ブックキュレーター作家 柚木麻子
辛さや我慢と無縁。寒さ厳しい毎日のハードルをぐっと下げてくれる名著
寒くて一ミリだって動きたくない日々が続くと、ほんのちょっとの心の切り替えで外に出ようと思ったり、自分から働きかけてみようかな、と思ったり。今の時代、行動を起こす時に必要なのはパワーではなく、柔らかなひらめきなのかなと知る5冊。
- 112
- お気に入り
- 8906
- 閲覧数
-
具沢山のお味噌汁とご飯とお漬物でいいじゃないか、という土井先生の主張は手抜きでもなんでもない、伝統と合理主義に裏打ちされたもの。我々が「こうでなきゃけいないんだよなー」とプレッシャーを覚えている理想の食卓は、ハレとケがごっちゃになったアンバランスなものである、という主張は目から鱗。プライベートなお味噌汁の写真も魅力的。
-
ときめきプロレス放浪記 SPARKLING!WRESTLING!WANDERING!LIFE
澁谷 玲子(著)
可愛いイラストと風通しの良い文体で、さまざまなインディ団体を紹介。コアな知識を披露するのではなく、多様な生き方を認めてくれるプロレスへの愛でいっぱいな著者の姿勢にぐっとくる。部屋で動画を見ているのもいいけれど、こんなに熱気に満ちていてアットホームな会場なら出かけていってもいいかな、と自然に思えるドキドキワクワクの一冊。
-
さよなら、「いい子」の魔法
ゲイル・カーソン・レヴィン(著) , 三辺 律子(訳)
拙著「本屋さんのダイアナ」に登場させていただいた傑作児童文学。どんな命令にも従う魔法をかけられてしまったエラ。従順は美徳という呪いがはびこるのも、物分かりのいい人をやめるだけでストレスが魔法のように減らせるのも、ファンタジーの世界に限った話ではないのだ。新訳「魔法にかけられたエラ」もクラウドファンディングから発売中。
-
台所に敗戦はなかった 戦前・戦後をつなぐ日本食
魚柄 仁之助(著)
敗戦後の主婦雑誌から、食糧難の時代を乗り切ったアイデアレシピを抜粋、検証したスクラップ好きにとってはたまらない一冊。うどんのコロッケに穴子サンド・・・。林芙美子が雑誌インタビューで紹介していた「トマトすき焼き」はなかなか美味しそう。どんなに厳しい社会情勢でも、キッチンの自由は奪えない。逞しさと工夫に背中を押される。
ブックキュレーター
作家 柚木麻子1981生まれ。2008年 「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞 受賞。受賞作含む『終点のあの子』で2010年単行本デビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞。主な著作に『ランチのアッコちゃん』シリーズ、 『嘆きの美女』『けむたい後輩』『伊藤くんAtoE』『私にふさわしいホテル』『本屋さんのダイアナ』など。近著は『奥様はクレイジーフルーツ』。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です