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電子書籍
姑獲鳥の夏(2) 【電子百鬼夜行】
著者 京極夏彦
「私を――たすけてください」。古本屋京極堂にして陰陽師の中禅寺秋彦が刑事の木場、探偵である榎木津を前にして解き明かす久遠寺家の「血」。呪われた真相は卑劣漢・内藤を恐怖のど...
姑獲鳥の夏(2) 【電子百鬼夜行】
姑獲鳥の夏 分冊文庫版 下 (講談社文庫 百鬼夜行シリーズ)
商品説明
「私を――たすけてください」。古本屋京極堂にして陰陽師の中禅寺秋彦が刑事の木場、探偵である榎木津を前にして解き明かす久遠寺家の「血」。呪われた真相は卑劣漢・内藤を恐怖のどん底へと叩き込み、文士・関口の自我を根底から揺るがす。そして京極堂はいう。「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
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その日、私は運命に出会った
2020/07/10 18:09
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投稿者:釦 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ああ、どうして私は京極作品にもっと早く手を出さなかったのか!!
怖い話が大の苦手で、京極夏彦=ホラー作家として認識し、敬遠していたのがひたすらに悔やまれる。ホラーというより、超絶頭のいいミステリだった。こんなに私の好みのツボを連打してくる作品に出会ったのは久しぶり、いや、初めてかもしれない。
私はこれを読んで、人生初、「推し作家」という概念を"理解"してしまった。
好きなところがありすぎてここでは語り尽くせないし、ネタバレになってしまうので詳しくは述べないが、物語序盤の量子力学と鬼のくだりで私は陥落した。完堕ちだった。
「ホラーなんだよね、読み切れるといいな」そんな風に読み始めた私が、である。あまりに綺麗な即落ち2コマだった。なんだこの本めちゃくちゃ面白い。
前述した量子力学の話もそうだが、全く別の分野だと思っていた話題が結びついて語られるたび、私は「その発想はなかった!」と唸り、叫び、ため息を吐き、天を仰いだ。
随分と騒がしかっただろう。なにしろ深夜2時ごろのことである。近所迷惑もいいところだ。アパートのお隣さんごめんなさい。
そして何より私が一番感服したのは
「文章に無駄がなく、伏線回収が鮮やかであること」
「京極先生のあらゆる方面の知識量がえげつないこと」
いや本当に、これがプロの文章力…ッ!!かないっこねぇじゃあねえか!!って感じだった。圧倒的だった。
そうだよな、だってプロだもん。痺れたし憧れた。読み進めるたびに背筋がゾクゾクした。このゾクゾクは私の嫌いなホラー的なアレではなく。たぶん一種の快楽的なソレ。まじで気持ちよかった。何なら読後は絶対脳汁が出てた。その証拠に頭が痺れていた。夜通し読んで寝られずにSNSで感想を吐き散らかした。
IQ3くらいの脳味噌で「好き…」と繰り返しながら、興奮と好きと面白いという感情が高まりすぎて涙した夜を、私はこの先ずっと忘れないだろう。
私はまだこの『百鬼夜行シリーズ』を読んでいる途中だが、姑獲鳥を始め、物語に出てくる要素全てがほんっっっっとうに私好みすぎて苦しい。京極先生、私の性癖知ってるんじゃない?ってくらい合致している。
今のところ、そこが一番ホラーである。