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紙の本
シリーズ3作目
2023/04/30 19:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
前2作までは、あくまでも傍観者であり狂言回しのポジションであった本多を主役に据えてみたが、主役不在のスピンオフ作品になってしまった感は否めない。そこが最終章につながると思います。
紙の本
暁の寺
2023/01/28 10:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
清顕と勲に引き継がれた「行動」だが、この巻ではジン・ジャンが転生者になっている。飯沼と違い、幼少期のジン・ジャンには前世の記憶もあるという記述もある。
戦後に舞台が移ったということもあり、前二巻とは物語の毛色やテーマが移ったような気がする。
紙の本
転生と流転。「タイ」からの留学生・月光姫の美しさに、三島由紀夫の本領を見る。
2004/12/21 04:06
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Straight No Chaser - この投稿者のレビュー一覧を見る
『貴種と転生・中上健次』(四方田犬彦)に触発されて、『豊饒の海』と響き合っている小説は……と考えてみた。
まずは『流転の海』。戦後の混乱期から現代に至る日本を父子の関係を軸に描き出し、宮本輝が自らのライフワークとして今も書きつづけている(?)作品。
三島由紀夫は、本多繁邦を徹底して「見る者」の位置におくことで「松枝清顕→飯沼勲→月光姫→安永透」という「転生」の物語を描き出し、完結させようと試みた。宮本輝は、父・松坂熊吾と子・伸仁を物語世界の内側における「行動する存在」として描くことで、親から子へと「流転」してゆく生の姿を写し取ろうとしている。
静的な美しさと動的な逞しさ。『豊饒の海』は絶頂における死の美しさを定着させようとして(半ば確信犯的に)「失敗」し、『流転の海』は決して定着させられることのない猥雑な世界を真正面から描き出すことで、どこまでも「流転」してゆく生に表現を与えることに「成功」(でも、この小説はどんなふうに終わる?)している。
ふたつながらに「ライフワーク」と呼ぶにふさわしい小説である。小説は生きている。そう実感する。小説が作家によって息を吹き込まれて生あるものとなるように、自分もまた生かされて在ることを思い出させてくれる。
次に思い浮かんだのが『深い河』。インドのガンジス河畔の町を舞台にした、遠藤周作の集大成とも言うべき最後の長編。(遠藤周作は「ライフワーク」と呼べるような作品を書かなかったが、彼は死に際して自らの棺に『沈黙』と『深い河』を入れるように遺言したという。)
『豊饒の海・第三巻 暁の寺』において、本多繁邦もやはりガンジス河畔の町を訪れ、聖と穢が混淆して流れゆくガンジス河に沐浴する人々の姿を見、焼かれる死体を見、無常(無情)の世界の向こうに一頭の聖牛の姿を見る。
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『豊饒の海』四部作は、各巻が「起・承・転・結」に対応するような形で構想されていたという。「転」の位置に当るのが『暁の寺』である。それまで徹底して「見る者」であった本多繁邦の「視覚」が「不治の病」に犯される決定的な瞬間。絶望という「死に至る病」に本多が(そして三島由紀夫が?)取り憑かれた瞬間。(だから……月光姫は美しい。)
『深い河』の終わり近く、美津子という女性がガンジス河畔で呟く言葉を並べてみる。
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同時代に国際的作家として活躍し、マルキ・ド・サドを愛してやまなかったふたり。美津子の祈りに込められたもの。
深い河を流されて、海へ。その海を、三島由紀夫は『豊饒の海』と名付け、宮本輝は『流転の海』と名付けた。さて……
紙の本
輪廻とは
2001/03/02 14:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:7777777 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本多繁邦はタイで自分は日本人だという幼い姫に会う。彼女は飯沼勲の生まれ変わりなのか? 唯一証明の証の脇の下のほくろは見えたり見えなかったりと曖昧だ。やがて大きくなった姫は日本にくるが日付けのわからないまま外国で死んでしまう。そして、本多繁邦は輪廻の概念を疑うようになってゆく…。
紙の本
確信犯的な物語の破綻か?
2016/01/20 15:05
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
三島由紀夫「豊饒の海」四部作の第三巻である。この三島由紀夫最長の長編小説は輪廻転生の物語である。全2作の緊密に構成された物語から第三巻「暁の寺」では、少し物語が破綻しているようにも感じる。これは三島の確信犯的な描き方なのかもしれない。いずれにせよ第四巻でどういう展開になるのか、興味のあるところである。