ブックキュレーター文筆業 矢内裕子
植物が教えてくれる、世界の見かたと豊かな時間
歩いていると出会う、花の香りや樹々の様子は季節の移ろいを教えてくれる。植物が暮らしの中に入ると、世界を彩る色の数が増えるようだ。身近な植物との暮らしから、美術史、歴史的な植物の意味まで、植物の豊かさを教えてくれる本をどうぞ。
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「ベランダー」、それは庭のない都会暮らしを選び、ベランダで植物生活をいとなむ者のこと。自身をベランダーと呼ぶ著者は「人間の不完全さを植物に見守ってもらっている」と書く。庭がなくとも、植物の生命力に触れ、ともに生きる暮らしかたはあるのだ。NHKでドラマ化された、第15回講談社エッセイ賞受賞作。
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いとうせいこうが『ボタニカル・ライフ』を書くきっかけになったという本書。「庭を作るには」から始まり、1月から12月まで、園芸家の仕事を書きながら、やがて生命、生きることへの考察につながってゆく。チャペック自身のイラストも魅力的な、永遠の名著だ。
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伊藤若冲をはじめ、近年、注目されている江戸時代に描かれた花鳥画。だが、花や草、虫、魚、取りなどを精緻に描いた「博物図譜」は、長く軽視されてきた。著者は江戸後期に隆盛を迎えた「博物学」の思潮に注目しながら、博物図譜を科学と芸術の結び目に生まれたものとして読みなおしていく。サントリー学芸賞受賞作。
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七つの海を支配し「太陽の沈まない国」と言われた大英帝国。大航海時代以来、大英帝国は有用な熱帯植物を資源として争奪、植物園はその基盤となっていく。植物学者やプラントハンター、植物画家、実業家など個性的な人物が登場する、好奇心を刺激する1冊だ。
ブックキュレーター
文筆業 矢内裕子文筆家ときどき編集。東京都文京区育ち。出版社で書籍編集者として勤務後、独立。担当した本に角田光代『古本道場』、三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』、いとうせいこう『ボタニカルライフ』など多数。著書に『落語家と楽しむ男着物』、萩尾望都さんとの共著『私の少女マンガ講義』がある。現在、橋本治さんへのインタビュー集を準備中。note:https://note.com/yanaiyuko
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