にしよう」「阿木は鮨が好きだけど、野菜も食べた方がいい」と日常感満載な思考も描かれているということ!

哀しい経験を経ているけれど、作中描かれているのは何てことない日々を生きている二人。平穏な日常を過ごす中で、過去を背負った男たちが徐々に再生していく様子が丁寧に描写されているため、切なくも希望溢れるあたたかい作品となっています。読んだら優しい気持ちになれるころ間違いなし! 素晴らしい描写にもぜひ注目してみてください。

さて、凪良ゆう先生の『お菓子の家~un petit nid~』を紹介しましたが、いかがでしたか? 凄惨な過去を乗り越え、お互いを支え合う二人の姿に感動待ったなしです! 未読の方はもちろん、既読の方も再度読んでみると新たな萌えを発見できるかもしれません。この機会にぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか!

ロマンチックな恋部門1位 『パブリックスクール-檻の中の王-』 作:樋口美沙緒

身分違いの背徳感に酔いしれろ!愛を描く『パブリックスクール』シリーズ

身分差よ、ありがとう。貴族×平民の切ない恋♡

断言します、「パブリックスクール」を嫌いな女子はいないと! イギリスの寄宿学校を舞台に繰り広げられる恋模様は、まさに背徳的&ロマンチックそのもの。孤高で気高い貴族でありながら、どこか寂しさを抱えるエドワード。低い身分でありながら、しだいに強く成長する日本人・礼。すれ違う二人の先に描かれる未来とは!? ドキドキが止まらない、大満足の一作です♡

BLアワード2016の小説部門で堂々の第1位を獲得した、貴族×平民のロマンチックラブ! 英国の貴族子息が通う全寮制パブリックスクールで繰り広げられるのは、身分違いの禁断の恋です♡ 天涯孤独な主人公・礼と全校生徒の憧れで寮監督のエドワードは、義理の兄弟。貴族の伝統や階級という壁と、二人の愛情が絡み合い、もつれ合い……。素直に好きと言えない関係は、切なすぎるの一言です! 胸がギュンギュンと締め付けられること間違いなしな、名作中の名作ですよ~! 著者は、『愛の巣へ落ちろ!』(『ムシシリーズ』)などを手掛けるBL小説界のヒットメーカー・樋口美沙緒先生。清閑かつ艶のある、耽美な世界観にどっぷり浸ってみてはいかがでしょうか?

【それは憎しみ?それとも愛?エドワードの葛藤が切ない!】

本作の攻めであり、パブリックスクールの王・エドワード。身分や成績はもちろんのこと、人格者でもあるエドは、生徒のあこがれを一身に集める優等生です。しかし、義弟である礼に対しては態度が一変、とにかく冷たく当たるのです! エドは、「学内では誰とも話すな」「人の目に触れるな」と無理難題な命令を礼に課します。一見意味不明な命令ですが、実はその厳しい態度に、エドの愛と執着が隠れているんです。

礼を抑圧した環境に置くことで、守るべき存在にしておきたいエド。そんなエドの願望とは裏腹に、外の世界を見て成長していく礼。王と奴隷のような関係が、次第に変化していきます。友人と会話する礼を見て嫉妬したり、思い通りの行動をしない礼に取り乱したり……。

厳格な階級社会で王として生まれてしまったゆえに、素直に優しく愛せない不器用っぷりがとても切ない! 注目なのは、貴族としてではなく個人・エドワードとして礼への深い愛が語られるシーン。プライドをかなぐり捨て、必死で切羽詰まったエドの感情が胸に刺さります。必見ですよ!

【耽美なのに読みやすい!? 引き込まれる世界観】

「耽美」な作品って、小難しいイメージがありませんか? 美しい表現描写に惹かれるものの、婉曲な表現で、理解が追い付かない……なんて経験を経て、耽美系の作品を読まない方もいるかもしれません。そんな方にもお勧めできるのが『パブリックスクール』シリーズなのです!

本シリーズは、読みづらさを取り払った耽美作品。舞台や設定は耽美そのものですが、エドワードや礼たち登場人物の性格や言動が浮世離れしておらず、考え方も人間的なのが読みやすさの所以です。繊細で綺麗な部分だけでなく、その人の内に秘められた人間らしい泥臭い部分も描かれているので、読みながら感情移入しやすいのが大変魅力的なポイント。

yoco先生のシャープで美麗な挿絵も相まって、終始引き込まれること間違いなしです! 耽美系作品の醍醐味である美しい表現描写や背徳感に酔いしれつつ、ストーリーにもどっぷりハマれる。こんな素晴らしい作品はそうそう出会えないですよ~!

さて、樋口美沙緒先生の『パブリックスクールシリーズ』を紹介しましたが、いかがでしたか? メインストーリーの上下巻『パブリックスクール-檻の中の王-』『パブリックスクール-群れを出た小鳥-』と番外2作品の本シリーズ。少年たちの一筋縄ではいかない純愛に、ページをめくるたびに心打たれます! 耽美だけで終わらない「愛」の物語、この読書体験、絶対に味わってほしいのです! ぜひ読んでください!

こちらの4作品、今回の“100選”を機にご紹介しましたが、以前からhontoでも絶大な人気を誇っていたBL小説です。読めば「尊さ」沸騰、BL小説の魅力にメロメロになること請け合いですので、ぜひぜひ手に取ってみてくださいね!

本の通販連携サービス

このページの先頭へ

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。