紙の本
トピックスは新鮮だが・・・
2015/03/22 01:26
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
時事問題や国際情勢の分析にかけては、双璧とも言える池上彰氏と、佐藤優氏の本。扱うトピックスはイスラム国、北朝鮮、尖閣諸島と中国、EUなど興味深いものばかり。対談形式なので、読みやすいです。
ただ、これほど豪華な著者の対談なのに、新書にまとめてしまっているだけに、各トピックスはさらっと触れて流している感じ。また、二人の知識の常識レベルが私よりも相当高く、すっと流している部分で「えっ?それ、どういうこと?」みたいな箇所がいくつもありました。
折角、この二人の組み合わせで国際情勢を扱うなら、脚注を充実させたり、キーワードを詳しく解説したりしてハードカバー1冊ぐらいのボリュームで、国際情勢の基本を抑えることができるような本にしてもらえたら、もっと良かったように感じます。
ま、そこまでやらずに早く出版したからこそ、トピックスが新鮮なのかもしれませんが。
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2014/11/22 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2014/12/11〜12/17
当代きっての2人の対談。佐藤氏が、細かい情報を語れば、池上さんが、それを上手くまとめる。この二人に現代史の教科書を書いてほしいなあ。第8章のお二人の情報術はとても参考になった。読んで絶対損はしない良書。
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【最強コンビが語り下す戦略、情報術】領土・民族・資源紛争、金融危機、テロ、感染症。これから確実にやってくる「サバイバルの時代」を生き抜くためのインテリジェンス。
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うん、面白かった。
知らないことばかりだった。
何が起こるかわからない今の時代、しっかり情報をつかんで考えないと。
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池上彰と佐藤優の対談形式の本
池上さんの本をいくつか読んでいるが、これはいつもとちょっと感じが違う。
いつもよりももっとずっと専門的な話し方と内容だった。
佐藤さんと対談しているのだから当たり前と言えばそうだろう。
でも決して全然わからないというわけではないし、結構サクサク読めた。
国際情勢を理解するためには、宗教についての知識は必要不可欠だろうなと思いながら、なかなか手が出せないでいる。
でも、やっぱり必要だろうなぁ…
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傭兵 ネパールのグルカ兵
チベット仏教 ダライ・ラマ パンチェン・ラマ
イスラム国 IS カリフ(イスラム指導者)をトップに据え、シャーリア(イスラム法)を適応する政教一致国家
遠隔地ナショナリズム アメリカの韓国人、カナダのウクライナ人、ニューヨークのアイルランド人
ベルギー ベルギー語はない オランダはプロテスタントのカルバン派が強い。そのオランダからカトリックが南にあつまって独立したのがベルギー カトリックなのにスタイルはプロテスタント 勤勉なカトリックになっている。食べ物まずい。 南部のワロン人は人生を楽しんでいる。南北問題 ワロン人の後ろにはフランスがいる。フランドルはオランダから逃げてきた人だからオランダとは仲が悪く孤立 ベルギーは永世中立国だった。いまは軍事同盟を隣国と結ぶ
イスラム
大きくスンニ派とシーア派の2つ
シーア カリフはムハマンドの血統
15% イラン
スンニ カリフはイスラムの慣習を守ればいい
85% サウジアラビア、カタール、バーレーン
シリア アラウィ派 第4代のアリーに従うもの
シーア派系 被差別民 輪迴転生説
オマール油田 7万バレル/日
イラクのクルド人が抑えているキルクーク油田 数十万バレル
イスラム国が石油産出地区を支配 価格が混乱
アメリカはイランと仲良くしたいが、仲良くすると親米のサウジアラビアが怒るというジレンマに陥っている
湾岸協力会議GCC サウジ、アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、カタール、クエート イラン対抗策 シーア派が迫ってくるのを集団安全保障
アルジャーラ 始めは中東のCNN いまはカタールの国策に沿っている
サウジアラビア
スンニ派 4つの法学派
ハナフィー(トルコ)、シャーフィー(インドネシア、ロシア)、マーリキ(エジプト、チェニジア、リビア)、ハンバリー(原理主義)
ハンバリー派のなかの急進派がワッハーブ派
ワッハーブ派の中の最大の過激派で武装集団がアルカイダやイスラム国
世界的に半バリー派が増えている
イスラムのモスクの神学校 すべての派を教えている
スンニ派の中 12イマーム派
イスラエルが恐れているのがヨルダン王国の崩壊
メゾジスト派 関西学院大学、青山学院大学
バプテスト派 西南学院大学
カトリック 上智、南山、
長老派(カルバン派)明治学院大学 プリンストン神学校
会衆派 同志社大学 アメリカのシカゴ神学校
アメリカの2050年問題 非白人が半数を越える
ラティーノの増大
ネットの論調を社会全体の論調と思い込み、すぐにマスコミは偏向報道をしていると言い出すのは残念
CNN日本語版ウエブサイト
ウォール・ストリート・ジャーナルの日本語サイト有料版
情報収集の鉄則 まず母国語でとる、次善の策として母国語で取れないものに関してのみ、自分のできる外国語を使う
北��鮮 ネナラ
ヘーゲル 歴史はくり返す、一度目は悲劇として、二度目は喜劇として
ヨハネいよる福音書 あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする
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池上さんと佐藤さんの対談で、非常に読みやすい。佐藤さんの溢れる知識からの的確な指摘は気持ちいいです。
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当代きってのインテリジェンス・プロの、池上彰と佐藤優の対談。面白くないわけがないと、本屋で即買い。期待を裏切らない面白さであった。
特に佐藤優のロシアとイスラエルとキリスト教という特殊な切り口を持った凄い分析力に魅力を感じる。全然違うタイプのこの二人の波長が何故合うのかも不思議の一つ。
【中国の民族問題】
・国内に56もの民族を抱えている中国は、今の共産党政府に従い、宗族のネットワークさえあれば近代化は可能なのか? いわば中国はプレモダンの国が、近代的な民族形成を迂回してポストモダンに辿り着けるのか、という巨大な実験をやっている。
【中東】
・5月の安倍内閣のイスラエルとの共同声明を日本の中東政策の大きな転換点と見る。
・イスラム国の特殊なのは、シリアやイラクといった国家を支配することを目標としていない。
・結局「アラブの春」で露呈したのは、不安定で脆弱な中東国家の実体だった。
・アラブの春によって、中東における共和制型の政権を倒すことに関心を持った国があった。それがサウジアラビア。アラブの春による混乱に乗じて、中東に覇権を確保することを狙っていたのではないか。
・金融政策や財政政策といっても、世界の富は国家を迂回して動いている。アメリカは膨大な情報を集めているが、それがテロの防止に役立った事はない。冷戦後20年も経って、政府が情報とマネーを統制できなくなっている。
・世の中には旧来型の戦争観を持っている国がある。ロシアであり、中国であり、イランだ。民主主義国は、極力戦争を回避して外交によって回避しようとする。ところが戦利品を獲れるという発想をもつ国は本気で戦争をやろうとする。短期的には、戦争をやる覚悟を持っている国の方が、実力以上の分配を得る。これが困るところだ。
・イスラエルが全力を挙げて、シリアのアサド政権を支持している。これはイスラエルにとってアサド政権は予測可能な敵だが、政権が倒れてシリアが混乱したら何が起こるか予測不可能になる。
【欧州】
・カイザーのドイツ帝国は、軍事力によってウクライナを穀倉地帯として支配しようとした。その後、ナチス・ドイツは人種神話によって、同じ事をやろうとした。そして現在のドイツはユーロの力によって、それに成功した。
・永世中立国は大失敗だったというのが、二度の大戦からベルギー人が学んだ教訓です。周りの国が約束を守ってくれて初めて、永世中立国はなりたつ。約束を守らないという国が一つでも出てくれば、成立しなくなる。
【北朝鮮】
・北朝鮮は「帰国希望者が2万人いるから受け入れてくれ」などと恐ろしい事を言ってくるかも知れない。
【韓国】
・朝鮮民族が中国のすぐ傍にいながら同化されずにやってこれたのは、決定的な喧嘩をしなかったから。そう考えると中国といかにうまくやるかということが、韓国の生き残りにとっては死活問題になります。朴槿惠はそう気づいているのでしょう。
【アメリカ】
・ミズーリの問題が軟着陸できるかどうかを含めて、アメリカの内政がかなりの混乱に陥るのでは。も��やオバマは外交ではなく、内政問題に縛られてくる。(早くも9月時点で指摘)
・オバマは頭が良く教養も高く、いわば「名誉白人」にすぎない。人種差別に関する悪を教えられていない。
・アメリカでは、実質的な権力を持っているのは、数としては少数派のウォールストリートであり、WASPであるという構造は変わらない。これに2050年問題(白人の少数派転落)があり、民主主義というツールは実行力を失っていく。
【新帝国主義】
・フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」のような考え方は間違っており、「新帝国主義」の時代になった。ここでは外交面では古典的な力学モデルの「力の均衡」の世界になる。
・「自由」というのは恐らく「資本の自由」で、それがとんでもない格差を生み出す。
・「平等」とは力が背景にないと実現できない。これが最終的に独裁制に繋がっていく。あるいは皇帝がいて、そのもとでフラットになる。イスラム国は恐らく平等の考え方から出て来ている。
・マルクスは言う「ヘーゲルは歴史は繰り返すと言ったが、そのとき一言付け加えるのを忘れていた。一回目は悲劇として、二回目は喜劇として」
等々と話題がつきない。本当に面白かった。
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世界中でいろんな紛争が起きている。
まるで昔のスパイ小説が現実になってしまった昨今。
日本は安全だからなんて、ぼんやりしていられない。
ニュースをきちんと読んだり見たり、ということを
日常的にして、自分なりにそのニュースに対する
自分の見解を持っておくことが今は大事だろう。
それをしたうえで読まないとこの本は面白くない。
いわゆる「事情通」のお二人が
対談してらっしゃるので
分かっている者同士の話になり、日頃ニュースも
Twitterの個人の書き込みも区別していない、なんて
状態だと、この人達が何を話しているのかが、
まずわからない。
本当は新書なのだから、そういうニュースにも
まだ疎くて、という人にももう少し噛み砕いて
あってもいいのかなと思うけど、分からない話題は
自力で新聞記事を追跡してみるなんてことをしても
面白いし考える力はつくと思う。
池上氏も佐藤氏も、ご本人の情報源はどこか
明示してらっしゃらないのだから、たとえこの
お二人の論考が正しいとしても丸呑みしないで
同じテーマを扱った他の方の論考にも触れるべきだ。
そして、自分としてはこう思う。
という軸を持ち、他国はこの問題を立場を変えたら
どう見るのかを考えてみること。
人の命は脅かさず、バランスを問いながら共存する
世界はどうしたら作れるのか…
という考えを練るのが本当のインテリジェンスの
磨きに繋がるのではないか。
世界情勢とは遠いものではなく、我々もその当事者で
あるという認識と興味を一般に浸透させた池上氏。
その功績は大きいが、そこから一歩出て。
そのご著書や言説から、私たちは何を考えるのか。
わからないことは調べ、自分で知ろう。
危うい世界で地に足をつけるということは
自ら考えることなのだ。
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現在の世界情勢を平易かつ独自の視点で解説してくれるので、分かりやすく理解できた。もう今までの様に日本にいるから安全という事は決してなく、世界で起きてる事象は全く無関係の出来事ではない。私の出来ることは限られているからこそ、少しでも世界情勢をきちんと把握して関心を高めていきたい。
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前半は池上さんと佐藤さんがいろんな話題を雑談風に話していて、ちょっと物足りないなと感じましたが、後半からお二人の本領発揮でとても面白く読めました。
中国のネットによって世論を知るということと、安倍政権と2ちゃんねるの対比による、「ネット=世論」という考えの危うさ や 教養がオバマの邪魔をしているという指摘 など興味深い話が盛りだくさんでした。
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いま、最も旬な話題を、最も旬な池上彰と佐藤優が語り合った。サブタイトルが「僕らのインテリジェンスの磨き方」とあるとおり、彼らの情報収集の方法を紹介しながら、最近の国際情勢を読み解く。
池上彰は今でもテレビのニュース解説番組で、分かりやすい解説をして人気がある。論調も非常に中立的な印象があって好感度が高い。
逆に佐藤優といえば元外交官だが、鈴木宗男議員の事件に連座する形で逮捕起訴され、その後実刑判決を受け刑に服している。そういう暗いイメージが付きまとうが、その後外交官時代の経験や知識を基に分筆活動に入り、大変面白い驚くような作品を発表している。
この繋がりのなさそうな二人だが、情報の扱い方を語り合うには意外にも最適だったのかもしれない。今注目されている朝鮮、中国を始め、ウクライナやイスラム国の話題など、どのように情報収集し分析しているのか知ることができた。特に宗教の話題は初めて知ることが多く「眼から鱗が落ちる」とはこのことだろうと思った。まさにインテリジェンスの磨き方である。
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一ヶ月以上かけて読了。
難しい専門用語を多用しているわけでもないのにのみ込めないことが多くて、私の知識の無さを実感しました。
世界は思っていた以上に難しい状況であることに怖くなった。
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これ年に1回位出し続けてほしい。世界の見方がすっきりする本。日本の新聞やテレビじゃダメなんだろう。
最後の田母神さん言及に吹き出した。
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アフリカについてアメリカが関心があるのは、エボラだけ。
バチカンと中国にはいまだに国交がない。
ロシア人は基本的に貧乏人は相手にしない。だからウクライナをバカにする。
日本大学は70年代の学生闘争以来、集会ができるような大きな広場はない。
日経新聞は自由と資本主義と親米が基本。
中国人は北朝鮮がかつての毛沢東時代の中国のようで懐かしくて行く
東アジアの秩序が冷戦よりもはるか昔に戻っている。
スパイの情報源の98%は公開情報。池上さんもオープンソースインテリジェンス、しかも自前。