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身ぶりとしての抵抗 みんなのレビュー

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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.5

評価内訳

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紙の本

抵抗者・鶴見俊輔

2016/08/20 19:42

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:親譲りの無鉄砲 - この投稿者のレビュー一覧を見る

鶴見俊輔は、行動する思想家だった。本書は、社会的発言の一環としての「行動」、とくに抵抗運動にまつわる鶴見のエッセイを集めたものである。特に「五十年・九十年・五千年」は、鶴見自身が自身の業績としてあまり言及することがなかったハンセン病回復者の社会復帰への思いを語った重要なエッセイとして、我々は認識するべきである。ハンセン病回復者の社会復帰は、病気に対する無知や偏見によって維持されてしまった「らい予防法」の1996年の廃止まで、長らく妨げられてきた。鶴見がその問題を最初に自覚したトロチェフさんとの出会いからみても、実に50年の年月が過ぎていた。もちろん、このような件で国が自発的に法律を改定することはない。多数の理解者が寄せた善意にもとづく「むすびの家」のような、外の人間の人との交流の場を作るための努力が営々と積み重ねられてきた背景があってのことだ。また、鶴見がすべてを仕切ったわけではない。彼の教え子たちが自主的に行動に移したことを、見守ってきた部分が大きいのかもしれない。さらに、この運動には各方面から思わぬ協力が集まったり、出会いがあった。鶴見にとって忘れられないのは、柴地則之、白石芳弘、那須正尚、矢追日聖、大江満雄、杉山龍丸、谷川雁、といった面々である。不思議なことに、鶴見の周りには有能な実務家がよく集まる。天の配剤というべきか。
 鶴見は、60年安保での運動以降、ベトナム戦争反対運動などで、中核的な役割を果たした。それも、組織至上主義ではない、一つ一つの案件ごとに緩くつながり、終わったら自然解散するような形で時の権力に対峙してきた。それがべ平連であり、米兵脱走支援活動である。それは昨今のSEALDsのような若者の運動の先取りであり、彼らがお手本にしたであろう台湾の「ひまわり運動」の学生たちが採った戦略のひな形ともなっていた。この歴史的事実は我々もきっちり押さえておく必要はあると思う。「日付を帯びた行動」、「脱走者たちの横顔」の章には、鶴見の視点から見た当時の運動の様子がよくわかるエッセイが並ぶ。
 もうひとつ、鶴見の評論家としての特徴がよく表れているのが、「隣人としてのコリアン」の章において示される、金石範、金時鐘、金芝河ら「抵抗文学者」たちに寄せる共感であり、共振である。それは戦後の韓国、朴正煕軍事政権下における金芝河解放運動の行動への協力という形になっても現れる。一方、日本人の被統治国・朝鮮人に対する気まずきコンプレックスを吐露した田中英光の小説に対し高い評価を与える。その両側面を、鶴見自身の内部に有していた。
 鶴見の抵抗の精神の源流には、足尾鉱毒事件において、国会議員を辞し、在野の運動家として生涯を貫いた田中正造、そして木下尚江の系譜があった。田中正造の価値観は、江戸時代の庄屋のせがれとしての精神基盤の上にすでに形成されていた。つまりそれは西洋の思想家に習わなくても、自発的に日本人が獲得できるはずのものである。そこには鶴見が指摘するように、「大勢はきまったと判断され、その判断が現状にあたっていると思われる時に、その後は大勢に身をまかせるのではなく、いくらかの原則をたてて異議申したてをつづけることには意味がある」、と、内省しながら行動に移す習慣があった。しかし鶴見は、明治以降の日本に欠けているのはこの習慣である、とも指摘する。足尾鉱毒事件は、昔の過ぎ去りし事件ではない。表面的な体裁は違うが、水俣病、森永ヒ素ミルク事件、在沖米軍に関わる暴行事件や基地問題、今もなくならない多数の冤罪事件などの形として執拗に日本人に気づきを迫ってくるのである。

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電子書籍

自らの社会運動や社会に抵抗した人々についての文章を収録

2016/02/29 21:28

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Shigenobu Fujioka - この投稿者のレビュー一覧を見る

鶴見俊輔の文章を集めたコレクションの第2巻。
自らの社会運動や、社会に抵抗した人々について書いた文章を収録している。
バートランド・ラッセルやコンラッドといった、意外な人の名前も見られるが、文章を読むと、その意味がよくわかった。
中でも、中江兆民についての文章は、コンパクトながら、その人となりをよく表している。
中江兆民の数ある評伝の中でも、屈指の一つであることは、間違いない。

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紙の本

鶴見俊輔という人の書く文章には、構えなくてもその意図するところがすっと感覚として入ってくる

2017/06/30 23:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る

思想家・鶴見俊輔には、例えば吉本隆明や梅原猛のような偉そうなところが少しもない。別に吉本隆明や梅原猛を批判したいわけではない。ただ、鶴見俊輔という人の書く文章には、構えなくてもその意図するところがすっと感覚として入ってくる気がする。その人となりが文章に表れているのだろう。大変重要なことが分かりやすい文章で著されている。

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2012/10/23 10:10

投稿元:ブクログ

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2013/09/14 09:08

投稿元:ブクログ

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2016/05/14 20:34

投稿元:ブクログ

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