「クリエイティブな人たち」とうまく付き合う方法を学ぶ、海外ノンフィクション

キングが少年時代からベストセラー作家となるまでを綴った本書は、クリエイティブな人の内面を知るのにもってこいの一冊です。「ピンぼけのスナップ写真を並べただけ」と自虐していますが、奔放さと生真面目さを併せ持つアンビバレントな青年が創作によって居場所を見つけていく姿がくっきりと浮かび上がってきます。

凄腕エージェントによる、作家やその卵たちが作品を完成させて本を出版するための実用的なアドバイス。「悪い子」「自分売り込み屋」「神経症患者」など作家のタイプ別に、本当に書きたいことはどうやって見つけるか、いかに書く孤独を乗り越えるかなどを解説しています。作家と付き合う側にも、参考になること間違いなし。

数々の世界的ベストセラーを生み出した編集者が、作家とやりとりした手紙263編。作家に対する「天才」という呼びかけや「あなたのほうがずっとよく分かっていらっしゃるのですが」と添えてのお願い。クリエイティブな人たちをよく理解して発せられる言葉のひとつひとつが、今もそのまま作家に投げかけたいほど秀逸です。

クリエイティブな人たちを知りたいなら、その日常を知るべし。本書には「ヘミングウェイは毎日書いた語数を暗記していた」「ピカソはたくさんのペット飼っていた」など、161人の天才たちの面白いエピソードが満載。たとえお手本にしたいような生活でなくとも、人間味溢れる天才たちの姿になんだか勇気が湧いてきます。

創作活動における心のメカニズムを解き明かした本書は、まさにクリエイティブな人をサポートするための処方箋！彼らが才能を発揮するために必要な「健全な人間関係」をどのように作っていくかを、具体的に教えてくれます。それは一筋縄ではいきませんが、だからこそ彼らを支える歓びがあると実感させてくれる一冊です。