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紙の本
海うそ (岩波現代文庫 文芸)
著者 梨木香歩 (著)
昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野は南九州の遅島へ赴く。彼の心を捉えて離さないその島。そして地図に残された「海うそ」ということば。50年後、不思議な縁に導かれ、秋野は再...
海うそ (岩波現代文庫 文芸)
海うそ
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商品説明
昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野は南九州の遅島へ赴く。彼の心を捉えて離さないその島。そして地図に残された「海うそ」ということば。50年後、不思議な縁に導かれ、秋野は再び島を訪れる…。魂の遍歴の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
梨木香歩
- 略歴
- 梨木香歩(なしき かほ)
1959年生まれ.作家.小説に『西の魔女が死んだ』『家守綺譚』『沼地のある森を抜けて』『冬虫夏草』(以上,新潮社),『僕は,そして僕たちはどう生きるか』(理論社),『村田エフェンディ滞土録』『雪と珊瑚と』(以上,角川書店),『f植物園の巣穴』(朝日新聞出版),『ピスタチオ』(筑摩書房)など,エッセイに『春になったら莓を摘みに』『渡りの足跡』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』(以上,新潮社),『水辺にて』(筑摩書房),『「秘密の花園」ノート』(岩波ブックレット)などがある.
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書店員レビュー
心地よく、そして寂しい。
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
佐伯教授亡きあと研究をひきつぎ現地調査のため南九州の遅島に赴いた秋野は、島民に見せてもらった地図に「海うそ」という文字が書かれていることに気付く。
「海うそ」とは一般的にはニホンアシカのことであるが、地図にあるその場所に海はない。
そこではニホンアシカではなく、別のものをみることができるのだという。
彼は島を歩き寺院を巡りながら、次第に自らが喪ったものへと想いをはせていく。
この物語には多数の植物や虫が登場する。
例えば他の植物の上に根を下し成長する絞め殺しのアコウの木、手のひらが上をむいているようにみえるというミツガシワ、先導するように目の前を飛んだリュウキュウベニイトトンボ。
読書中は呼吸をすれば山の冷たく深い緑が肺をしめるような気持ちになる。
梨木香歩氏の文章は読者をその場に呼ぶ力があるのかもしれない。
心地よく、そして寂しい。
同じ場所を旅したくなるように、またこの物語を読み直したくなるのだろうと思う。
紙の本
思わず地図を見たくなるような
2021/06/19 02:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Chocolat - この投稿者のレビュー一覧を見る
でも、これは架空の島の物語だろう。と、思いながらも、島の地形や地名、暮らしぶり、そして、作者が詳しい植生分布など、あまりにも具体的で生々しいので、物語に取り込まれてしまいました。小説家は、想像力を駆使して作品に取り組むものでしょうが、それにしても、この島というか、物語のリアリティには驚きました。こんな短い作品なのに、内容の濃密さをじっくり堪能出来たし、沢山の学びもあったし、納得のラストまで、いつもながら、その技量と哲学に心酔してしまいました。
紙の本
南九州の遅島の地図に残された「海うそ」という言葉を追った人文地理学者の旅物語です!
2019/01/24 15:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人文地理学者である秋野という男が、南九州の遅島を訪れ、そこの地図に残された「海うそ」という言葉を巡って、行動する物語です。遅島とは昔に霊山があった小さな島ですが、自然が豊かで風光明媚なところです。しかし、そこの地図に残された意味の分からぬ「海うそ」という言葉に取りつかれ、彼は50年後にもう一度、その島を旅します。そこで、彼が何を発見し、何を感じたかは、ぜひ、同書をお読みください。
紙の本
蜃気楼は過去のメタファーなのか
2023/04/11 21:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白山風木 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実在の島に生活している人々、実際に起きた事件とその後を数十年描いたドキュメンタリーのようだった。過去の遺産として、目にできるものは、まれな幸運に恵まれた、一握り。永遠に続くものは何も無い、続けようとする試みがあるのみ。
巻末の多くの参考文献にも興味をそそられる。
紙の本
ひきこまれました
2021/12/17 09:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
しばらく梨木さんの著書を読んでなかったのですが、タイトルにひかれて購入しました。昭和初期、九州の離島に学者がフィールドワークにいくところからはじまります。島で自分も歩いているように、伝わってくる濃厚な土地の雰囲気にひきこまれました。当時の民間信仰なども興味深く、一気に読んでしまいましたが、伝わってくるものが奥深く、読後も余韻が・・。色々考えさせられます。1回では読み切れてないので、またじっくりと読み直してみたいと思います。