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紙の本
柳橋物語・むかしも今も 第2版 (新潮文庫)
著者 山本周五郎 (著)
過酷な運命に翻弄されるおせんを、命をかけて守り抜く幸太。何不足なく育ったまきに、愚直なまでに尽くす直吉。一途な愛の行方を描いた、下町人情溢れる傑作2編を収録する。【「TR...
柳橋物語・むかしも今も 第2版 (新潮文庫)
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商品説明
過酷な運命に翻弄されるおせんを、命をかけて守り抜く幸太。何不足なく育ったまきに、愚直なまでに尽くす直吉。一途な愛の行方を描いた、下町人情溢れる傑作2編を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
本当に好きな人と、慎ましく暮す幸せ。幼い恋心で男との約束を交わしたおせんは、過酷な運命に翻弄される。おせんを愛する幸太は、命をかけて彼女を守り抜く(『柳橋物語』)。周囲の愛情に包まれ何不足なく育ったまきに降りかかった夫の裏切り。密かに慕う直吉は愚直なまでにまきに尽くすが(『むかしも今も』)。一途な愛の行方を描く、下町人情溢れる感動の傑作二編。【商品解説】
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紙の本
それでも生きていく方がいい
2019/04/11 16:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
山本周五郎が63歳という若さで亡くなったのは1967年2月のことだから、没後半世紀以上になる。
それでいてこうして「新・山本周五郎」と冠がついて、新潮文庫改版が出るのだからすごいものだ。
かつて愛読した読者だけでなく、新しい読者までひきつけてやまない山本周五郎は、まさに物語の面白さを実感させてくれる。
改版となった新潮文庫は「注釈付文字拡大」版で、特に印刷された文字が大きいのは、すでに山本周五郎の没年よりも年を経た私には有難かった。
この文庫には昭和21年から24年にかけて発表された『柳橋物語』と昭和24年に発表された『むかしも今も』の、少し長めの中編2編が収められている。
どちらの作品も主人公(『柳橋物語』はおせんという女性、『むかしも今も』は直吉という男性)は過酷な運命に翻弄され、それでも真実の愛にたどりつくという仕立てになっている。
「人のちからでは反抗しようのない、大きな厳しいもの」に支配されている「人間というもののかなしさ、無力さ」、主人公はそれでも懸命に生きていくのだ。
その姿に、終戦からわずか5年にもみたない日々の中を生きていた人々をどれだけ勇気づけたことだろう。
終戦という廃墟から私たちは経済的にも豊かになったが、それでも天災や人災など「大きな厳しいもの」が時に私たちをうちのめす。
そんな時、この2つの作品は今も心の支えになってくれる。
改版の文庫巻末には解説の他に原田マハのエッセイも収められている。
これもいい文章だ。
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名作2編
2021/10/28 10:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:imikuto - この投稿者のレビュー一覧を見る
周五郎の真骨頂。特に人気作品といえるだろう。
涙なしでは、という感じだが、一方、この時代だからこそ、という醒めた見方もある。
周五郎といえば人情物。
最近本屋に行って感じることは、いつまでも読み継がれる司馬遼太郎にくらべれば、本棚に並んでいる冊数で負けている、ということ。
人情物時代小説だけでは歴史小説には太刀打ちできないということかな。
周五郎作品の中ではこの種の人情物ばかりを読んできたが、歳を重ねた今では、もっと歴史長編を読んで著者の歴史観に触れ、書店の本棚の盛り上げに貢献すべきだな、司馬さんに負けないように。