異分野の研究をのぞき見するのも面白い。
2018/11/09 17:05
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投稿者:雲絶間姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段は知らない、異分野の研究、しかも、まっとうな感じではなくイグノーベル賞系の研究論文をレビューされています。
普段の専門とは違う研究分野が垣間見られて面白かったです。
私の持っている、生命科学系の「ヘンな論文」をサンキュータツオ様に紹介したくなりました。
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
珍論文コレクターのサンキュータツオ氏が大学図書館で見つけた、奇天烈な論文を紹介した本です。
取り上げた論文は、「世間話の研究」「浮気男の頭の中」「女子高生と男子の目」「しりとりはどこまで続く」「湯たんぽ異聞」等の13本。これらが、れっきとした学術論文であることが楽しいです。
加えて、単に論文を掲載するのではなく、概要を噛み砕いて紹介していますので、難解な論文を読まずに、内容を知ることができます。役に立つかは置いておいて、色々と勉強になり、研究者の情熱も十分伝わります。私は、ラストの湯たんぽ論文に最も感銘を受けました。
ところで、多くの卒業論文は大学図書館に所蔵されているとのこと。私の拙い論文(「都市計画と行政法」との関係を分析した論文でしたが、「可」評価でギリギリ卒業できたレベルです。内容はほとんど覚えていません)も所蔵されていると思うと、恥ずかしくてたまりません。
最高にムダな知的興奮
2017/12/30 15:32
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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通りに、変なテーマやタイトルの論文を取り上げている。ただし、中身が「ヘン」というわけではなく、学術的な内容であると推察される。ヘンな論文を単に揶揄するものになっていないのは、筆者が「面白い(interesting)」と思って、論文と向き合い、何が面白いかを軽妙は筆致で叙述しているからではないか。真面目に面白がっているので、論文の筆者とも交流が続いている場合があるというのも納得である。
筆者自身も修士論文をものしている文学修士であるため、取り上げた論文の見方はなるほどと頷けるところが随所にあって、「最高にムダな知的興奮!」という帯のキャッチコピーはなかなか上手いことを言っていると思えた。
クッソ面白いです。
2018/08/12 20:26
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投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
サンキュータツオさんのツッコミが冴え渡っている電車で読めない系の本です。
表紙の猫に釣られて読みましたが、エロ関連が特に面白いです。
仮にも女なのに「浮気によって妻への愛が深まる」論に納得してしまいました(笑)
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<目次>(原本は「第×本目」の表記)
第1章 「世間話」の研究
第2章 公園の斜面に座る「カップルの観察」
第3章 「浮気男」の頭の中
第4章 「あくび」はなぜうつる?
第5章 「コーヒーカップ」の音の科学
第6章 女子高生と「男子の目」
第7章 「猫の癒し」効果
第8章 「なぞかけ」の法則
第9章 「元近鉄ファン」の生態を探れ
第10章 現役「床山」アンケート
第11章 「しりとり」はどこまで続く?
第12章 「おっぱいの揺れ」とブラのずれ
第13章 「湯たんぽ」異聞
ほかコラム6本。
熱文字や許可局で間違いなく同じ趣味だとわかるサンキュータツオ氏の「国語辞典の遊び方」に続く本。
論文の面白さもタツオ氏の突っ込みの的確さもそもそもこの企画の素晴らしさも、実に美味しい本だった。
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研究とはエンターテイメント。
偉大な?謎の前に、ああだこうだ。
プロセスと結果の面白さ。
珍論文には役得がないかわりに、純度の高い情熱が詰まっている。
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"大まじめな珍論文を、芸人の嗅覚で突っ込みながら解説する知的エンターテインメント本!"。 ―― https://bookmeter.com/reviews/68939902
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論文は正しいことを言っているのではない、正しいことを求めた人々の知的好奇心のアウトプットである。
溢れる好奇心を抑えきれなくなった人たちが、時に宇宙の深淵に迫り、時に走行中のブラジャー着用時の乳房振動を調べたり、湯たんぽの来歴を追う。世界を変える論文から本書に収められた珍論文まで、論文ーー人々の研究とその表現はそういう知的エンターテイメントなのだな、ということがよく分かった。
これは芸人である著者の、伝わりやすい言葉で語られている功も大きい。そして、論文には物語の種が仕込まれていることも知れた。面白い。
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真面目に不真面目な学問の世界。
院生だった頃を思い出す。学習じゃない、研究をすると言ったら、自分の疑問をトコトン追求できる環境があることに嬉しかった。確かにタイトルを見れば「!?」と思うような論文が挙げられているが、本人たちは至極真面目に、この研究が社会に役立つ、世界を変える、と思っている。その熱さに乾杯。
一人ひとりが情熱を注いだ成果の上澄みだけ掠め取っていく輩がいることに、そうたいした研究じゃなかったけれど自分なりに時間と情熱を捧げた一人として、激しい怒りを感じます。
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珍論文コレクターの著者が集めた論文の数々を紹介した一冊です。万人に共感されるトピックだけが学問ではありません。賢い人が興味を追及するとこんな大作が生まれるのだなと、各章を読んでいてとても愉快でした。こんなの役に立つのかと思ってしまうのですが、収集された資料や論理的に記されたフローチャートがきっと今後の我々の生活を更に豊かにしてくれるのかしら…とポジティブに捉えています。
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世の中には、こうもヘンな(勿論大マジメな)論文があるんだととても関心した。著者が後半指摘している研究の本質には感銘を受けた。実際に、インスタントコーヒーをスプーンでかき混ぜると音が高くなってとても感動した!
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愛人とも奥さんとも上手くやってる不倫男の心理を分析した論文が面白かった笑
「学問」とは、何かに取り憑かれてしまった人のコク深い行き着く先であることを知る一冊。
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奇をてらい無理やり理論を組み立てた悪あがきを笑い飛ばす内容かと思いきや、至極真面目な研究成果の紹介でした。
真の学者は、自分のプライドよりも、とにかく「真実」に重きを置く。
今までわからなかったことが知りたいだけなので、地道にデータをとり謙虚に分析している。
理系人間だからでしょうか、個人的には「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化」のアプローチのしかたと謎が解けていく過程が面白かった。
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高校生ビブリオバトルの全国大会(決勝大会)にて販売されていました。地方予選のチャンプ本として全国に出てきた本の要です(この本の発表は組み合わせの関係できくことができませんでしたが)。
大学や大学院の教授をはじめ、特定の研究分野に特化した論文をとりあげ、その目の付け所の「面白さ」に対して芸人でもある著者がツッコミを加えながら論じる、という構成。
全部で13本の論文が取り上げられていますが、そのチョイスも、筆者のコメントも読みやすくてよいと思います。
なにより、これから大学や大学院に進学する人に対して、研究や「学問=”問いに学ぶ”」の面白さを知ってもらうきっかけになるのではないかと思います。
筆者のコメントにもある
「大学全入時代になって久しいが、大学の学部生までの勉強は、ほぼ「確定しているっぽいこと」を覚える、という作業でしかないので、学部卒で社会に出る人はあまり学問の本当の面白さに触れないで終わってしまうことが多い。これは残念なことである。▼学問の面白さは「わからないこと」にどう立ち向かうか、という点にある。立ち向かうときに知識がどうしても必要なので、それまでの「覚える」作業も体力づくりとして必要なのだが、そうなると、人は22歳くらいまではずっと「基礎練習」をしていることになる。つまり、「試合」の面白さを知らずに終わるのだ。最近では卒業論文すら書かなくても卒業できる大学も増えたので、ひたすら「ほぼ」確定していることを覚える、というのが学問だと誤解している人もいる(p.233~224)」
という部分は、ぜひ大学生や大学受験をひかえる高校生に読んでもらいたいと思います。
また、13章で取り上げられている「湯たんぽ」の研究論文とその剽窃問題については、メディアリテラシーとして身につけておくべき最低限のマナーについても考えさせられます。
また、あまたある研究を
①「人間とはなにか」の「いまどうなのか」の研究
②「人間とはなにか」の「いままでどうたったのか」の研究
③「この世界とはなにか」の「いまどうなのか」の研究
④「この世界とはなにか」の「いままでどうたったのか」の研究
という4種に分類して考える、という視点も、よく整理されていてわかりやすいと思いました。
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難解なイメージがある学術研究の世界。一見ばかばかしい研究論文が、人間社会の真理を鋭く突いている。大真面目な珍論文を芸人ならではのツッコミで解説する知的興奮本。
Eテレ『ろんぶ~ん』に触発され購入した一冊。真理を追求する全てのものに無駄はない。そして、『湯たんぽ』無断引用事件のようなことは、研究者を冒涜するもっともやってはいけないことでもある。