商品説明
就活の情報交換をきっかけに集まった、拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良。学生団体のリーダー、海外ボランティア、手作りの名刺……自分を生き抜くために必要なことは、何なのか。この世界を組み変える力は、どこから生まれ来るのか。影を宿しながら光に向いて進む、就活大学生の自意識をリアルにあぶりだす、書下ろし長編小説。
著者紹介
朝井リョウ (著)
- 略歴
- 1989年生まれ。岐阜県出身。早稲田大学文化構想学部在学中の2009年「桐島、部活やめるってよ」で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著書に「チア男子!!」など。
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
書店員レビュー
著者自身の就職活動を…
MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店さん
者自身の就職活動をもとに書かれた小説。
最初のうちは主人公達が助け合って就活を乗り越えていく青春小説? かなと思っていたのですが・・・。読んでいるうちにそうじゃないと気付き、彼らの中にある黒い何かがどんどん・・・・
そうそう、就活って奇麗事じゃないんだよなっ。これから、就活する人には覚悟を持って読んで欲しいし、昔就活をした人にはこれを読んで人間って奇麗事ばっかりじゃ生きられない、そう改めて思って欲しい。
読んでいくうちにどんどん毒が回っていく感じがする小説。
(評者:MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 文芸担当 勝間)
上から目線を徹底的に叩きのめす。
2017/12/26 23:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
何者というよりも、「なにさま」という感じがするお話でした。
直木賞受賞作です。それ以前に、気に入っている作家さんであり、
この作品も受賞は納得の出来栄えでした。
若者特有のノリで薄められた危なっかしい人間関係と、ゴツンと
もの申す若者の本音の部分が見事な対比を現わしていました。
面白かったですよ。
テーマは就活です。
朝井リョウさんは、身近な題材が多いですね。
高校の部活、大学生活、就活。
その時々で自分が経験したものを物語に変えています。
等身大に感じられるところが魅力です。
中表紙をめくると、Twitterのプロフィールが六人分載っています。
これが登場人物。
現実の人間関係と、Twitterを通したガス抜きの関係。
いかにも現代風の仕掛けを用いていますが、根元の人間くささが
そこかしこに現れています。
六人が六人なりの社会への旅立ちを模索しています。
就活。
真正面から取り組む人。シニカルに接する人。
カムフラージュする人。ドロップアウトする人。
これぞ人となりですね。
一番驚いたのは、題名にもある「何者」という概念です。
困難に立ち向かうと、一段階おおきいくくりに話を広げる人が
描かれています。高所に立っている人には意見をしにくいので、
あたかもすごいことを言っている錯覚に陥ります。
そんな人を、足もとぐらぐらと評するセンスは、
この作家さんならではでしょう。
日ごろから、特に仕事上では、ものごとの全体を意識するように
していたので、冷や水をぶっかけられた気分です。
いやー、本当に面白いです。
今の大学生の目からみえる風景
2016/11/06 10:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aya - この投稿者のレビュー一覧を見る
文系の大学出身私にとって、なにもかもがこっぱずかしくなっちゃうくらい 「はいすいません。そうでした」と思うことばかり。
あのとき読んでたらいったい、どう思ってただろ。
・・・で、あと10年後、100年後、私や子供、孫がこれを読んだらどう感じるんだろ。外国人が読んだら共感できるのかな。
そう思うと、ずっとこの世にあり続けてほしい。
今この瞬間の大学生の目から見える風景を、無添加・無着色で切り取って、真空パックしたような作品だと思いました。
朝井さんは初めて読みましたが、日常にひそむ得も言われぬもやもやっとした気持ちや、その場の空気を、絶妙な一言で切り出すことのできる感受性の豊かな方だと思いました。
Facebook、スマホ、Twitter、名刺、100年後には10年後にはポケベルみたいに懐かしいアイテムになっちゃうのかな。
ちょっとたったらまた読みたいです。
ぐさぐさ
2013/05/30 22:57
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:元就活生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の就職活動を振り返れば、思い当たるところがある。
「しんどかったけどいい経験だったし、やってよかった。もうやりたくないけど笑」って、きっとみんな思っています。
足元が全く定まらないあの数ヵ月。
自分の価値を疑い続けるあの数ヵ月。
内定という、ただの通過点を探して歩き回るあの数ヵ月。
ただ波に乗るしかできない。それすらできない人もたくさんいる。
自分と向き合うという意味で、とても有意義な時間です。だけど、本当にみんな、苦しい思いをします。
現代の大学生がたくさんたくさん悩んでいることがよくわかる。遊んでるだけじゃないぞと。
読みやすさとは裏腹に、現代社会の20代が背負うものの重さとその独特な生命力のようなものを、ぐさぐさと感じることができます。
せつない…
2013/05/02 17:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なっか。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わると、ただただ、せつない。就活って、なんだろ。
何者でもないただの青臭いリクルーターたちの苦闘
2015/08/27 22:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:T.H. - この投稿者のレビュー一覧を見る
どう格好をつけようと、どう見栄をはろうとも、ただの青臭い若者に過ぎない。何者ですらない弱者たちが苦闘しなければならない現実のつらさ。どうか乗り越えて生きてくれ。
一気に読了
2013/04/12 01:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あらひご - この投稿者のレビュー一覧を見る
そんなに読み込むタイプの本ではなく、スラスラと読めます。が、クライマックスに近づくにつれて作風が一変し、読み終わる時にはもう一度読み直したいと思わせる一冊となっています。
リアル就職戦線
2020/12/20 15:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
今どきの大学生たちの就活模様や、仲間意識や対抗心が繊細に描かれていました。表面上は友好的ながら、SNSで本音を吐き出すところもリアルですね。
主人公が就活をしていたころの私に思えてきて辛い
2019/04/29 23:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
もちろんホラー作品ではない、でもホラー作品よりも怖い作品かもしれない。主人公の拓人の独白と就活仲間との会話で話はすすむのだが、よくドラマにあるほんわか学生ものかと油断して読んでいくとだんだんとそうではなくなってゆく。同じマンションの住人、理香や隆良は意識高い系の嫌味な奴だし、人間関係もぎこちなくなってゆく。拓人が切れて本音をぶつけていくラストになるのかと思ったら、意識高い系の理香が逆に拓人に切れるという展開になる。実は拓人は内定の決まった友人の会社を2chで検索してあらを探していた。そして、「あんたは観察者なんだよ、その観察力で何者になれると思ってるんだよ」と罵倒される。平々凡々とした人間に見せかけて実はかなり暗い男、何だか、学生時代の私が拓人と重なり合わさってきて読むのが辛くなった。
等身大
2016/01/31 23:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
就活の情報集めが目的でスクラムを組んだ学生群像小説。早稲田の学生だった朝井氏のとっては等身大ともいえ、ゆえにリアリティーがある。もちろん、ノンフィクションとは受け止めていないが、途中からは、ある意味の私小説として読んだ。
こわくてこわくて。
2015/02/05 21:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雪空スウィング - この投稿者のレビュー一覧を見る
服装で、髪型で、お化粧で、装う。
いつからか、ことばでも、私たちは装うようになった。ことばと写真だけで、他者と繋がる。
現実とは別の現実、何者かになりたくて、どちらの世界でも装い続ける。この作品を読むと、自分を見ているよう。タクトもリカもミヅキもタカヨシ、登場人物の言動には見覚え、または思い当たる節がある。リアル。こわくてこわくて、ページをめくる手が止まらなかった。
平成生まれにはついていけず
2013/01/28 09:46
15人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:niko - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまの大学生の就活をめぐるあれこれの作品。
webでエントリー、ソーシャルメディアの活用…各社に葉書で資料請求した世代にはついていけませんでした。
若い作家の作品なので、そういうものかなと無理やり納得させましたが、流行りものを小道具として使い、話し言葉も砕け過ぎで、読んでいて疲れました。