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Season 6 “思わず涙こぼれる…泣けるBL”

めちゃくちゃ癒されて心が浄化されるドラマCD化や実写映画化にもなった人気漫画!(部員:森臣)

『ひだまりが聴こえる』作:文乃ゆき

心に刺さってじーんと来るBLに、あなたは最近触れていますか?良作は涙を誘います。そして、読了後には深い余韻すら残してくれます。そんな作品を探しているあなたへのイチオシは『ひだまりが聴こえる』。これはドラマCD化や実写映画化を果たすほど人気のある漫画です。今回はこの『ひだまりが聴こえる』の泣けるポイントやその他の魅力をたっぷりと紹介します!

主人公の佐川太一は、大学へと進学したものの、直情的な性格が災いしてどのバイトもすぐにクビになっていました。所持金は数百円のみでお腹はペコペコ。まさに大ピンチ!な太一は、ひょんなことから同級生の杉原航平に出会い、彼が手にしていた弁当を譲ってもらいます。航平は突発性難聴で円滑なコミュニケーションを取るのが難しく、他の人との間に壁を作って過ごしていました。しかし、太一は弁当をくれた航平の優しさに惹かれ、彼が募集していたノートテイクのボランティアに立候補し、そこから2人は徐々に親密な間柄になっていきます。

このような流れで物語は展開するのですが、その中に目頭が熱くなるようなポイントが3つ存在します。まず1つめは、太一がどんなときも明るく振る舞っているところ。太一も人に見せないだけで、複雑な過去を抱えています。それをものともしないひたむきさに心を打たれるでしょう。

2つめは、太一が航平の心を救う場面です。航平は耳が聞こえづらくなってから人に理解してもらうことを諦める癖がついていたのですが、そんな彼の心を太一がゆっくりと溶かしていきます。人に期待して絶望したくない、だけど太一のことは信じてみたい。そんな葛藤に読者の感情も揺さぶられます!

そして最後。3つめの泣けるポイントは、航平の健気さです。航平はひだまりのように優しく照らしてくれる太一に惹かれ、そこから自分の性格を変えようと努力し始めます。太一の好物を手作りしたり、遊びに誘ってみたり。勇気を振り絞って一歩踏み出す姿は本当に眩しくて尊いですよ!!

本作は他にもたくさん見どころがあります。これを読めば、耳が聞こえづらい方の日常における困りごとが少し理解できます。例えば、航平は読唇術が得意です。手話はあまり使いません。聴覚障がいのある方全員が手話を好むわけではないのです。さらに、「ノートテイク」という取り組みについても掘り下げられています。これは講義中に先生が口頭で解説したことをノートに綺麗にまとめるというものなのですが、知らない人も少なくないでしょう。かく言う私もこの作品で始めてノートテイクの概要や難しさに触れ、非常に勉強になりました。

もちろん萌えるシチュエーションも盛り込まれていますよ!太一がおいしそうにご飯を頬張るシーンとか、航平が太一の隣にいるときに見せる心底幸せそうな表情とか…!めちゃくちゃ癒されて心が浄化されます!!

『ひだまりが聴こえる』はシリーズ作品で、続編が4冊出ています。そのため、「1巻で完結する話は物足りない…」というあなたには特におすすめ!癒されて泣いてたまに笑える、そんな『ひだまりが聴こえる』を、ぜひチェックしてくださいね!

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ハンカチとティッシュは必須!何度も色々な意味で涙をこぼしてしまう作品(部員:桃子)

『騎士と誓いの花』作:九重シャム(原作:六青みつみ)

ひとことで泣けるBLと言っても、ホロッと涙がこぼれるものからマジ泣きするもの、感情・喜怒哀楽も含めて多種多様ですよね。

今回は、私が読むたびに泣いてしまう作品の中から、何度も色々な意味で涙をこぼしてしまう作品をご紹介します。ハンカチとティッシュは必須ですよ!

その作品は、九重シャム先生(原作:六青みつみ先生)の『騎士と誓いの花』。
全2巻完結の作品です。

過酷な奴隷生活を送っていた少年・リィトが、自分を救ってくれた騎士・グリファスから頼まれ、皇子ルスランの身代わりとなるお話。

国家再建物語でもあり、主人公リィトが王位継承権争いに巻き込まれます。

身分差や年齢差による考え方の違いなど心理描写が丁寧に描かれ、、かなり奥深い内容の大作になっていますね。

そして、とにかくリィトが健気で一途で泣ける!
他にも、様々な想いで涙がこぼれるシーンが盛りだくさん!

ではここから、私の泣きポイントをご紹介しましょう。


①上巻の前半でホロッと初泣き!

まず、毎回ホロッと涙がこぼれてしまうのが上巻の前半です。

奴隷から救われたあとに連れていかれた城で、リィトが一番大切にしていたものを失ってしまう出来事が起こります。

号泣するリィトを見て私自身もホロ泣き。
このシーンは奴隷という身分だった彼と、他の人達の身分差が強調されているようにも思えました。

リィトが大切にしているものは、他の人達にとってはゴミのようにしか見えないとか…(悲)

そしてまた、奴隷だった彼なら…と利用される計画が進むことになります。

わかるんですけどね。
国の存亡がかかっているわけだから、最重要人物を守るために他の犠牲は仕方がないと考えるのも…

だけど、奴隷から救われた彼がまた奴隷のように使われるのね~と思うと、とっても切ないです。


②上巻の号泣ポイントは後半!

後半になると、グリファスはリィトに対して冷たい態度をとるようになります。

身代わりとして必死にがんばっているリィトに対し、チクチク厳しいことを言ったりダメ出しをしたり…

これは彼なりにリィトのことを想っての行動なんだけど、グリファスのダメなところがクローズアップされる部分でもあります。

もう理不尽がいっぱいで、読んでいて怒りモードですよ!

ところが、リィトは自分が特別な存在だと思われていないことを知っても、いくら理不尽なことを言われても、ひたすら我慢してがんばるという…

リィト…健気すぎる…(号泣)

最後の最後についに我慢できずに爆発してしまった態度を見て、やっと自分の愚かさに気づいたグリファス。
ここから2人の関係が変わっていくことになります。


③下巻の号泣ポイントは中盤から!

下巻前半では、まだ恋愛モードではないものの、グリファスとは家族として一緒にいられるとリィトが泣いて喜ぶシーンも入ってきます。

良かったね~とホロッとするのだけど…

あ~~やっぱり~~
そう簡単にはハッピーエンドにはならなかった(泣)

ここから、上げておいてドドーンと落とされるのか~って流れに突入します。
この作品の一番の盛り上がり部分でもありますね。

皇子の身代わりのリィトが敵に捕まって、それはもうひどい目にあわされるんです。

ここはもう、様々な感情がドロドロ渦巻いて読んでしまいました。
リィトを救い出すために必死なグリファスの様子も切なすぎる…

ひどいことをする敵への怒りはもちろんだけど、そんな敵の悪役っぷりが目立たないほど、リィトとグリファスの様子に目がいってしまいますね。

そして、2人がそれぞれ過酷な状況で離れ離れになったからこそ、お互いへの気持ちが変化し、家族モードから恋愛モードにチェンジという重要シーンでもありました。


④最後は喜びと感動でしくしく泣いた

下巻の後半は、そこまでのどん底からまたまた一転!!

じーんと心に広がる感動シーンに、しくしく泣いてしまいます。
当然ながらリィトの心の傷はひどいもので、それを癒そうとグリファスが献身的に尽くします。

そして、この作品のタイトルである「騎士と誓いの花」にあるように、「花」が登場。

この花は、上巻の前半でチラッと出てきていましたので再登場ってことですね。
ここから終わりまでの流れがまた良かったんですよ。

受け取る側の人物も受け渡す時の感情もまったく違っていて、2人のそれぞれの想いや関係の変化を感じることができます。

全2巻でありながら、まるで長編作品を読んだあとのような満足感。
涙もたっぷり流しながらリィトの健気さに癒やされ、気分もスッキリです。

疲れている時にこそ、ぜひ読んでいただきたいBL作品ですね。

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1つの映画を見ているかのような感覚。人生で迎えるであろうすべてを味わい尽くすことができる作品(部員:さなかな)

『Life 線上の僕ら』作:常倉三矢

泣けるBLって意外と多いですよね。しかし、まだBL初心者のうちは「BLで泣くとか…そんなことないって…」と思っていたものです。そんな私も今では度々泣けるBLに出会って、「ありがとう……!」と作者様や主人公をはじめとするキャラクターたちに心から感謝しています…(笑)今回、数ある泣けるBLからおすすめしたい作品が、常倉三矢先生の『Life 線上の僕ら』です。

本作品は、「泣ける」と口コミやレビューで書き込んでいる人が多いので、すでにご存知の人もいるかもしれませんね。
ストーリーは、真面目な伊東と無邪気な西、性格が正反対の2人が「白線ゲーム」という独自の1人遊びで偶然出会ったことからはじまります。その出会いから1日のほんのわずかな時間、白線上だけの逢瀬を重ねる2人。いつしか西に会うのを心待ちにしている伊東…。
もどかしさに耐え切れなくなった伊東が西にキスしてしまい――!そんな高校時代から大学時代、大人になってからその先へ……伊東と西、2人の愛の人生の始まりから終わりまでが、すべて描かれている作品です。

『Life 線上の僕ら』の見どころは、なんといっても年代によって移り変わる恋模様。高校生から大学生のまぶしい恋愛。社会人になっても愛を育む2人。現実と愛の間に揺れる結婚適齢期。乗り越えて穏やかな日々を重ねていく壮年期、そしてラストへ……。
喜びとか、悩みとか、戸惑いとか…年齢によって違うものですよね。本作品ではその時その年齢ならではの想いが丁寧に描かれていて、すべて堪能できるんです。現実の流れと2人の想いがリンクしないところももちろんあり…男同士の恋愛の葛藤は、確実に泣けるポイントです。

個人的にとくに泣けるのが、男同士の恋愛の壁を乗り越えたシーン。からの!静かに愛を重ねていく日々があってのラスト…。穏やかな日々なのに、なぜか心をざわつかせながらページをめくっていくと、「え…っ」「!」と心揺さぶられまくりで最後には涙してしまいます……。読んでいる人の年齢によっても違うかもしれませんが、酸いも甘いもある程度経験してきた年代の人なら、胸が締め付けられるはずです…!

まるで1つの映画を見ているかのような感覚が味わえる、『Life 線上の僕ら』。この1作品だけで、恋愛の楽しさ、悲しさ・せつなさが味わえるのはもちろん、学生時代の甘酸っぱい恋愛、現実の残酷さに打ちひしがれる大人の恋、そして終わりを迎えるその時まで――人生で迎えるであろうすべてを味わい尽くすことができます。
その人生の中の男同士の恋愛事情や感情に、心揺さぶられないBLラバーはいません!
とにかく泣きたいとき、せつない気分に浸りたいとき、心のデトックスをしたいときに『Life 線上の僕ら』を読んでみることをおすすめします。

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二度と戻らない時間の中で揺れ動く高校生のラブストーリー(部員:雑食性茶漬け)

『くらやみにストロボ』作:ハヤカワノジコ

思わず涙こぼれる…泣けるBL。
涙がこぼれてしまう理由はさまざまです。
裏切りやどうしようもない別れ、辛い失恋やどうしようもできない関係。
そのどれにも「切なさ」が含まれています。

そして、広いようで狭い「学校」というコミュニティでも、恋と切なさは切り離せません。

今回「思わず涙がこぼれる…泣けるBL」で私がおすすめするのは、ハヤカワノジコさんの『くらやみにストロボ』です。

3年間という短い高校生活の中で、部活仲間や同級生との友情や青春を楽しむ一方、理解されにくいアイデンティティとの葛藤を抱く主人公。
二度と戻らない学生生活のほんのわずかな時間は、主人公にとって長く苦しい時間であり、一瞬でもある。
隠さなければならない想いと、言ってしまいたいと揺れ動く苦悩はノスタルジックな切なさを感じさせます。

幼なじみから恋人へ、繊細で濃密な心情と変化が描かれた1冊です。

写真屋の息子として生まれ、ファインダー越しにうつりゆく季節や周囲の人々の感情を観察し続けてきた主人公の榊 新(さかき あらた)。
元気で明るく天真爛漫な人気者の宮本 正太郎(みやもと しょうたろう)とは、生まれた時からの幼なじみ。

新は長い間、正太郎への恋心を抱きながらもひた隠しに過ごしてきました。

この思いは、同級生たちが抱くものとは違う異質なもの。
そんな自覚を持っている新は、友人らと楽しく過ごしながらもどこか一歩引いた視点で周囲を見ています。

中学時代「同性を好きだ」という理由で、きれいな上級生がいじめられている現場を見かけた新は「誰にも言ってはいけない、知られてはいけないものだ」として、正太郎への恋心を深くしまいこんでいたのです。

絶対誰にも言ってはいけない
明るく誰にでも好かれる大切な幼なじみを、あんな目に合わせるわけにはいかない
誰にもアイツ傷つけさせはしない

正太郎が大事だからこそ、この想いは絶対に表に出してはいけないと決意していた新。

けれど、天真爛漫で明るく素直な正太郎は、新の決意を軽々く飛び越えてしまい…

変化する関係と想いをきっかけにすれ違う二人と、すれ違ってしまう友人との関係。

劇的ではなく、穏やかに過ぎる時間の中で起こる変化や動く恋にもがく高校生の恋は、読んでいる私まで胸を締めつけられました。

ハヤカワノジコ先生の『くらやみにストロボ』は、繊細で優しいタッチと独特なコマ割り、表情豊かに変化するキャラクターの描写から多くの情報が伝わってきます。
まるで、一コマ一コマから空気感やその場の匂いや音まで伝わってくるかのよう。
レンズを通して感性や観察力、密かな恋を大事にしていた主人公が撮る写真からも、心が揺れ動く様子や恋の切なさが溢れでてきます。

絶妙なタッチで描かれる世界観は学生時代独特の雰囲気をナチュラルに伝えてくるので、登場人物たちの苦悩や葛藤に甘い切なさを抱かずにはいられません。

二度と戻らない時間の中で揺れ動く高校生のラブストーリーを読んで、心を洗いとかしてもらえる作品です。

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人×鬼が織りなす幻想的なストーリー。読むときはハンカチをお忘れなく(部員:さえきん)

『紅椿』作:三田六十

マイノリティゆえの孤独や葛藤か……ハッピーエンドであっても、BLはどこか切ない作品が多いように感じます。
「この人を好きになっていいのだろうか?」「この恋が周りに知れたらどうなるのだろうか?」そんな悩めるボーイズを全力で推し続けること、早xx年\(^o^)/

萌えだけじゃない、涙なしでは読めないBLとして今回ご紹介したいのが、三田六十先生の『紅椿』です。
人間と鬼、種族を越えたふたりの関係を描いた人外BL。発売後の評価の高さが気になって購入させていただきました!

舞台は人喰い鬼が出ると言われる深い山奥。村を追いやられ、孤独に暮らしていた青年・佐吉は、ある日山に産み捨てられた鬼の赤子と出会います。赤子を“アカ”と名付けて大切に育てていきますが、いつまで経ってもアカは言葉を覚えず、むしろ成長するにつれて鬼としての本能が色濃く出るように。鬼とは共生できない現実を突きつけられ、アカを山へ帰す佐吉。けれども数年の月日を経ても尚、佐吉はアカを忘れることができずにいて・・・

まず表紙をひと目見て、ふたりの対称的な構図と舞い散る真紅の椿に心を掴まれました。三田先生の独特なタッチが、一瞬にして読者を“むかしむかし”の御伽草子の世界へ誘ってくださいます!

鬼であるアカの口から想いが語られることはなく佐吉の視点から物語が進行していきますが、佐吉の判断の一つ一つに、ふたりが幸せになれる方法はこれしかなかったのかと涙が止まりません・゚・(ノД`)・゚・。どこを読んでも幸せが崩れる足音が聴こえるようで胸がざわざわする感じ。心臓に悪いです。。

アカが人間界に馴染んで~ 的なご都合主義は一切なく、わかり合えないもどかしさが容赦無く描かれているところが、個人的にはポイントだと思います。関係を築きながらも違う種族としてお互いの生を全うするふたりの姿が、ある種の健全というか生物としての無常感というか、賛否両論あるかと思いますが私にはグサグサと刺さりました…(涙)あらゆる概念を超越したエンディングは、読むたびに胸に響くものがあります。

一方で、物語を象徴する“紅(アカ)”の巧みな表現も見どころの一つです。クライマックスのアカが雪山に現れるシーンでは、白黒ページにも関わらずその鮮やかさが目に浮かぶほど(ここだけでもカラーで見たかった…!)。殺伐とした描写の中にも美しさがあり、どっぷり作品の世界に浸ることができました(;▽;)

人×鬼が織りなす幻想的なストーリーで、一巻完結とは思えない重厚感のある作品に仕上がっています。
秋の夜長のお供にぴったりな一冊。読むときはどうかハンカチをお忘れなく、その世界観を堪能してください!!

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寝る前に読んで欲しい!心が満たされる“恋”というよりは“愛”のお話(部員:まみco)

『僕らの食卓』作:三田織

テーマは『泣けるBL』。そう、BLって泣けるんです。
主人公の気持ちに共感して涙。過去の辛い経験を知って涙。幸せな2人を見て嬉しくて涙。たくさん泣かされてきました。

今回ご紹介するのは、心にじんわりと沁みて、気づいたら感動の涙が…、という経験をした、
三田織先生の『僕らの食卓』です。

表紙をまず見て分かること、ほっこり。
大人の男性2人と超かわいい男の子が3人で歩く表紙を見て、まさか泣かされるとは思いませんでした。

会社員の豊は、過去の経験から誰かとご飯を食べることが苦手です。そのため昼休みは自作のおにぎりをひとり公園で食べています。いつも通りおにぎりに食いつこうとしたその時、目の前に表紙の男の子、種(たね)くんが現れました。
豊のおにぎりを、じーっと見つめてくる種くんに、思わずおにぎりをあげる豊。美味しくて感動する種くん。そこに突然消えた弟を探しにきたのが、表紙にもいた穣(みのる)です。
この出会いから、豊はこの兄弟におにぎりの作り方を教え、彼らと食事を共にするようになるのです。

豊はあまり人を寄せ付けず、会社でも飲み会に一応誘われるけど、参加することはない、そんな生活をしています。一人暮らしで誰かと食卓を囲むこともありません。そんな時、穣種兄弟に出会い、誰かと食べる食事の温かさを知っていきます。

穣は大学を休学中で、お父さんと共に小さい弟を育てています。父と弟と仲良く食卓を囲んでいるものの、ある喪失感を心の奥に抱えています。

そして種くん!最高にかわいい!!とにかく癒される。
豊と穣の2人の間をコロコロ動き回って読者の心をわしづかみにすること間違いありません。小さい男の子のニット帽ってなんであんなに可愛いんですかね。ぜひ種くんのファッションにも注目してお読みください。

読み進めるうちに、誰かと食卓を囲む温かさ、誰かと生きていくことの尊さをじわじわと感じ目頭が熱くなってきます。そして穣種のお父さんである、おとうの言葉に涙が止まりませんでした。
おとうの素敵なところは文章ではうまく紹介できないので、ぜひ読んで感じてほしい。笑 おとうの言葉は本当に深くて、名言集を出してほしいくらいです。幸せな時にこそ感じる不安を、おとうは優しく包みこんでくれます。

毎日食べるものが自分の体を作る。当たり前のことだけど、その食べ物が体にも心にも栄養を与えてくれることを改めて感じました。

と、ボーイズ達のLOVEについて全く触れておりませんでした。笑
このお話にはエロはありません。このお話に出てくるのは“恋”というよりは“愛”。心の触れ合いがたくさんで、とにかく心が満たされます。夜寝る前に読んで、温かい涙を流してください。きっとよく眠れます。あっでも飯テロには注意です。笑

最後になりますが、食べることについて改めて考え、周りの人を大切にしたい、そんな気持ちにさせてくれる素晴らしい一冊です。ぜひ読んでみてください♪

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ページをめくる手が止まらない!泣けてスカッとするストーリー(部員:LUI)

『偽りの王子と黒鋼の騎士』作:六青みつみ

泣けるBLを書く作家さんと言えば、やっぱり六青みつみ先生かな……と。この方はとにかく「健気で可哀想な受け」を書くことに長けていて、毎回号泣は必至です。受けを容赦なくどん底に叩き落とす、すごい方です。こういう系統の話を書く人だって身構えてても、泣いちゃうんですよね~。しかしご安心ください。だいたいの作品ではラブラブハッピーエンドが約束されていますから、シートベルトをしっかり装着したジェットコースターのようなものだと思ってください(どんな例え!?)

そんなみつみ先生が今年に出した作品が、『偽りの王子と黒鋼の騎士』です。これが序盤を読んだ時点でかなり衝撃的で……。「健気で可哀想な受け」が定番な先生のことだから、今回の受けもそういうタイプかな、可愛いな、とか思ってたらとんでもない受けがご登場なさいました。

超がつくほどの美少年、けれでも性格は最悪。まるでBL作品に当て馬として出てくるような、性悪小悪魔キャラクターだったんです!普通、BLに出てくる「性格悪い受け」って意外とそんなに性格悪くない説ありません?クスッと笑って流せるくらいの、可愛いもんですよね?しかしこの子「エリュシオン(以下シオン)」の、目を覆いたくなるような性格の悪さには開いた口が塞がりません。

これではいくら運命の相手であれ100年の恋も覚めるというもの。多くの男を足蹴にしてきたシオンが、唯一真剣に興味を持った男「グレイル」にひどい振られ方をしてしまいます。そう、彼に愛してもらうには、受けは精神的に大きく成長しなければなりません。この物語は、傲慢でわがままなシオンがグレイルや周囲の人と関わっていく中で、本来持つはずだった綺麗な心を取り戻していく、奇抜な成長物語なんです!ボリュームもたっぷりのノベル3冊分。かなり読み応えがあります。

とは言うものの、これだけだと本当にこの作品泣けるの?と疑問に思う方もいるかもしれませんね。受けについて言いたい放題でしたもの(笑)ですが大丈夫です。私は枕ビショビショにしながら朝までぶっ通しで読んでましたから。

シオンはずっと蝶よ花よと育てられてきたので、自分の傲慢な性格を直すのはかなり難しいことだと想像がつきますよね。逆に言えば、この性格を直すには、それだけ強力で衝撃的かつ胸をえぐられるような、でっかい事件が必要なんです。というのも、シオンは王子という華々しい身分から、グレイルの下僕という身分に成り下がってしまうのです。それからの生活がもう、辛くて辛くて……胸が押しつぶされそうになりました。たしかにこの子は性格悪いけど、そこまでしなくてもいいじゃないですか!と何度心の中で叫んだことか。それに、そもそもシオンの性格が歪んでいる根本的な理由は、実は育てた周囲の人にあります。でもそうして揉まれた受けちゃんは、徐々に天使へと生まれ変わっていきます。

シオンの性格を知って軽蔑していたグレイルは、更生し始めてちょっとだけいい子になったシオンにも厳しく当たっています。かなり酷い言葉を投げ掛けたことだってあります。そういうこともあって、溢れんばかりだった自信を喪失してしまった可哀想なシオンは、それでも一途にグレイルのことが好きで……うぅ泣ける……。王子ゆえの傲慢さを取り払ってみれば、こんなにも純情な男の子の姿が現れてきます。受け贔屓がすごい私はだんだん攻めのほうにイラッとしてきますが、そのイライラが良いスパイスになるというか、早く見返したれ!って気持ちが高まって、ページをめくる手が止まらないんですよね~。泣けてなおかつスカッとするストーリーが好みの私には、ドストライクな作品でした!

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