ブックキュレーターKADOKAWA 書籍販売3部 大石眞基子
記憶と感情を掘り起こす、食の本
母のドーナツ、はじめて自分で作ったお弁当、残業中に食べたコンビニのおにぎり・・・。食べ物一つとっても、人が抱えている物語はさまざまだ。食べた瞬間、意識の底で静かに眠っていた記憶が色鮮やかによみがえることがある。味というよりその時のエピソードが記憶に残っていることが多い。そして、その時に戻りたいとふと思うのです。
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私の作る郷土料理
ふるさとごはん会(編)
郷土料理の魅力は、土地ならではの食材・味付けに加え、その先に見える家庭ごとのアレンジや食卓の風景も含まれると思っている。滋味深い料理の写真と、紹介される全国各地の「うちの味」レシピとエピソード。読むうちに、キッチンで教わっているような感覚になるのもよい。もちろん、料理のコツも教えてくれます。
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天ぷらにソースをかけますか? ニッポン食文化の境界線 決定版
野瀬泰申(著)
争いが勃発しそうなテーマも、地図に落とし込み俯瞰して見れば、冷静に受け止められるのか。いやいや、淡々とした文体で綴られる文章の行間からは「そんな単純なものではない!」という情感が溢れている。東海道を歩きながら、食文化の境界線を地図と共にまとめた後半の旅日記は圧巻。なお、私の実家のお正月は鰤です。
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わたしのおふねマギーB
アイリーン・ハース(著) , アイリーン・ハース(イラスト) , 内田莉莎子(訳)
少女マーガレットの願いが叶い、弟と小さい船で航海するお話。一日の冒険が透明感のある水彩画で繊細に描かれており、影の使い方も印象深い。嵐が来ても弟と船を守るしっかり者の彼女は、キッチンで色々な料理を作ります。たった2行弱で書かれた桃のデザートの描写は、読んだ人同士でレシピ談義で盛り上がること請け合い。
ブックキュレーター
KADOKAWA 書籍販売3部 大石眞基子東京都出身。総合食品会社の極洋で水産加工品の販売・デリバリー業務を担当。その後、出版社を経てメディアファクトリーへ入社。さまざまなジャンルの書籍全般について、営業企画・書店営業を担当し、ライトノベルレーベルであるMF文庫Jの創刊にも携わる。現在はKADOKAWAで、ライトノベル・新文芸の営業企画を担う部署で紙書籍・電子書籍の業務を担当しています。
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