ブックキュレーター文筆業 矢内裕子
「映画」がもっと楽しくなる、スタッフワークに触れてみる
脚本、音楽、美術、撮影、映画は様々なディテールでつくられている。意外な小道具や名作、名場面を生み出す技術など、映画を愛する人々が語る、プロフェッショナルな世界を魅力的に伝える本の数々。
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手紙やチケット、メニューなど、映画の中では滅多にアップで映らないグラフィック・プロップ(小道具)は、細部に至るまで丁寧にデザインされたもの。『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソン作品はじめ、映画やテレビドラマの小道具を制作してきた映画デザイナーが、自身の作品を中心に、豊富な図案と解説を加えた、眺める悦びがある楽しい本だ。
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映像とともに音楽が蘇る映画がある。「マエストロ」の異名でも知られるエンニオ・モリコーネは『荒野の用心棒』『アンタッチャブル』など、数多の名監督と組み、映画音楽を作ってきた。本書は、盟友でもある巨匠トルナトーレ監督(『ニュー・シネマ・パラダイス』)を聞き手に迎え、映画音楽とはなにか、その創作秘話を語り尽くした、決定版といえる1冊だ。
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映画の名場面は絵画のように美しい瞬間だ。本書は500枚を超える場面写真と、76の脚本引用をもとに、いかに撮影されたのかを撮影、編集、音響、照明などの要素から説明していく。名場面の背景を知ることは、クリエイターばかりでなく映画ファンにとっても楽しい見方になるだろう。
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著者は映画監督・脚本家・心理カウンセラーであり、日本に数人しかいない「脚本のお医者さん」、スクリプトドクターだ。本書でも、いかに脚本を書くかにあたり、まず書き手の認知について問うなど、カウンセラー的な見方が光る。『あなたの最大の武器は「あなたがあなたであること」』という言葉は、物づくりを目指すすべての人へのエールだ。
ブックキュレーター
文筆業 矢内裕子文筆家ときどき編集。東京都文京区育ち。出版社で書籍編集者として勤務後、独立。担当した本に角田光代『古本道場』、三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』、いとうせいこう『ボタニカルライフ』など多数。著書に『落語家と楽しむ男着物』、萩尾望都さんとの共著『私の少女マンガ講義』がある。現在、橋本治さんへのインタビュー集を準備中。note:https://note.com/yanaiyuko
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