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Season 19 “新たな関係はここから…再会BL”
大人たちのこじらせラブを堪能したい方におすすめ(部員:さえきん)
『アンリライト』作:毬田ユズ
別離の苦しみや悲しみ、別れてからも断ち切れぬ想い、再会後は成長した相手の新たな魅力に心を奪われ……離れていたときを埋めるかのように一気に燃え上がるラブロマンス!!再会BLにはそんな恋愛ドラマの全てが詰まっているんです(力説)。
もともと再会モノが大好物で、今回のテーマ以外でも様々な再会BLをご紹介してきた私ですが、今回は再会ド直球の作品ということで、毬田ユズ先生の『アンリライト』をご紹介したいと思います!
こちらは丸々一冊、同じ高校に通っていた二人が大人になってそれぞれ刑事と探偵になって巡り合う再会&お仕事BLの作品です。
主人公の浅野貴士は自身の探偵事務所設立を機に、十数年ぶりに故郷の街に戻ることに。ある日、仕事で尾行調査をしていた最中、近場で発生した事件の対応で居合わせた、高校生時代の悪友で刑事となった須賀章仁(アキ)と偶然の再会を果たします。13年前の別れ以来、貴士にとってアキは「一番会いたくなかった男」。にも関わらず、再会以降アキは何くわぬ顔で貴士の事務所に顔を出すようになって―?!
説得力のある描写でお仕事BLに定評のある毬田先生。本作は現在と過去の事件が並行して物語が進んでいくため、全体を通して一定の緊張感がありますが、刑事×探偵の骨太な作品に仕上がっています。発売当初のキャッチコピー「こじらせ再会ラブ。今も、昔も、お前が欲しい」が全てを物語っていて、再会厨の私は痺れまくりでした!!
生真面目で繊細な貴士と、楽天的で自由な振る舞いが目立つアキ。再会してすぐにちゃんと話せばいいのに(T_T)アキを受け入れられない貴士と、絶妙な距離を取りながらちょっかいを出してくるアキ……不器用で素直になれない二人ですが、貴士の事務所で飲み明かしたときに、13年前の別れがお互いの些細な行き違い・誤解であったことが判明します。
全体的に細くシンプルな作画ではありますが、お互いのわだかまりが解けていく空気感や二人の綻んだ表情が丁寧に描かれていて、なんというか、その場の温度の変化がリアルに伝わってくるんですよね。作中はシリアスなシーンが多いので、ふとした瞬間の二人の笑顔の破壊力がすごくて!!尊い!!!その後二人がそれぞれ感極まって涙するシーンがあるのですが、万感の想いの成人男性の涙はこちらもたまらないものがありますね。13年の時を経た「あいつがほしい」の重みよ・・!!
ちなみにコミックスの描き下ろしでは、やっと二人の穏やかな日常が拝めるのでこちらも尊いです・・(;▽;)
再会BLは過去に別れを余儀なくされているため、なかなか全編を通してハッピーな作品は多くありません。
が!!!
そこさえ乗り越えてしまえば、強い絆で結ばれた二人の唯一無二の関係を楽しむことができるんです◎
離れた年数の重さも、もはや中毒になる再会BL(苦笑)。甘いだけでは物足りない、不器用な大人たちのこじらせラブを堪能したい方に全力でおすすめしたい作品です!
▼作品詳細はこちら!
笑いあり・ホロッと涙ありの癒やし系ラブコメディ!(部員:桃子)
『笑う鬼には福きたる』作:山本小鉄子
再会したことで物語が始まる…大きな変化が訪れる…なんてBL作品はたくさんありますが、「えっ!?まさかこういう展開?」って思った大好きな作品があります。
その作品が、山本小鉄子先生の作品『笑う鬼には福きたる』。
恋のお相手と再会してから、別の人とのご縁も広がり、主人公は周りから信頼されて愛され、人生がガラッと変わっていくストーリーですね。
山本小鉄子先生の作品は長編が多いですが、この作品は全3巻で完結!
読み終わったあとに、とっても幸せな気持ちになれるBL漫画です。
まずは、あらすじからご紹介しましょう。
ある日突然、コンビニでアルバイトをしていた怒谷笑(いかりやえむ)の元へ、ヤクザの久住(くずみ)が借金を取り立てに来ました。1週間前に急逝した父親が、500万円の借金を残していたのです。
また、同じ日に高校時代のクラスメイトだった福冨稔持(ふくとみねんじ)と偶然再会します。
笑は「ゲイ専門の秘密クラブ」の仕事を紹介されており、彼が借金で困っていると知った福冨は「俺が怒谷を買う!」と言い出して…
その後も、なんとか笑の力になりたいと、頻繁に彼の前に現れるようになります。
甘えることを知らずに育った笑は、そんな福冨の言葉を素直に聞けません。
しかし、少しずつ心を開き、お互いに相手への特別な想いに気づいていきます。
笑いあり・ホロッと涙ありの癒やし系ラブコメディです。
この作品の魅力は、2つ!
①好感度の高い個性的なキャラ
②惹き込まれるストーリー展開。
この2つの魅力がうまい具合にまとまって、この作品の見どころが生まれていると思いますね。
まず「好感度の高い個性的なキャラ」に関しては、注目すべき登場人物は5人!
笑と福冨の他に、福冨の祖父・権造(ごんぞう)と姉の明日香(あすか)・ヤクザの久住です。
笑は、とにかく真面目な働き者で素直ながんばり屋さん。
そして、ド貧乏で生きることに精一杯でしたから、未経験なことや知らないことが多いんです。
また、嫌な想いをこれでもかって経験してきたため、笑うことも人付き合いも苦手です。
一方で福冨は、いわゆるボンボンで、超ド天然。少し、普通の人と考えることがずれています。
そして、再会した時から笑に執着し、自分の気持ちを自覚した途端にあっさりそのまま告白しちゃうほど、まっすぐな人。
健気でがんばり屋の笑がこの作品の癒やしの元、福冨の天然っぷりがこの作品の笑いの元ですね。
そして、その他の3人もまた、大変いい味を出しています。
祖父の権造は、笑の借金返済のために手助けしてくれるのはもちろん、人としてすごい人。
笑のことをよく理解している頼りになる存在で、権造のセリフや行動には感動させられます!
人情とかご縁は大切にすべきだと、気づかせてくれるキャラでした。
姉の明日香は、権造とは違っった意味ですごい人でした。
彼女の人を見る目によって、高校中退で良い仕事にありつけなかった笑が、正社員として職を得ることになります。
ヤクザの久住は、笑が借金返済をした時に、癒やしの時間がなくなることを寂しそうにするぐらい笑と福冨を気に入っていたようです。笑からしても、彼が取り立て担当で良かったですよね。
久住はやっぱりヤクザで、実際は別の顔もあるわけですよ。そんなことがわかるシーンもチラッと出てきますし。だけど、笑に無理難題は言わなかったし、軽い感じに見えながら、さりげなく笑を理解している人でした。
次に、この作品の魅力2つ目の「惹き込まれるストーリー展開」についてですが…
宝くじが当選するなど、うまくいきすぎじゃない?という展開はあるものの、心を揺さぶるシーンが次々と入ってきます。笑わせてくれるかと思ったら、ジーンと感動させてくれるし、ホロッと泣かせて癒やしもくれます。
笑わせてくれるのは、やっぱり福冨の行動でしょう。
旅館の住み込みバイトに行ったはずが、大衆演劇で役者をやることになって人気者になったり…
最後には、武者修行に出て侍になってました(笑)
ハラハラ・ドキドキする展開もありますよ。
笑のことを性的な意味で遊んでやろうとする人物が現れて、危険な状況になったりします。
久住の人の良さを知ることができ、権造が言っていた人との縁を感じるシーンでもありました。
個人的に大好きなシーンは、権造がふたりが両思いなのか笑に確認するシーンと、笑が福冨に好きだとやっと言えたシーン。どちらも笑は涙をこぼすため、一緒にホロッと泣いちゃいます。
エロは少なめですが、ストーリー内容とうまく噛み合っていてそれも好きです。
読後感は最高で、幸せ気分いっぱいになりますから、ぜひ読んでみてください。
▼作品詳細はこちら!
これを機におげれつたなか先生の世界観に触れてみてはいかが?(部員:森臣)
『エスケープジャーニー』作:おげれつたなか
思い出を交えながら新たな関係性が築かれていく「再会BL」。一緒に過ごす中で、昔と変わったところ、変わらないところを発見するたび感慨に耽る2人を眺めていると、自然と頬が緩んでしまいますよね!今回はそんな魅力満載な再会BLの中でも根強い支持を誇る『エスケープジャーニー』を紹介します!!
期待と不安を抱きながら大学の入学式へ足を運んだ久見直人。彼は明るく社交的な性格ですぐに友達ができ、出だしは絶好調――のように思われましたが、同じ学部で元カレ・羽瀬太一と衝撃の再会を果たします。直人は太一に酷い言葉を吐き捨てられ喧嘩別れした過去を引きずっていたため、最初は警戒態勢を取っていました。しかし同じ時を過ごす中で、直人はだんだん「友達」のままでは満足できなくなってしまい――!?
直人は通っていた高校が太一と同じで、入学当初からよくつるむ仲でした。そして、太一が家庭環境の悩みを打ち明けたのがきっかけで距離が縮まり付き合い始めます。『エスケープジャーニー』は、この高校時代と先述の大学時代のエピソードが交錯する形で進んでいきます。
本作の最大の醍醐味はズバリ「すれ違い」!太一の幸せを願い身を引こうとする直人と、嫉妬を上手く言葉にできない太一が、最初から最後までこれでもかと言うほどすれ違います。圧倒的に……話し合いが……足りない……ッ!!その気持ち、ちゃんと伝えたら向こうは絶対分かってくれるのに!?と悶えてしまうこと請け合いです。一山も二山も越えた先に幸福を掴み取る展開が好き!という方は、その欲を思う存分に満たしてくれる漫画なのでおすすめですよ!!
あと、著者がおげれつたなか先生なので絵が綺麗で読みやすいのも魅力と言えますね。どのページも丁寧に描かれているのですが、特にここぞ!というシーンで発揮される画力の高さに一発KOです。普段はチャラい男が気持ち良さのあまり泣きながら漏らしてしまったコマとか、フェチズムがギュッと凝縮されてて本当に堪りませんでした(鼻血)。
『エスケープジャーニー』は3巻で完結しています。単行本より濃厚でありながら、買い集めるのが大変な冊数でもなく、気軽に手に取りやすいのがメリットですね!ちなみに本作で登場した佐山は『恋とはバカであることだ』の主人公でもあるので、気になった方はそちらもチェックしてみてください!これを機におげれつたなか先生の世界観に触れてみてはいかがでしょう?
▼作品詳細はこちら!
幼馴染との『再会』…からの恋愛…人生模様。再会した2人を見守ってください!(部員:まみco)
『日の当たらない場所』作:たつもとみお
『再会』・・・そのフレーズを聞いただけでなんか嬉しいような、でも切ないような気分になるのは私だけでしょうか。
今回ご紹介するのは、幼馴染との『再会』・・・からの恋愛・・・そして人生模様をじっくりと見せて頂ける
たつもとみお先生の『日の当たらない場所』です。
舞台は、主人公の故郷の島。島って聞くだけでもう脳内でドラマが始まりますよね(これまた私だけ?)。故郷を一度は捨てた主人公と故郷に残った幼馴染・・・設定だけでなんか切ない!こちらのお話は人物の魅力もさることながら、東京と島の生活の対比やそれぞれの良さや大変さを感じながら読み進めていけるところです。連ドラを一気見してしまう感覚でぜひ読み進めてください!
主人公の 寛也 は、イベントの開催等で地域振興の手助けをするベンチャー企業の経営者のひとりです。故郷の島を出てからもう15年。会社の経営者は3人ともゲイで、ゲイへの偏見といったものを感じることなく仕事をしています。
ある日、仕事の依頼の電話がかかってきました。依頼主は、忘れもしない同じ島で生まれ育った初恋の相手 拓斗 でした。
寛也は、幼い頃からゲイであることを自覚し、かつあるアレルギーがあったため、生まれた地であるにも関わらず島の生活が嫌いでした。漁師の父はそんな彼にきつくあたり、寛也は島を出ていくことになります。
一方拓斗はビーチが似合う人気者。でも明るく見える拓斗にも色々な悩みがありました。彼は島に住み続け、漁師をしながら島の貴重な若手として観光協会の仕事もしていました。そこで観光の活性化を図ろうと考えていたとき寛也の会社を見つけたのでした。
陰の寛也と陽の拓斗、そんな感じに見えて始まるこのお話もだんだんとそんな単純なことじゃないぞ?!と気づいてきます。時と場合によって2人の見え方が変わるんですよね。この対照的にも見える2人の関係が、色々が出来事を経て絡みあっていくところが、このお話の一番の魅力かなと思います。
寛也も拓斗も2人とも違う意味でセクシーかつかっこいい!「会社経営者」と「島の人気者」が主人公、でもタイトルは『日の“当たらない”場所』。たつもとみお先生のタイトルのつけ方の妙に拍手喝采の私です。
島で生活したことのない私ですが、離島の生活というのはきっととても狭い世界で、でも馴染めばきっと楽しく、でも馴染めないと本当に大変なんだろうという、そんな世界でゲイの寛也は生きていくのがさぞ大変だったと思います。島を出て彼は友人達とベンチャー企業を立ち上げるわけですが、東京に住んでたら「会社作ったんだ」すごいねとなるところも、島に限らず田舎では「なにやってるんだか分からない」で片づけられたりするんだろうなぁとか、このお話はがっつりBLであることには間違いないのですが、その背景に流れる色々な問題についてもとにかく感情移入してしまいます。
一度は離れた2人が再び出会い、以前は築けなかった関係を作っていく・・・。再会した2人をぜひ読んで見守ってくださいね!