ブックキュレーター細谷功
「イノベーション」「オペレーション」の二律背反に挑戦する
ある程度大枠があるものを小さく速く安くする、「オペレーショナルエクセレンス」で多くの日本企業は世界を席巻してきました。しかしながらこのモデルは新興国の台頭やデジタル化の進展で崩れつつあり、イノベーションがより求められるようになりました。問題は、日本企業の組織と人材がオペレーションに最適化されており、イノベーションにはむしろ「重荷」となってしまっていることです。これらの書籍は、そのような組織内におけるジレンマの解消へのヒントを与えてくれます。
【丸善日本橋店フェアー/書籍によるビジネス講座『日本橋ビジネススクール』ブックツリー】
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会社を不可逆過程と捉えて、イノベーション型からオペレーション型への企業の成長から「老化」への過程を大きな流れとして捉えた。いかにもありそうな大企業の「あるある」の症状から始まってそれを一般法則として、どこの企業も避けられない不可逆過程のメカニズムを語る。「アンチエイジング」や「若返り」を考える読者に贈ります。
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巨象も踊る
ルイス・ガースナー(著) , 山岡 洋一(訳) , 高遠 裕子(訳)
大企業病に陥ったIBMをハードからサービスへの収益転換とともに構造転換させた、元コンサルタントの経営者ルー・ガースナーの著。大企業病の症状は日米ともに「ほとんど同じ」であることがわかります。したがってそれに対する「処方箋」も参考になることが大でしょう。
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起業家精神のある人材を輩出していることで有名なリクルートが他の大企業と決定的に違い、かつ極めて特異であるのは企業に「遠心力」(求心力でなく)が働いていることです。この「重力場」は、創業時に仕込んでおかない限り途中で変えることはほぼ不可能です。本書はそのようなDNAを埋め込んだ創業者・江副浩正氏による解説本です。
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一つの成功体験は構造的に必ず次世代に「負の成功体験」となってネガティブに働き、新しいイノベーションに取って代われられていく。その法則を事例と理論化で一気に普及させたイノベーションの名著。特にいまの製品や事業でリーダーとして君臨する会社の人にお勧めです。
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組織設計概論 戦略的組織制度の理論と実際
波頭 亮(著)
組織論というと成功企業やカリスマリーダーのケーススタディか、それらの理論化と行った「後付け」の成功法則のものが中心となるが、本書はいざ自ら組織を設計しようと思った時に役立つという点で異色の書。系統立った考え方で組織の構造を考える上で参考になります。
ブックキュレーター
細谷功ビジネスコンサルタント。東京大学工学部を卒業後、東芝を経てコンサルティングの世界へ。米仏日系企業を経てクニエのコンサルティングフェローに。近年は問題解決や思考力に関する講演を企業や各種団体、国内外の大学に対して実施。著書に『地頭力を鍛える』(東洋経済新報社)など。
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