ブックキュレーター作家 恩田陸
知的好奇心がめちゃくちゃ刺激される本
面白い本にもいろいろありますが、知的興趣がかきたてられる面白さというのは、また格別なものです。ここに挙げたのは、どれも新たなものの見方を教えられたような気がして、興奮しながら読んだ本です。
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大阪の神さん仏さん
釈 徹宗(著) , 高島 幸次(著)
無宗教と言われる日本人だが、浄土真宗や神道など長期に亘って習合してきたさまざまな信仰が大阪人気質を作ってきたことが浮かび上がってスリリング。これが面白かった貴方には『災害と妖怪 柳田国男と歩く日本の天変地異』畑中章宏(亜紀書房)もお薦め。
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IMF 世界経済最高司令部20カ月の苦闘 上
ポール・ブルースタイン(著) , 東方 雅美(訳)
ポリティカル・サスペンスといおうか、なんといおうか、ほとんどホラー。庶民の税金で金持ちを救うという悪しき習慣がどのように出来上がったか分かる。これが面白かった貴方には、『リーマンショック・コンフィデンシャル上・下』アンドリュー・ロス・ソーキン(ハヤカワ文庫NF)もお薦め。
本書は上・下巻あります。 -
禅とハードル
南 直哉(著) , 為末 大(著)
物事をつきつめて考えられるというのはつくづく才能だと思う。その点で一致した二人が高い言語化能力を駆使し、座禅とスポーツについて語りまくる。普段意識していない身体について改めて発見が。これが面白かった貴方には『身体能力を高める「和の所作」』安田登(ちくま文庫)もお薦め。
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仙台で夏目漱石を読む 仙台文学館ゼミナール講義記録 我輩は猫である 草枕 三四郎 それから 門
小森 陽一(著) , 仙台文学館(編)
夏目漱石の作品を読み解いたものだが、近代の終わりを目撃しているような衝撃を受けた。こういう素晴らしい文芸評論を読むと、文学や評論の可能性はまだまだあると思える。これが面白かった貴方には『山の音 こわれゆく家族』ジョルジョ・アミトラーノ(みすず書房)もお薦め。
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映画術 その演出はなぜ心をつかむのか
塩田 明彦(著)
これを読んでもう一度ヒッチコックの『サイコ』と三隅研次『座頭市物語』を観た。映画の観方がこうも面白くなるのかと思った一冊。これが面白かった貴方には、『建築映画 マテリアルサスペンス』鈴木了二(LIXIL出版)もお薦め。
ブックキュレーター
作家 恩田陸1964年生まれ。宮城県仙台市出身。早稲田大学教育学部卒。1992年、第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年、『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞および本屋大賞受賞。2006年、『ユージニア』で日本推理作家協会賞受賞。2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞受賞。ホラー、ミステリ、SFなどクロスジャンルで小説を発表し続けている。著書多数。
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