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紙の本
羆 動物小説集 改版 (新潮文庫)
著者 吉村昭 (著)
愛する若妻を殺した羆を追って雪山深く分け入る中年猟師の執念と矜持を描いた表題作をはじめ、生き物の生態や習性の綿密な取材に基づいて、生き物と人間のかかわりを探る5編を収録。...
羆 動物小説集 改版 (新潮文庫)
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商品説明
愛する若妻を殺した羆を追って雪山深く分け入る中年猟師の執念と矜持を描いた表題作をはじめ、生き物の生態や習性の綿密な取材に基づいて、生き物と人間のかかわりを探る5編を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
羆 | 7−53 | |
---|---|---|
蘭鋳 | 55−115 | |
軍鶏 | 117−161 |
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書店員レビュー
祝復刊!重く、そして残る、動物短編小説集
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
吉村昭没後10年記念として復刊された本著は、「羆」「蘭鋳」「軍鶏」「鳩」「ハタハタ」を題材にした動物短編小説集である。
表題作である「羆」は最愛の妻を殺した羆を追って山に入った猟師、銀九郎の、悲しみと執念を描いた作品だ。
人を寄せ付けなかった男が、生き方を変えるほどに愛した初めての女性を、自らが可愛がっていた羆に殺されてしまう。
その絶望たるや、筆舌には尽くしがたい。
壮絶なる日々の中、怒りと憎しみの果てに銀九郎を待っていたのは、妻と羆、双方へ向けた想いであった。
失ったものへの悲しみ、後悔を、ただ最愛の妻だけに捧げることができたなら、彼にとって、まだ救いがあったのではないだろうか。
「羆」だけではなく、どの作品からも、動物たちの荒々しい生の魅力と、それに関わった人間たちの情熱や、虚脱するほどの悲しみを感じた。
それを抱えながら、生きていかねばならない人の姿を、読者はいつか彼らが幸福になる最後まで、見守ることはできない。
ただ、その背中をじっと見ているだけしかできないのだ。
紙の本
動物と人間が織りなす人生模様
2016/07/31 02:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
復刻版にて。かわいがっていた羆になぶり殺された嫁の復讐のため、山に逃げた羆と立ち向かう男。どのページにも緊迫感があり、手に汗を握って読んだ。男の執念が羆との対峙を叶えた。そして、決着の時。一瞬あたまによぎる、かわいらしかった小熊時代。その気持ちを押さえ込んでの死闘。熊にも感情はあるのだろうか、懐かしむ気持ちはあるのだろうか。その部分に余韻があり読者を主人公と一体化させる筆致は見事。他4編、すべて動物と人間の物語。蘭鋳、軍鶏、鳩の魅力にとりつかれ、人生を賭けた勝者、敗者の様々な人生模様など。どれも面白い。
紙の本
生物に運命づけられる
2016/08/26 08:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物、鳥、魚と共生し運命づけられた人を書いている。
題材は異なってもストーリーが似ていると感じた。
戦後すぐが時代背景と思うが、いわゆる駆け落ちなども多かったのだろう。
悲劇で終わる作品もある。
『鳩』が良いと思った。
『ハタハタ』は『破船』を連想させる。