ブックキュレーター地政学・戦略学者 奥山真司
ビジネスパーソンのための技術 〜テクノロジーの役割〜
新型コロナの流行や米中対立が激化する中で、われわれ人類の社会を変える中心にあるのがテクノロジーだ。これは人間の生活を便利にする道具(ツール)ではなく、むしろ社会や人間そのものまで変えるのでは?このような意識から、これからのテクノロジーと人間の関係をさらに深く考えるための魅力的な本をリストアップしてみました。
- 17
- お気に入り
- 2068
- 閲覧数
-
主にアメリカの先端科学技術の発展を、副題の通り「システム」「リスク」「イノベーション」という切り口で紹介する情報のつまった秀作。わかりやすい構成で第二次大戦から現代までの科学技術の流れを平易に解説。先端技術には莫大な資金が必要であることが実感できる。
-
キッチンの歴史 料理道具が変えた人類の食文化 新装版
ビー・ウィルソン(著) , 真田由美子(訳)
台所で料理に使われる道具がいかに発展して採用されてきたのか、その歴史を豊富なエピソードとともに振り返る知的刺激にあふれる本。とりわけ第二章で紹介されるナイフの発展が欧州の人間の骨格を変えるほどのインパクトがあったという話はうならされる。
-
シリコンバレーのベンチャーキャピタリストによる、今後10年で未来がこうなると予測した本。量子コンピューター、AI、ブロックチェーンなどが近未来においてどのようにわれわれの生活を変えていくのかを楽観的に示唆している。
-
世界に流通革命を起こした「コンテナ」を中心に、その歴史と社会の文脈から読み解いて紹介するベストセラー。先ごろのスエズ運河の座礁事件における輸送船の巨大化への道のりだけでなく、コンテナが登場する以前の港湾事業者と労働争議、さらにはマフィアとの関係などのエピソードで、読ものとしても優れている。
-
GAFAをはじめとする現代のテクノロジー系の企業が国際政治においてどのような役割を果たしつつあるのかを平易な文章と豊富な例で語った一冊。デジタル技術が権威主義や独裁制と親和性が高いことを示しながらテクノロジーは人間を幸せにしてきたのかを問いかける類書のない「政治本」。
ブックキュレーター
地政学・戦略学者 奥山真司1972年横浜市生まれ。地政学・戦略学者。戦略学Ph.D.(Strategic Studies)。国際地政学研究所上席研究員。戦略研究学会編集委員。日本クラウゼヴィッツ学会理事。カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学卒業後、英国レディング大学院で、戦略学の第一人者コリン・グレイ博士(レーガン政権の核戦略アドバイザー)に師事。地政学者の旗手として期待されており、ブログ「地政学を英国で学んだ」は、国内外を問わず多くの専門家からも注目され、最新の国家戦略論を紹介している。現在、防衛省の幹部学校で地政学や戦略論を教えている。また、国際関係論、戦略学などをセミナー等で若者に国際政治を教えている。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です