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意味の断崖に立って:なぜ今シェリングなのか

「世界の全体は理性の網に捕捉されている。しかし問題はいかにして世界はこの網に入ってきたのかである」。シェリングの思索が今も私たちの心を捉えるのは、彼が世界システムというウロボロスの円環の底へダイブし、その秘密を手にして生還した数少ない哲学者の一人だからである。【選者:浅沼光樹(あさぬま・こうき:1964‐:哲学)】

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  • 述語づけと発生 シェリング『諸世界時代』の形而上学

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    述語づけと発生 シェリング『諸世界時代』の形而上学

    ヴォルフラム・ホグレーベ(著) , 浅沼 光樹(訳) , 加藤 紫苑(訳)

    〈世界〉と呼ばれる有意味な秩序は根源的不整合(無意味)を除去することによって成立したにもかかわらず、この不整合は完全に除去されたわけではなく、世界の条件として今も世界の底にとどまっている。これが「世界の秘密」にほかならない。謎めいた「世界公式」へと暗号化された「世界の秘密」の復号が執拗に試みられる。

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    意味(整合性)から無意味(不整合)へと遡源し(世界は存在しない)、新たに意味の領域が裁断し直される(意味の場の存在論)。ホグレーベを経由することで本書の眼目が、世界システムそのものの不整合というシェリングの洞察を下敷に、世界および意味の概念を抜本的に書き換える試みにある、ということが明らかになる。

  • 実在論的転回と人新世 ポスト・シェリング哲学の行方

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    実在論的転回と人新世 ポスト・シェリング哲学の行方

    菅原 潤(著)

    ホグレーベに端を発する思弁のルートはガブリエルの〈新しい実在論〉に通じているだけでなく、いくつかに枝分かれしてもいる。ガブリエルのみならず、M・フェラーリス、I・H・グラント、T・モートンの同種の試みも〈ポスト・シェリング哲学〉という名の下に包括され、より広い視野の中でその相互関係に光があてられる。

  • 有限性の後で 偶然性の必然性についての試論

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    有限性の後で 偶然性の必然性についての試論

    カンタン・メイヤスー(著) , 千葉 雅也(訳) , 大橋 完太郎(訳) , 星野 太(訳)

    〈ポスト・シェリング哲学〉のリストにQ・メイヤスーの思弁的唯物論の名を追加することもできよう。メイヤスーのいう〈偶然性の必然性〉もまた、それが〈強い相関主義〉という自己閉塞的な世界システムそのものの偶然性を暴露するかぎりにおいて、〈整合性の不整合〉という「世界の秘密」の周りを回っているように見える。

  • シェリング著作集 新装版 1a 自我哲学

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    シェリング著作集 新装版 1a 自我哲学

    シェリング(著) , 西川 富雄(監修) , 渡邊 二郎(監修) , 神林 恒道(監修) , 相良 憲一(監修) , 田丸 徳善(監修) , 松山 壽一(編集幹事) , 高山 守(編集幹事) , 高山 守(編)

    しかしシェリングとはいったい何者なのだろう。直接シェリングの原典にあたってみたいという人には、現在刊行中の『シェリング著作集』をお勧めしたい。シェリングを専門としている研究者が翻訳と注釈をおこない、主要な著作は網羅されている。どれでもかまわない。興味のひかれる巻を手にとってみたらいいだろう。

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