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暗号解読 上 みんなのレビュー

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みんなのレビュー191件

みんなの評価4.3

評価内訳

191 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

暗号の人間くささ

2008/06/08 19:15

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「フェルマーの最終定理」が面白かったので 本書を自然に手にとる機会を得た。相変わらず 科学を小説のように語る著者の語り口は健在であり ぐいぐい読ませる。科学に必要なのは こういう「語り部」なのであろうと感心させられた。

 読んでいて一番感じたのは 現代こそが暗号の時代であるという点だ。

 本書の通り 暗号は 主に戦争で必要とされてきた。言葉通り「武器」の一つとしての暗号という時代が長く 本書が取り上げる暗号の歴史は 戦争の歴史となっている。実際 本書で取り上げている暗号の歴史を見ていると 人間が戦争を「情報戦争」にしていった様がはっきりとしており 大変勉強になった。
 その上で 21世紀の現代こそが「暗号の時代」であると言いたい。

 考えていると いつのまにか僕らは「パスワード」という暗号を日常で使う日々となっている。ネットを通じた「仮想空間」へのアクセスには 自分で決めた「暗号」であるパスワードが不可欠であるし アクセス中のやりとりもすべて「暗号化」されている。僕らはそんな「暗号」が無ければ 日常生活にすら支障を欠く程になってしまっているのではないだろうか。

 「暗号」とは 自分がやりとりする個人情報が 「他人の目や耳にふれるルート」をたどる際に必要なのだと思う。
 ということは 現代の特徴とは「他人の目や耳にふれるルート」の飛躍的な増大にあるのではないかということだ。その代表格であるインターネットの社会のインフラ化こそが 暗号の需要の最大原因だと僕は思う。

 昔は(そうして今もだが)「親展」とスタンプの押してある封書は 受取人以外には開かなかったものだ。ある意味で これは人間のモラルが健全に機能してきた証左だと思うのだが 今 ネット世界で見えてくる人間のグロテスクな一面は そんなモラルを否定している。
 匿名という隠れ蓑があれば(そうしてそんな隠れ蓑も暗号で担保されているわけだが)人は「親展」と書いてある封書も平気で明けるようになった。なぜなら 自分が開けたと誰にも分らないから。
 そうなると 「親展」のスタンプも 暗号がなければ開けないスタンプにしなくてはならないし さらに封書の中身も暗号にしなくてはならない。それが 現在のコミュニケーションであり それを通じて見えてくる人間の様相なのだ。

 暗号は人間臭い。それがはっきりしたことが本書を読んで勉強になった点だ。

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紙の本

戦争から日常へ

2011/12/18 21:28

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:king - この投稿者のレビュー一覧を見る

古代以来連綿とつづく暗号とその解読をめぐる歴史をたどる『暗号解読』。史上現れた様々な暗号を丁寧に解説していくなかで、頻度分析その他数学的処理が解読の要として用いられている様子を描いていくので、本書も『フェルマーの最終定理』と同じく、数学もののノンフィクションといってもいいだろう。暗号の歴史とともに、戦争、通信、コンピュータの歴史もが密接に絡んで、最終的には原理的に解読不能の暗号、量子暗号にまで到達する。

暗号とその解読は人間同士の戦いなので、戦争をめぐる記述がとても多いのが特徴。政治的謀略、外交などが絡み合った人間味に満ちた知恵比べの歴史だ。解読、ということで暗号ではなく、シャンポリオンによるヒエログリフ解読や、クノッソス宮殿から発掘された粘土板に刻まれていた線文字Bをヴェントリスらが解読したプロセスなども詳しく紹介されているのもいい。同じ粘土板にあった線文字Aの方はまだ解読されていない。未だ解読されない文章が幾つかあって、その点もロマンをかきたてている。

込み入った話を丁寧かつわかりやすく説明する解説力の高さと、興味深いエピソードを絡めて歴史をたどる語り口のうまさは充分に発揮されていてこれもまた非常に面白い。さらに、これは訳者も書いているけれど、陰に隠れがちなものをきちんと正当な評価を得るべく拾い上げる視点の良さがとてもいい。前作にも見落とされがちな女性数学者の話が書かれていたけれど、今作でもその難解な言語を暗号として役立てるべく戦ったアメリカ先住民、ナヴァホ・コードトーカーの話がとても印象的だ。解読する以前に、聞き取れず表記することすらできなかったというから、暗号の強固さが伺われる。

戦争に関わる暗号解読の作戦は機密扱いされて近年になるまで全貌が不明だったとか、解読用に作成されたENIAC以前のコンピュータが存在したとか、現代史の裏面が覗ける。また、チューリングが出てくるくだりは前作とも共通する内容だけれど、そこに至る前史をしっかり書き込んでいて、かなり違った印象になっているのはさすがだ。

現代の暗号についての部分では、PGPや公開鍵暗号といった話題が扱われている。特に、公開鍵暗号の仕組みはなかなかすごい。これは桁数の大きな数の素因数分解というものが非常に困難(宇宙論的な時間がかかる)だという一方向関数の仕組みを使って、暗号化の鍵と復号化の鍵を別個に持つことを可能にし、暗号化の鍵を公開し、復号化の鍵を誰にも渡さないことで、鍵の共有という暗号の原理的困難を解決したシステムだ。

その暗号システムを用いた「PGP」について描いた「プリティー・グッド・プライバシー」の章は、インターネット時代の個人のプライバシーと国家の安全保障の関係をPGP訴訟に絡めて語っている。フィル・ジマーマンは公開鍵暗号を誰にでも簡単に使えるように、PGP(章タイトルの略語)というソフトを開発し、公開したのだけれど、これが武器の非合法輸出とみなされ告発された。アメリカ政府は暗号化ソフトを軍需品に指定していたからだ。

ここに、市民的自由、プライバシーの立場から暗号規制に反対する人々と、解読困難な暗号が広まれば犯罪やテロに対する盗聴が困難になるとして規制を求める人々との対立が生まれる(ちなみに、暗号規制に反対する人のことをサイファー・パンクということがあるらしい)。歴史的にも、政府による恣意的な盗聴とその情報を利用した策謀(有名な例として、FBIがキング牧師の私生活を盗聴して入手した情報を使って、その評判を落とそうとしていたことが指摘されている)が存在したけれど、誰もがネットを利用する現代では監視が容易になり、さらなる人権侵害が起こるのではないか、というのが暗号自由派の危惧だ。ただでさえ国際的盗聴システムエシュロンの存在が指摘されているわけで、すでに日常的な盗聴は行われていると思われる。インターネット社会では、暗号とプライバシーの問題はきわめて日常的な問題になっていることを思い知らされる。

このジレンマについては、鍵を委託する第三者機関などを用いて、対立を調停する仕組みなどが模索されているようだけれど、なかなか難しそうだ。著者は、大衆が恐れるのは、政府なのか犯罪者なのか、と問うていて、時勢次第で振り子は大きく揺れるだろうと見ている。ここのあたりの記述は911以前に書かれているので、その後の議論は大きく規制側に傾いているんじゃないだろうか。

最後に出てくるのは量子暗号なのだけれど、これがなかなかすごい。説明が難しいので詳細は本文にあたってほしいけれど、量子論の観測問題(不確定性原理というか)を暗号に利用するシステムで、暗号が傍聴されたかどうかもわかってしまうという特徴もある。読んでいて、こんなの実用化はいつになるんだよ、と思っていたら、すでに小規模なものなら利用可能なものができているのだというからびっくりした。原理的に解読不能なものらしく、暗号の歴史はここに終わるかのような語り口で本書は終えられている。

政治外交からインターネット社会の私たちの日常にまで話題が広がる暗号の歴史として、とても面白い。

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紙の本

ぞくぞくするタイトル

2017/12/25 16:58

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆっき - この投稿者のレビュー一覧を見る

サイモン・シンの才能に期待が膨らむ。
それにしても、青木薫さんは、うまいな~

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暗号の歴史

2017/02/11 11:33

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:げん丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

古代の暗号から、現在研究されている量子暗号までの暗号技術の歴史が説明されています。技術的な事項よりも、暗号の開発と解読をめぐるエピソードが中心で、特に第二次大戦中にドイツ軍により開発された「エニグマ」を連合国軍が解読していくくだりはワクワクして、読み出したら止まりません!手軽に読むことができるのでオススメです。

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暗号の原理と歴史

2022/09/02 11:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

ともすれば込み入ったわかりにくい話になりがちな暗号の話を省略せず丁寧に解説している。暗号の歴史は、作成者と解読者の際限のない争いだが、数学だけではなく人間が表現された説明で興味深く解き明かされている。著者と訳者に敬意を評したい。

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暗号解読(上)

2013/02/01 17:53

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:terasann - この投稿者のレビュー一覧を見る

面白かった。

何がと言うと、人間いるところに『暗号』があり、『暗号』があるところ必ずそれを『解読』しよ
うとするものがあらわれるというところ、すなわち、暗号の歴史とは、人間の業そのもの『秘め事』の歴史だからだ。

当然、戦争しかり、ありとあらゆる陰謀しかり、ロマンス、不倫しかり‥。
アカデミックな、古代文字の解読も、尽きない好奇心、名誉欲といった業のあらわれか‥。

上巻のクライマックスは、第二次世界大戦中のドイツの暗号「エニグマ」を巡る連合国側との丁々発止のやりとりだ。ここまでは、自分のつたない頭脳でも、何とかノンフィクションとしての面白さを理解することが可能だ。

余談だが、シンの作品の中では『宇宙創成(だったっけ?)』が最高に面白かった。

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2007/08/08 23:05

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2007/07/28 23:52

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2007/09/18 21:28

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2007/12/06 09:59

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2007/09/29 12:24

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2007/11/07 19:17

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2007/10/23 14:19

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2008/02/28 12:59

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2007/11/01 21:57

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