積木の恋【イラスト付】 みんなのレビュー

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投稿者：もり　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

恋人になるまでがゴールではなく、その後が描かれる作品。自分を守るために硬い殻にこもる蓮が、少しずつ加賀屋に自分をさらしていく。クリスマス、正月と世間は華やかだが、刑罰を受けた蓮には厳しい現実がある。ご都合主義ではないリアルな世界観が魅力。明るい話ではないけれど、心に温かな火がともります。

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

作者さんの作品の初読です
以前から気になっている作者さんだったのですが
読もうというタイミングがなかなかなくて。
今回この作品から手を付けたのはあらすじではなく
表紙の美麗さです。
しかも馬のたたずまいに心惹かれた。
こういう出会いも縁だと思うので
個人的には問題ないです。

ストーリー（あらすじ）だけで語るとすごいって感じではない。
むしろ王道的な流れで、特殊なことはない。
（恋愛詐欺師という設定自体もね）
でも、そんなことは関係ないと思わせる作品であることに驚く。
読ませる上手さを持っているのです。

蓮の気持ちに伴って「家」ということが何度も出てくるのが
この物語の肝でもある。
彼が「家」が欲しいという気持ちが切ない。
小さな庭と雑種の犬
「誰にも追い出されない」「自分の場所」
それを手に入れたら「真面目に働く」という心根。
夢想する「家」が何度も繰り返し描かれる。
そして、
自分が夢見ている「自分の家」に加賀谷が座っていると
認識するシーン
飽きるほどに夢みた「家」にいる自分以外の人
そこで感情と感覚が噴きあがる一瞬がすごい切々として
痛いほど伝わってくる。
思わず「上手いなぁ」って思ってしまった。

その後の別れと再会はこうなるだろうなぁって思いつつ

続編の二編もらしくて良かった。
作者さんも書いていたように、あの状況であの二人が
すぐにハッピーラブラブな生活に突入とはならないだろうって思ったから。
そこらへんを掬いあげる上手さ。
そして、舞台をクリスマスとお正月という特別なシーズンをもってくるのが上手い。

不当解雇されたことや、
おばあさんへの親切心を疑われたことへのフォローが
まったくなかった後味の悪さが逆にリアルに胸に落ちてくる。
そうだよね。
現実はそんなに簡単なものじゃない。
人の偏見も誤解もね。
蓮はこれからも何度も同じような目にさらされるでしょう。
でも最後の切ない願いを口にすることができて、
怖がりながらも前に進んでいく姿が見られて切なかったです。

そうそう加賀谷母がある意味一番エキセントリックだった。
あの反応すごいわーあの乱れなさが
（むしろ、否定や拒否する方が自然に受け入れられる）
加賀谷父どんな男なんだよーって思わず思ってしまうくらいに。
万理さんはエキセントリックだけどかわいい女子
わがままであけすけででも正直で可愛い。
先生と幸せになってほしいと思うし、蓮の友達であってほしいなぁって。
（私は好みの女子が出てくる話は本筋とは別にうれしく読めるのです）

加賀谷視点のお正月の話は
ちょっとサービス作品かと思ってしまった。
（着物を汚さない努力をしている・・・に眩暈がしました）
「好きで、好きで、たまらない」
という言葉と、
ラストの３行にようやく幸せな未来の予兆を見ることができて
安心して本を閉じることできるなぁって思いました。

本を読み終わって、改めて表紙を見て
やっぱり話にあった素敵な表紙だなぁって思いました。
表紙絵が秀逸ですね。

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投稿者：さるるん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

某サイトの『不朽の名作３０選』に選ばれていたので、読み直してみました。
大きな事件は起きないのですが(というより主人公の蓮の存在がそもそも事件)ものすごく些細な出来事に蓮の気持ちは動かされ、ついには改心するかというところで突然の別れが来ます。
２年の月日のなかでふたりは変わらずお互いを思い続け、ハッピーエンド、のはずなのですが人生はそういうわけにはいきません。
そのあとも二人に降りかかる問題や出会いや出来事を、一緒に乗り越えていこうね、というところで話は終わります。
こじれている蓮と変わり者の加賀谷なので、明日になったら何の問題もなく幸せ、なんてことはきっとない。
これからずーっと続いていく生活のなかで素直になれたりわかりあえたりするんでしょう。そんな余韻にあたたかくなるお話です。

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投稿者：にえはづき　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

最近凪良先生の作品にはまってます。
この作品もせつなくジーンとします。主人公の二人がクリスマス、正月と過ごした話を読んだ後、なんだか幸せな気分になりました。また読み返したいです。

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投稿者：Sota　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

蓮の心情が痛いほど分かり、何度も泣いてしまいました。
自分の家を持つことを夢みて詐欺をすることも、世間的には悪いことでも、正当化してる蓮の言い分が悪いことだとは思えなくなりました。
そして、アドベントカレンダーを大事にしている蓮の、小さな幸せを大事にしてる様子が、とても印象に残りました。

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投稿者：ケラっ子　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

久々に読んで泣いた作品です。加賀谷の「君になら何度騙されても構わない。」というセリフに、蓮に対する愛を感じました。

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投稿者：はにーとーすと　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

全３話のお話が収録されています。
受の蓮も攻の加賀谷もとっても不器用で、読んでいて何度も切なくなりました。
蓮が刑期を終えるまで2年の月日が流れますがきっとその月日は二人にとってとても大事だったのだろうなぁと１話目のラストを読んで思いました。
２話目にレズビアンカップルが絡んでくるのですがちょっとウルサイ感じがして私はなじめませんでした。３話目のお話は加賀谷視点のお話で加賀谷の蓮に対する愛しい気持ちがたくさん伝わってきて良かったです。
イラストを担当された朝南かつみさんが急逝されてしまったのであの美しい挿絵が今後見られなくなると思うと残念ですね。

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投稿者：onew　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

詐欺師と医者の恋物語。「積木の恋」というタイトルが良い。切々と降り積もっていく恋情を遠くから見守るような感覚で読みました。

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投稿者：まぐろ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

騙した相手を好きになるってとにかくせつない。
特に蓮が刑務所に入っている間が泣けました。
もちろん、刑務所を出てから加賀谷と再会するシーンも感動でした。
加賀谷のおおらかで全てを包み込むような優しさが蓮を救ったんだろうなと思いました。

最初は受け視点ですが、最後には攻め視点もあるのでお互いの気持ちがよりわかりやすい作品でした。

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投稿者：かなぶん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

受けは家庭環境など故に欠けている部分、歪んでしまった部分を持っていますが、
攻めも十分に欠けている人間。
欠けている人間同士埋め合って、それでも全部は埋められない。
でもこれから少しずつ埋めていく、というようなお話。

表紙のグレーが物語にとてもマッチしているように思いました。

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投稿者：10　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

カモ×詐欺師のお話。

透(受)が詐欺師の道を選ばざるを得なかった過去を知ると胸がとても苦しくなります。
更生して二度としないと誓ってからも前科があると知ると途端に周りの態度が変わる現実がリアルに描かれており、透がとても純粋な子だけに本当に辛かったです。

そんな透を、加賀谷はカモにされたという過去がありながらも無条件に愛し、透は彼のおかげで夢を叶えることができます。

−1なのは、確かに凄く良い話なのですが、少し物足りなさを感じてしまったからです。
加賀谷がなぜそこまで透に惹かれるのかの過程をもう少し詳しく描いて欲しかったです。
いくら加賀谷にも後ろ暗い気持ちがあったとしても、身の上話が全て嘘で400万以上も盗られたと知ったら、普通は相手を信じられなくなるでしょう。
なぜ騙されても好きとまで言えるのかわからず、仏様のようで人間味がない気がして感情移入できませんでした。
詐欺がばれたことで2人の間に距離が生まれ、それを縮めて行くという流れにした方が自然で良かったのではないかと感じました。
心情表現の上手い凪良先生だからこそ、余計にそう思ってしまうのかもしれません。
以上、あくまで私の個人的な意見ですので、ご容赦下さい。

しかし、この点を引いてもとても感動的で素晴らしい作品である事は間違いないので是非お読み下さい。

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投稿者：ミント　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

表と裏の感情に際悩まされる、主人公の気持ちがジリジリと伝わる。

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投稿者：沢田　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

不幸な生い立ちの受けを、自身も寂しい子ども時代を過ごした攻めが包み込んであげて甘やかしてあげてるとことかジンときました。
僕の世界の真ん中は、もう僕じゃない。という一文！
美しいです…。