ブックキュレーターartscape編集部
デジタルテクノロジーの現在から「人間とは?」を逆照射する5冊
生の感覚そのものが新たな技術によって目まぐるしく更新され続ける現代。それらに触れるためのインターフェースを多領域の作家が提示する金沢21世紀美術館「DXP(デジタル・トランスフォーメーション・プラネット)─次のインターフェースへ」展(2024年3月17日まで)にちなみ、私たち人間の姿を捉え直す契機になる本を選びました。
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情報学研究者である著者が、娘の出産への立ち会いや、その後の生活のふとした瞬間、あるいはデジタルテクノロジーとヒトとの距離を扱った自らの制作など、半生を振り返りつつ綴るエッセイ。「はじまり」と「おわり」に挟まれた生の時間のなかで突き当たる、コミュニケーションやその齟齬について立ち止まって考えたい人に。
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デジタル技術とは切っても切り離せない現代の子育て。DXP展の出展作家でありデジタルネイティブ世代の草野絵美は、自らの子供(と、その親である自分自身)とどう向き合い、感覚を日々更新しているのか。あくまで育児書の体裁を取りつつ「ヒトが育つ」ことの普遍性も再認識させてくれる、パワフルな気持ちになる一冊。
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DXP展でも扱われている大きなテーマのひとつとして、昨今ますます私たちの心をざわつかせている人工知能。それらとヒトとの間にある決定的な差とは何か、そもそもある対象について「知っている」とはどんな状態を指すのか。言葉を使ううえでの「身体感覚」に焦点を当て、言語学の観点から人の営みを照らし出す話題書。
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身ぶりと言葉
アンドレ・ルロワ=グーラン(著) , 荒木 亨(訳)
箸や筆記具、あるいはキーボード──私たちの脳神経と手と指と、その先にある外界を橋渡しする道具(≒インターフェース)の数々と、古来から大きくは変わらない私たちの身体との間にある、絶えず更新され続けてきた関係性の変遷を紐解く一冊。原著の出版は1960年代半ばでありながら、新鮮な驚きをくれるはず。
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事故で片脚を失ったコンテンポラリーダンサーが、再起をかけてAI制御の義足を身につけることを通しての出来事を描くSF小説。現実世界でもすでに人工知能を用いた芸術作品が数多く生まれている昨今だからこそ、その先に何が起こりうるのか、人間性とは何かという問いが胸に迫ります。リアルなダンスシーンの描写も必見。
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artscape編集部美術館・アート情報のWebマガジン。DNP大日本印刷の文化活動の一環として1995年にスタートした、美術館・博物館と生活者を結ぶメディアです。毎月1日、15日号発行。サイト内の「カタログ&ブックス」のコーナーでも、アート・デザイン・建築分野の書籍や展覧会カタログを紹介しています。https://artscape.jp/
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