紙の本
昔の子供たちは夜遅く外で遊んでいるといろんな妖怪に驚かされたのだ
2020/03/14 22:20
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「遠野物語」には山の神、里の神、家の神、山男、ヤマハハ、雪女、河童(この本では川童)、座敷童などが登場する、こういった怪異な話がやはり面白い。山の神、河童、座敷童というのは有名なので私も知っているのだが、私の知らない話もたくさんあるので少し調べてみた。山男というのは、巨人の妖怪で基本的には人に危害を加えることはないという、普段は上半身裸らしい。ここからは私の思い込みだが、山男や天狗などは何ならかの理由で山に捨てられてしまった人間、もしくはその子孫ではないのかという気がする。猿・犬の経立(ふったち)という妖怪の名前もでてくるので調べてみると、年をいった猿や犬は二本足歩行をする(ふったちする)妖怪になるのだという。昔の子供たちは夜遅く外で遊んでいるといろんな妖怪に驚かされたのだ
紙の本
味わい深い本
2020/05/04 19:22
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
長年、読んでみようと思いつつ何となく手の出なかった本。東北の山奥の村の出来事をあれこれ聴き取った内容がごく短く記されています。今昔物語みたいな感じですが、吉本隆明の解説によると、そんな単純なものではないようです。解説、三島由紀夫の文章も奥深く、全部理解できたとはいいがたく、己の知性の薄っぺらさを恥ずかしく思いました。
紙の本
蓮台野の謎。
2017/04/21 20:47
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
蓮台野という地名が遠野物語にはよく出てくる。
蓮台野=デンデラ野であるともいう。
いわゆる飢饉の際に年寄りなどを捨てたという伝承の場所。
しかしこれは風葬の場と考えると平安京との結びつきが見えてくる。
平安京の郊外に広がる風葬の場の一つは蓮台野という。
律令国家が太宰府から東北までその支配圏を広げた際に置かれた国府が京のミニチュアだったというのは周知の事実だが、つまりそれは京周辺の土地の機能も持ち込んでいったということではないかと思えてくる。
その証が残る地名にある、というのは考えすぎだろうか。
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高橋克彦さんのあやかしを読んで、そういえば読んでなかったなぁと。最近新装版が出たので購入。
意外と過激…というか、森の中で美女に出会い頭に銃ぶっぱとか(笑。
銃が猟師(庶民?)の手に渡る程度の時代なのに、ちょっとびっくり。
欲を言えば、もっといろんなお話を読んでみたかったです。
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岩手県の昔話を集めた民話集。
柳田國男が自分で東北に行き、そこで聞いた話を書き留めたもの。
旧仮名遣いで書かれていて少し読み辛いが、慣れるとすぐ読める。
1つ1つの話は短く、似たような話がいくつも出て来る。
それぞれ別の人から聞いた話で、少しずつ内容が違っていて比べると面白い。
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遠野市に行く機会があったので購入。本編は文語体だが読む前に想像していたよりも読みやすい。また、後々への影響の大きさからは想像できないほど、本編の内容は意外にも単純であっさりしている。本書の本編より解説や後書きの方がダラダラと長い構成はちょっと残念。
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この本を開くたび、遠野の風景が浮かぶ。
田舎の風習、盆地に生きる人々の姿、そして明治に入っても残る山男や座敷童子の存在、自然の脅威を知るが故に当たり前のようにそれらを信じる日本人の思考。
行ったことのない地の名に懐かしさを覚え、懐かしさ故に切なさすらも覚える。
それが『遠野物語』である。
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NHKカルチャーラジオを聴いて興味を持ち読んだ。柳田國男に関しての研究が多く、またこの文庫に掲出の解説ではその文体をも賞賛しているのだが、果たしてそのすばらしさが伝わってこない。まだまだ未熟者である。2021.1.16
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柳田国男による岩手県遠野地方の説話集。
「平地人を戦慄せしめよ」という序文を全く覚えていなかったので、通読は初めてと思います。
民間信仰・異聞怪談を、遠野出身の佐々木氏より聞いた上で、自らのその地を訪れている。各説話の主人公になる人や場所をできる限り特定している。そこが具体的になっているので、神や死、怪談等が日常生活に身近なものとして現在も存在していると思わせる。最近では、民話の故郷として町おこしに活用されたりしているようです。そうなると、昔話といった感覚になっていくように思います。
明治三陸大津波で亡くなった妻と再会する夫の話が、印象的でした。出会った妻は、結婚する前好きだった別の男と一緒にいました。これからは、この人とと言って去っていきます。これについては、テキストでは、妻の死を受け止めて、心の復興に結びつけるというような解説でした。子供も捨てて別の男の所へ行くのは死んでいるからだという事でしょうか。
他、山村の村に目の色が違う人、山の民とまるで螺旋プロジェクトのような話や赤ずきんちゃんのような話、生霊、神隠しと盛りだくさん。
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学生の時、学校で読んだ「遠野物語」が忘れられなくて買いました。やっぱり自分の手元に1冊でも持っておくべき作品だと思います。
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言わずと知れた日本民俗学の開拓者である柳田国男さんの、遠野地方に伝わる伝承をまとめたもの。
明治42年より収集し始め、翌年に『遠野物語』として出版されているようだが、119のごく短い物語とは言え、当時の言葉で書かれているので、なかなか理解するのにはてこずる。
しかし当時の文化や生活感が感じられ、親しみを覚えた。
『遠野物語』には山の神、里の神、家の神、山人、山女、雪女、河童、猿・犬の妖怪などについての怪異な話が豊富で、勿論現実のものとは思えないが、どこどこの誰某が経験したと言う具体性もあり、興味をひく。
経験談や親から聞いたと言うのであれば、江戸末期から明治初期にかけてのことだと思うが、その時代背景はどうだったんだろう。
江戸(東京)から離れ、アイヌの文化も残っていただろうし、冬は寒く食べ物にも困る環境で、仲間意識の醸成が大切で、はみ出ることをした時の戒めも、このような伝承に残っているのかもしれない。
今では時代も移り違う風景になっているとは思うが、懐かしみを感じるし、是非訪れたい気持ちにさせてくれた。
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正直よくわからなかったというのが率直な感想だ。
しかし、巻末に豊富に設けられた解説を読む事で、この小説の意図している事は理解出来た。
内容はおよそ事実とは思えないような幻想的な内容であるのに、まるで筆者が体験したかのように事実体で書かれているというのが面白いと思った。
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鬼やら天狗やら妖怪やら伝承に興味があったので、読みました。読みましたが、素人の自分にはそこから先の深い考察が出来ないどころか、旧仮名遣い等も上手く読めず、水木しげるさんのマンガも活用しながら読み進めました。
説話集としては面白いと同時に、読んでいると悦に浸れるといいますか、そんな感じでした。遠野物語の解説をしてくれる本を買って、読み解きながら読んで行く方がいいかもしれません。
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独特の世界観で 慣れるのに少し時間がかかった。解説を読んで そんなに考察を深められるのかと 自分の浅い読み方を痛感。
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テレビの番組であったり、何かの文章の中で度々目にし耳にしてきた「遠野物語」をやっと読む。
全ページの半分近くが「遠野物語」そのもので、残りは山本健吉、吉本隆明、三島由紀夫の解説が占める。ドキッとする印象的な場面もあったが、淡々と伝承が続くばかりで少々退屈した。三人による解説で肉付けされて、やっと伝承の意味、その中の小説、柳田国男の文章力に気づかされた。1910年 35歳の時に書かれた「遠野物語」が今も読み継がれている理由が少しわかった。