ブックキュレーターartscape編集部
手も眼も使って考え、暮らす──現代のデザイナーの思考回路を覗き見る5冊
生活のなかでの観察・思考や、アイデアを形にするまでの密かな知的興奮。「デザインスコープ─のぞく ふしぎ きづく ふしぎ」(富山県美術館で2022年12月10日〜2023年3月5日開催)の参加作家が登場したり書いた本を中心に、つくることとその手前にある日常の見方のそれぞれの個性が浮かび上がってくる5冊を選びました。
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身近な素材にある小さなひとひねりを加えると、見たことのない風景が立ち上がる。領域を越え活躍するデザイナー・三澤遥氏が、本書では水中生物の棲む多様な環境を水槽の中に再構築しています。個々の設計図と、それに添えられたアイデアの出発点を明かす解説を読んでから写真に戻ると、より風景が豊かに見えてきます。
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ランドスケープとグラフィックを軸に人の記憶と想像力を拡げるクリエイティブユニットSPREADが得意とする、色をコミュニケーション媒介とした制作物。本書は彼らの活動開始からの15年間を記録した作品集で、表紙の鮮やかな朱色は「人類が用いた最初の色」のひとつだそう。質感の豊かさも含めて手元に置きたい一冊。
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つくる理由=生きる理由とも言い換えられるのではないでしょうか。著書『拡張するファッション』で知られる編集者の林央子。彼女が美術家やデザイナーなど、多様な分野の「つくる」人々の声を集めた本書の終盤、「デザインスコープ」展参加作家の志村信裕も登場し、不可分である暮らしと制作活動について語っています。
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