紙の本
TV、ネットよりもまずはこれを読もう
2020/12/26 10:40
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
新型コロナウイルスに関して11月時点で判明していることを丁寧に説明してくれる一冊。ウイルスが出てきてから現在までの世界の状況、現在出回っているワクチンの研究製造方法やそのリスク等も対話形式のため入ってきやすいが、何よりもまだ分からないことが多いと認め、将来のことを予測するのは科学ではないと言い切る点も素晴らしい。TV、ネットでの情報よりもまずはこの一冊を。
電子書籍
国民みんな読んで欲しい
2021/02/07 22:02
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
そのくらい新型コロナウイルスについて、深く書かれています。医師がドクター目線で書いている書物は読みにくいものが多いけど、この本は違います。テレビでもこの方がコメントをしてくださったらいいのに……
電子書籍
インフォデミックに立ち向かうために
2021/07/03 18:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:モレノ - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナ禍でワクチン接種も進んでいる中、改めて、新型コロナウイルスとワクチンについて、基本的な知識を得るために、タイトルに惹かれて手を取りました。
内容は対談形式で、編集者Yさんの存在がわかりやすさを増してくれます。
峰先生もネット上で「ばぶ先生」の異名で有名なのは詳しくは知りませんが、わかりやすい語り口です。
メディアで余計なバイアスがかかった情報に自分も晒されてるのが、読み進めるに従ってわかってくるとともに、本書も含めて、情報との付き合い方を教えてくれます。
紙の本
面白かったです
2021/12/03 10:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
コロナ禍の今、自己防衛のために手を取った一冊です。コロナを始めとする感染症にまつわる知識が先生と生徒の対話方式で綴られています。特に最終章の情報リテラシーの項は必読です。
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読むと、峰先生も最初からワクチン推進派ではなかったことがわかる。
「ところが、『慎重派』だったはずのワクチン学者などの方でも、今、かなりイケイケどんどんになっちゃってる。なので、これは、正直に申し上げると、『本当にこの雰囲気はまずい』と思っちゃってます。特にワクチン研究者は前のめりになってはいけない。そう思うのです。」
(第3章 「核酸ワクチン」への期待と不安,p111)
「安全性に関してはかなりの懸念も持っています。……実際に2020年9月、10月には有害事象による開発の一時中止報道が相次ぎました。」
「ところが今回の核酸ワクチンについては、今回の治験までに打った人がほぼいないわけです。打って10年後に起こるような副反応があるかもしれないんですよ。」
(同,p101)
これほどまでに、コロナワクチンについて疑念を表明していた峰先生が、なぜ「イケイケどんどん」のワクチン推進派になってしまったのだろう。そこに闇はあるのか、ないのか。知りたいと思う。
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著者はウイルス免疫学を専門とする医師。日経ビジネス電子版の連載を書籍化したもの。インタビューを描き起こした会話調なので、密度は薄まるが読みやすい。2020年11月までの情報が反映されている。コロナウイルスの基本的なところ、感染予防、からウイルスについてまでわかりやすく解説されている。科学的根拠を基に書かれており、今の世の中で生きていくためには、ぜひ読んでおくべき。
ウイルスの素性としてはインフルエンザほどの感染力(R0~2.5ぐらい)。ただし致死率は2%で、約100倍。無症状者も感染させることがある。「風邪やインフルみたいなもので心配する必要はない」という言説は間違いだ。正しく適切に恐れなければならない。
感染自衛策は、栄養と睡眠、手指衛生、咳エチケット、3密を避ける、体調不良時の自宅待機、マスク、換気、水でのうがい。洗ってない手指で目鼻口を触らない。睡眠の大切さも強調されていた。逆に、買ってきた品の清掃や服への付着は、さほど気にしなくてよいそうだ。
ワクチンによる集団免疫獲得が収束条件。逆に言えば、ワクチンが出回るまでは、基本的に、これらの接触抑制などの感染対策しかすることがない。
もしかかった場合の治療は抗ウイルス薬と免疫抑制薬(DEX)の組み合わせが主流。抗ウイルス薬で増殖をおさえつつ、過剰な免疫を抑制することで炎症・臓器不全を防ぐ。
新型コロナウイルス向けには核酸ワクチン(mRNAワクチン)が実用化された。一般的なワクチン(不活化ワクチンなど)は、ウイルスのタンパク質を投与することで人体の免疫機構(記憶細胞など)に免疫を獲得させる。核酸ワクチンはウィルスの遺伝子を人体に投与することで人体内部でウイルスのタンパク質を生産し、それに対して免疫が獲得される。
核酸ワクチンは10年後ぐらいに実用化されるかと思われていたが急速に開発が進み、今回、初めてヒト向けに承認された。これまでは実績が無く研究していたのがベンチャーなどで、今回の波に乗ってスピード勝負を掛けたのが開発期間短縮の事情。ウイルスを増殖させて作る不活化ワクチンと異なりRNAを合成するだけなので大量生産が可能なのもメリットだ。新しいタイプのワクチンとはいっても、いきなり人体実験というわけではなく、2020年8月ごろから治験がはじまっており、安全性に関しては十分なデータが得られているというのが承認の理由。実際アメリカでは治験募集の広告は多く見かける。また副反応に関してはかなりハードルを下げているという情報もある。
一方で不活化ワクチンの開発も並行して進んでいる。応急処置として新型の核酸ワクチンをポイントを絞って使いつつ、従来型の不活化ワクチン・成分ワクチンを待ったほうが長期的には安心できるという意見もある。
アメリカやイギリスでは大流行してたくさんの死者が出ているので、リスクを知りつつも核酸ワクチンを急速導入している。副反応に対しては保証金など、金で解決。しかし、日本はうまく抑え込めている、副反応に対する拒絶が大きい。よって、状況を分析しながら不活化ワクチン(または安全が実証されたワクチン)を慎重に導入、それまでは接触抑制でなんとか抑え���む、というのが日本に推奨される対策としての著者の意見だ。
また、筆者は、科学的に誠実な態度として、これらのワクチンは効果はあるだろうが、その効果のほど(感染を抑えるなど)は現時点で不明、と言っている。それと同様に感染抑制についてもよくわかっていないので、「新しい生活様式」も、どの程度がいいかはやって行きながら、適切なレベルに調整することが必要。現時点で明確な答えはない。科学者は、わからないことはわからない、と言う。逆に言えば、断言は信用ならない。
だいぶ普及してきた考え方だとは思うが、検査して陰性だったからといって安心できない、という点にもページを割いて触れられている。PCR検査は事前確率が高い群に対して行うのが有効だ。こういった、専門的な見地からは答え出ている事柄に対しても「オレ理論」を展開する素人は多い。
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コロナ関係で世間の人が気になることを分かりやすくまとめてくれてます。
最終章のとおり、分からない状態も受け入れながら、自分の頭で考え続けるのが大事ですよね。
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編集者の山中浩之さんが、米国の医療・医学研究機関を経て、ワシントンDCにいる峰宗太郎先生の話をまとめたものです。
2020年12月8日刊。
〇先行きを断言する発言にはたいてい根拠がない。
〇ぱっとしないけれど「3密(密閉・密集・密接)」を避け、換気をすることが大事。
〇当たり前の「よく食べ」「よく眠る」が感染対策のゴールデンルール。
〇患者が「効いた・治った」ことと、薬の有効性はイコールではない。
〇ワクチンの効き目には大きな幅があり、事前に予測はできない。
〇核酸ワクチンは実験では効果を見せているが、ワクチンを含め薬に副反応は付き物。
〇世論が過剰にゼロリスクを期待すると、反動が非常に心配。
〇新型コロナワクチンで免疫がどれくらい付くか、持つかは現状では「分からない」。
〇免疫系は「こうすればこうなる」という一対一対応。白か黒かが非常に言いにくい。
〇特効薬、ワクチンができれば、風邪と同じ、怖くない…はみな「神風願望」
〇淡々と対策強化・緩和を試し、フィードバックを繰り返すのが最も有効。
〇神風を期待せず、ストレスをうまくかわし、安全なワクチンを待つ。
〇PCR検査は感染しているか否かを100%確定できるものではない。
〇無自覚感染者は検査を行っても見逃す確率が高い。
〇PCR検査ができるのは「陽性の確定」まで。
そして、最後にこの本は手軽に新型コロナ情報を「全部」ゲットできる本ではなく「雑学集」でもない。なにより「考え方」と「情報の取り方・検討の仕方」。すなわち情報との接し方、これをまず大事にしていただくきっかけになれば、大変ありがたいと結ばれています。
例えば、この本では「期待されている、新型コロナワクチンで免疫がどれくらい付くか、持つかは現状では分からない」と述べられています。
免疫系は「こうすればこうなる」という一対一対応、白か黒かが、非常に言いにくいそうです。
来年の夏には、オリンピック・パラリンピックが予定されていますが、今は外国から変異種と呼ばれるものも入ってきてしまい、それでは非常に心配になります。
菅政権は、GoToトラベルを止めるのが遅すぎたと言われたりもしているようですが、オリンピック・パラリンピックも「もう1年延期する」または「中止する」の判断が遅すぎたと言われないようにしてもらいたいと思います。(政治家の方にもこの本を読んでもらいたいです)
そして、最後になりますが、今年の年末年始を感染拡大させないために、帰省しないで一人で、又はご家族だけで過ごさされている方も多いかと思います。
特に周りの人のことを考えて、一人で過ごされている学生さんやお勤めの方、ご高齢者の方には感謝の気持ちでいっぱいです。
来年は、毎日感染拡大しているこの現状が収まり、年末年始は、ご家族団らんして、過ごせますよう心よりお祈りします。
年末年始も不眠不休で働いていらっしゃる医療従事者の方々にも、多大なる感謝を申し上げます。
では、皆さま、どうぞ来年はよい年になりますように!
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Twitterでフォローしているばぶ先生の著書。喩えが多くてわかりやすくロジックが明快。とことん自分で考えることを教えてくれる。
“大事なのは知識じゃなく考え方”、“この本すらも疑え“。自分の考えを確立させるのに必要なのはしなやかさと強さ。
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内容は難しい。
ただ、難しいところ読み飛ばしでもかなり参考になった。
ワクチンについては、もともとその効果を盲信するつもりはなかったが、mRNAやベータワクチンと言ったこれまでの活性化ワクチン、非活性化ワクチンなどとは全く異なる、いわば遺伝子組み換えみたいな方法で開発されていることは知らなかった。
また、95%以上の有効性というのも、単なるオッズの比較(プラセボグループとワクチン接種グループでの有効性の比率を相対化させた数値)であり、100人中95人聞くわけではないことにはがっかりした。そして何より一定の効果があるとしても長期的な副作用については未知であることについては、やはりそうかという思いであった。
また、PCRについては、ワクチン以上に驚きであった。日本を含め多くの国が、入国の際に陰性証明を求めている。ところが、感染者の3割は偽陰性になる事実を知り衝撃。陰性証明という不確実な免罪符をまるで水戸黄門の印籠のごとき扱う某政府の盲信さを嘆くばかりである。
本書の結論にもある通り、コロナに限らず、情報を盲信せず、情報に踊らせられることなく、エビデンスをチェックする姿勢があるか否かが、インフォデミックの世界にあって、賢く生きる唯一の方法になるのかもしれない。
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予想通り、コロナ第三波はやってきて、第二回目の緊急事態宣言が正月休みを待って出されました。感染者数の観点から言えばもっと早くから出すべきだという意見もありますが、経済の縮小を考慮しての政治的な判断もあったのかもしれません。端からコメントするのは楽ですが、実際に決断するのは大変なことだった思います。
一年延期された東京五輪ですが、現状では開催は難しいと思いますが、それを可能にするキーを握っているのが、この本にある新型コロナに対するワクチンの開発と国民へ接種して人工免疫を作ることにあると思います。
ところが私はワクチンに関する知識が殆ど無かったので、この本によって令和三年三月末には出回っている予定のワクチンについて「知らないと不都合な真実」を把握しておくことは重要であると感じました。
以下は気になったポイントです。
・ウイルスは、いわば「遺伝子とその容れ物だけ」の存在である、だから単独で増えることはできない、その代わり別の生物の細胞に侵入し、その増殖機能を乗っ取って自分の遺伝子のコピーを増やす。新型コロナウイルスの名前は「SARSコロナウィルス2」、このウイルスによって起こる病気がCOVID-19という使い分けをした。(p27)
・ウイルス込みの「飛沫」は大抵は2メートル以内に重力で落ちていく、なので冬は加湿すると良い。湿度を上げることで空気中を漂うウイルスを含みかねない微粒子を重たくして吸い込みにくくする効果をもたらす(p38)水道水での奪いは、上気道感染症を防ぐことがわかっている。うがい薬はそれを防がない(p44)
・オリンピック開催可能か、などの長期的な予測を語る方もいるが、それはワクチンの開発状況や集団の免疫の獲得状況、あとはウイルスの実際の流行状況にかなり依存する話である(p48)通常は5−6年かかるところを1年以内でやろうとすれば、倫理観・安全性がトレードオフにならざるを得ない(p49)
・知らないと不都合の真実:1)先行きを断言する発言には大抵根拠がない、2)パッとしないけれど、「3密:密閉・密集・密接」を避け、換気を意識することが大事、3)当たり前の、よく食べ・良く眠る、が感染症対策のゴールデンルール(p50)
・ワクチンとは、擬似的に病原体のようなものを作ってヒトの免疫を反応させるものなので、ヒトの身体が持っている免疫を応用するものであり、擬似的な病原体を作る面からは、ウイルス学の応用とも取れる(p71)ワクチンとは、ヒトの身体に特定のウイルスに対する免疫をつけさせるための手段である(p72)集団免疫を達成する現実的な手段がワクチンである(p76)弱毒化した病原体で、感染を予防でき、接種自体による感染も防げる、のがワクチンである(p78)
・知らないと不都合な真実:1)新型コロナワクチンで免疫がどれくらい付くか、持つか、は現状では「わからない」、2)免疫系は、こうすればこうなる、という一対一対応、白か黒か、が非常に言いにくい(p152)
・PCR検査に適した時期とそうでない時期がある、発症前は適さない時期で、陽性の人を見つけ出す確率が下がる(p213)米国ニューヨーク州の「誰でも検査が始まったのは、患者数が十分下がり始めてから。検査の開始より早く患者が減っていることからも因果関係がないのは明らかである(p215)検査を行う理由は、陽性らしき人を「陽性だと確定するため」であり、陰性と陽性を区別するためのものではない。これが専門家と一般人との認識の違いである(p229)
・COVID-19対策について基本的に、妥当な情報はもう十分に出ている、対策として3密を避ける(換気なども含む)、マスク、距離をしっかり、手を洗う、といった基本的な対策が重要であり、これらが守られないところから感染が拡大していることが実際に多い。淡々と基本的な予防行動を取っていくことこそが必要十分な行動である(p274)
2021年1月17日作成
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細胞を持たない、遺伝子とその容れ物だけの存在で、生物か否かも議論がある、新型のそんなヤツに振り回される毎日。
よく考えるとほんと不思議。
この本は、対談形式でわかりやすくコロナとワクチンについて書かれている本。巷に溢れる正しくない情報に騙されない方法も書かれている!
良書だと思いました。
・予防法
①栄養と睡眠をしっかりとる
②手指衛生の徹底
③咳エチケット
④3密を避ける
⑤体調不良者と接触しない、体調不良なら外出しない
⑥マスクの着用
⑦十分な換気
⑧うがいは水で十分
・「3密」概念は日本が世界に先駆けて打ち出した概念。他の国での認識は十分ではない。
・ファイザー製などメッセンジャーRNAワクチンは、理屈は正しいが実績が全くない種類のワクチン。新しいテクノロジー。あと10年くらいでできるといいよね…といったペースで開発されていたものを急ピッチで作った。
・副反応はたくさん出る。だから、社会全体でリスクとメリットを勘案して、覚悟を決めた上でやっていく必要がある。
・日本は先進国の中でもワクチンに対する不信感が強い国なので、副反応がスキャンダラスに封じられると、せっかく見えてきた希望を失ってしまうことになりかねない。
・PCR検査は疑い者の確定診断のためには有用なツール。しかし、スクリーニング目的としては偽陰性など弊害も多い。またリソースは限定されており、費用対効果を考えるとスクリーニング目的でやるべきでない。
…さて、皆さんはワクチンを打てるようになったら打ちますか?
僕はたぶん打つと思います。怖くないと言ったら嘘だけど、人類の最新のテクノロジーを信じたいので。
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題名通り、新型コロナウィルスに関して知っておくべき最低限の情報が載っているようです。なぜ、「ようです」と書いたのかというと、本書の終わりに「権威者の誰が行っていたからと言っても完全に信用できる情報というのは存在しない」ということが書かれているからです。
本書は、対談形式で分かりやすくイラストも交えて説明してくれているので、非常に分かりやすいです。PCR検査はやればやるほど良いという検査ではないこともかなり強調されています。ワイドショーを観て心がかき乱されるようであれば、本書を読んで、一度頭を整理することをお勧めします。
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新型コロナワクチンのこと、PCR検査のことなど分かりやすく、書いてあり、目から鱗でした。
また情報を得る時の心構えなど、コロナに限らず、生きていく上で大切なことも書いてありました。情報があふれ、簡単に手にすることができる今、なかなか難しいけれど、心していきたいな、と感じました。コロナに関しても、この一冊を読んで分かった気にならないで、他にも読んでみようかな、と思いました。
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ばぶ先生こと峰先生と編集者Yさんの、ウイルス、ワクチン、PCR検査、世間に飛び交う情報への対処についての対話。一気に読んだ。
個々人ができることは限られてるけど、何でも偉い人のせいにしたり、すぐ白黒付けたりせず、たんたんと感染対策して過ごそうと思う