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第三巻で印象的なのは楊志の心の変化。
今まで信じてきたものと現実の間で迷いながらも、楊志は自分の決意をかためてゆく。
なにが正しくて、なにが幸せなのか、すべての答えはいつも自分が知っている。
だけどそれにたどり着くことは凄く難しい。
「いま、この国で、楊業の血を受けたことが、どんな意味を持つ」
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楊志の葛藤。
王進のところは人が出入りしている。ここは大切な場所としてあってほしい。王進のお母さんがいいなと思います。
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まずは KiKi の北方水滸 Review のお約束、各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙から今日も始めたいと思います。
地稽の星: ??
天慧の星: 拚命三郎・石秀
天機の星: 智多星・呉用
地俊の星: 鉄扇子・宋清
地魁の星: 神機軍師・朱武
地好の星: ??
天満の星: 美髯公・朱仝
おや? おやや?? 岩波少年文庫の下巻、59章の108人のリストでも、水滸伝百八星一覧というウィキ・サイトでも該当する星が見つけられない星が2つもありますよ?? これは何なんでしょう?? で、あれこれ調べてみたら、地稽の星は KiKi の手持ちの資料で言えば地羈星: 操刀鬼・曹正のこと、地好の星は同じく地猖星: 毛頭星・孔明のことらしい・・・・・。 結局、天罡星三十六星、地煞星七十二星に関するちゃんとした知識を持ち合わせていないからこうなっちゃうということみたい(?)です。 何が何だかさっぱりわからないけど、とりあえずは整理して一覧表を完成させておきましょう。
地稽の星: 操刀鬼・曹正
天慧の星: 拚命三郎・石秀
天機の星: 智多星・呉用
地俊の星: 鉄扇子・宋清
地魁の星: 神機軍師・朱武
地好の星: 毛頭星・孔明
天満の星: 美髯公・朱仝
やれやれ、とりあえずリスト化が歯抜けにならず一安心です(苦笑)
さて、この第3巻ともなれば、同志の数もだんだん増えてきて、誰が誰だか記憶に定着させるのが難しくなり始める頃です。 1人1人のエピソードそのものは時に面白く、時に苦しく、ワクワク・ドキドキしながら読むことができるものの、その人物が暫く出て来なくて久々に登場したりすると「はて、これは誰だっけ??」となってしまい、巻頭の登場人物一覧を確認せずにはいられない・・・・・そんな頻度が少しずつ上がってきます。
それでもまだこのあたりでは、その一覧に書かれた短い紹介文だけで「ああ、そうそう、そうだった。」と記憶を呼び覚ますのもさほど苦にならなかったものが、10巻を超える辺りからは「はて、それってどんな所でどんなエピソードが前にあったんだっけ??」となってしまったのも初読の際の懐かしい思い出です。 今回はせっかく2周目の読書に突入しているのですから、最低限でも「人物一覧」を見ればその8割がたの人に関して「ああ、そうそう、そうだった」となっているといいんですけど、どうなることやら?? 何と言っても KiKi はあのアルツハイマーに罹患したばぁばの娘ですからねぇ・・・・・(苦笑)
さて、この巻で印象的なのはやはりあれこれ悩み続ける楊志が、周囲の状況に押し流されるかのように魯智深と一緒に二竜山に乗り込むことになるエピソード、そして二竜山に立てこもったもののまだまだ梁山泊とはちょっと距離を置いているというエピソード。 そして、ひょんなことから(な~んて軽く言ってしまってはみもふたもありませんが)宋江が役人の地位を追われ武松を連れて旅立つことになるエピソードあたりじゃないでしょうか??
特に楊志があれこれ逡巡するエピソードなどは「楊家将」、「血涙」と楊家の物語を読了したばかりの KiKi にはなかなか説得力があるものだったし、出自・血というものが良きにつけ悪しきにつけ、1人の人間をどんな風に縛り付けるものかということに関しても考えさせられた物語でした。 それは個人主義が蔓延る現代社会では忘れかけている、でも感性では理解できる、そんな人間の心もちなのかもしれません。
上記とは別に個人的にかなり面白いなぁと感じたのは魯智深の北行の物語でした。 これは「楊家将」「血涙」「水滸伝」そして「楊令伝」をとりあえず一読した今だから あ~んど 今回「北方水滸」を再読し始める前に世界史の復習をした後だから気が付いた点とも言えるわけだけど、宋という国とそれを取り巻く「遼」、「西夏」といった周辺諸国の歴史的な流れと魯智深の「遼入り」の話は見事にマッチしているのみならず、物語の通奏低音みたいな役割(ちょっと広範囲の歴史的背景)を果たすエピソードになっていることを感じ、思わず「巧い!!」と唸ってしまいました。
物語のうえのお話だし、あの時代から随分くだって多くの研究もなされた今だから書けるフィクションであることは百も承知だけど、実に見事に時代を先取りして梁山泊を、そして替天行道に書かれた理念を実現化するためにアクション・プランを企画し実行していく魯智深の姿には惚れ惚れします。
もちろん魯智深には「青蓮寺に面が割れた」「宋では最早動きにくい」というやむに已まれぬ事情があったわけだけど、でもそこで「じゃあ梁山泊に逃げ込もうか?」という誰もが考えられる道を選ばずに、未だ弱体と言わざるを得ない反乱の芽を潰さずに育て上げ、さらにはその反乱そのものを成功させるための次の一手。 大国宋の国力を弱める画策が必要と考え、たまたま起こっている遼での民族紛争を利用しようと考えるな~んていうのは並みの男にできる状況判断ではありません。 そして単身敵地に乗り込んでいく行動力、これだって並みの胆力では果たせません。
さて、もう1人、かなり印象的だったのは王進先生の指導を受け、メチャクチャ強くなってしまった史進の物語でした。 彼が魯智深により少華山入りせざるをえなかったエピソードもそこで結果的に頭目に押し上げられてしまうに至ったエピソードも原典にもあるだけに面白いけれど、あまりにも若くして叛徒の頭目にまつりあげられてしまった青年の陥る落とし穴みたいなものにスッポリ嵌っている姿は「さもありなん」だったし、そんな史進を心配しつつも見つめるだけしかできない副頭目たちの苦悩も「さもありなん」で、そのまま梁山泊入りしないというのはなかなか練られたシナリオだと感じます。
そしてそんな史進の姿に危惧を感じて、王進の元で再教育しようとアレンジする魯智深が又々、かっこいい (^^)v この第3巻で KiKi は林冲に続いて魯智深のファンになりました。 そうであるだけに、岩波少年文庫の「水滸伝」での魯智深の描写にはビックリ仰天・目がテン・・・・だったんですけどね(苦笑)
さらにさらに、もう1人。 梁山泊ができるまでは単なる田舎の塾の先生だった呉用が梁山泊の第3位に登りつめ、そこで苦悩する姿も実に説得力があると感じました。 思い起こせば KiKi も会社の中で1スタッフというポジションからマネージャーというポジションに上がったばかりの頃、あれやこれやと逡巡したものでした。 忙しさの中で自分のやるべきことを必死でこなしている時間(要するに昼間)はいいんだけど、それから解放され家で食事をした後ぐらいに「これは現実なんだろうか?」「自分みたいな人間が人の上に立っていいんだろうか?」「自分にはそんな資格があるんだろうか?」と思い悩んだものでした。
その時代を経、さらにはそこからさらに上のポジションも経験した今だからわかることがあります。 それは人の上に立つ人間は本人の資質というものももちろん必要だけど、それ以上に「ポジションが人を作る」という経験をしてはじめて「それなりの人」になるということです。 弱音をどこで吐けばいいのかさえわからない時代あり、それを吐くことを恥とさえ考える時期もある。 でも、そんなことでウジウジしている余裕はなくて何等かの職務上の結果は出さなければなりません。
結果を出すためには1人ではできないことも多々あり、「人を動かすためにはどうすればいいか?」を考える時間が必要で、同時に人から陰口をきかれたり悪く思われたりすることに悩むことだって少なくありません。 それでも、彼らと一緒に何かを成し遂げる。 それが2度3度と繰り返される。 そうこうしているうちに人はそのポジションに見合う人間にようやく成長していく・・・・・。 そういう意味では呉用の陥った孤独、悩みは文官には、しかもスタッフレベルではないマネージメント側の人間には必要な悩みのプロセスと言ってもいいかもしれません。 「頑張れ、呉用。 苦しいだろうけど、この時間はあなたにとって必要な時間なんだよ。」と心の中で声をかけます。 もっとも人に拷問をした苦悩というヤツは KiKi には想像することはできてもよくはわからないけど・・・・・・ ^^;
さて、梁山泊という点で始まった反乱軍。 この第3巻までで、その梁山泊と清風山、二竜山、少華山という黄河沿いの線がうっすらと見え隠れし始めました。 そしてこれに絡む、盧俊義の「塩の道」で大きな役割を果たしている北京大名府。 巻頭にある「関係地図」を眺めると少しずつその線がぼんやりとした面にも広がりつつあります。 更には魯智深が足がかりをつけようとし始めた燕雲十六州から遼に至る面。 狭い島国・日本では想像もできないような広大さの中で物語は第4巻に進みます。 う~ん、楽しみ♪(2周目だから、かなりの程度はどうなるか知ってるけどさ)
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面白い。心に残った箇所抜粋。
「この山に入った時、強いものがいて、その下で闘えばいいのだと思っていた。ところが、私が一番強かったのだ。わかるか、その時の驚きと恐怖が。私は、さまざまなことを考え続けてきたが、闘えば皆を死なせる、むなしく死なせたいと思わなかったのだ」
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再読というのもあるが、さくさく読めるな。動き出した梁山泊だが山あり谷あり。致死軍と青蓮寺がぶつかり、楊志が二竜山へ。そして妾の嫉妬で罪人となった宋江が谷が旅に出ることに。こればっかり読んでるが飽きない。
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悩める楊志、ちょっとじれったく感じる。真面目なんだな。で、拾った子どもが楊令伝につながるのか。気になる豪傑の一人史進、王進の下でどのように成長するのか楽しみ~。
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今までの話と並行して、敵方である国側にも結構なページ数が割かれて書かれていますが、腐敗した政治だとばかり思っていた国の中枢に近い部分が、それなりに国を憂いていることに驚き。
虐げられている民を憂いて発った叛乱軍。
腐敗しているのが分かっていても、外敵に攻め込まれない強い国を維持するために、ある程度の不正には目を瞑りながら、身を粉にして国のためにと自らの利は顧みず動く中枢部。
どちらの気持ちも分かるだけに、叛乱軍が最終的には勝つのだろうと思いつつ、その後の宋という国の行く先を考えずにはいられない。
そして最後に思いもしなかった展開。
今後どうなるのか!
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梁山泊も力を付けてきているが、なにしろ国が敵なので侮ることはできない。双方の情報戦も面白くなってきた。
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原点の水滸伝と比べて、大幅な改訂が加えられているそうですが、原点を読んでいない俺にとってはどうでもええ事やな。
原点ら読んでなくても充分楽しめる!めちゃめちゃおもろい!!
原点では妖術とかの要素もあるらしいんやけど、北方版ではそれも省かれたあた。
俺は小説でそんな魔法とかファンタジー的な要素が入ったあるのは嫌いやし、ましてやこんな熱い話でそんな非現実的要素はいらん。
水滸伝のストーリを超端的にまとめると、梁山泊百八傑と言うように、108人の豪傑(女性含む)が織りなす一大叙事詩です。腐敗が進む宋において、『替天行道』の志のもとに集いし者達の熱い闘い。
最初108人の豪傑を全員書き分けれるんかよとか思いやったんですが、そんなんは杞憂でした。
108人全員が個性的でなおかつ熱い!!
『三国志』を読んだ時も思ったけど北方謙三という人は、豪傑とか漢とかを書かせると右に出るものはいないのではないだろうか。
また、全員死に様がかっこ良過ぎる。
漢とは死に様までカッコ良くなければならないと思いました。
豪傑達一人一人にすごい愛着が持てたので、そいつらが死ぬたびにものすごい落ち込んだ。
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敵にあたる青蓮寺側の葛藤も描かれていてよかった。
国を滅ぼし新しい世を作ろうとする梁山泊も、今ある国を守り改革しようとする青蓮寺も。どちらも役人と軍の腐敗に苦しむ思いは同じなのに、手段が違う故に対立してしまうんだもんな。切ない。
個人的に袁明やはじめは印象が悪かった李富がすきです。
宋江はまだ好きになれない。魯智深はかっこいいです!!!
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楊志や史進が活躍してて嬉しかったです。
宋江の旅がいよいよ始まるわけですが、黒旋風や張順がどのようにして登場してくるのか楽しみで仕方ありません!
それにしても、唐牛児には頭にきた!
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現代だったら不祥事ってことでカリスマ失ってる宋江さん。
登場人物リストがえらいことになってる。108人は出るんだから当然だけど。
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楊志と魯智深の二人で二竜山を奪う。
致死軍の石秀はその責から追い出される。
宋江は女の嫉妬に気付かず、結果二人を失い旅に出る。
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まだまだ準備段階という感じ。梁山泊が落ち着いたからか、林冲が出てこなくて、残念。王進は、ますます修行に励んでいるという感じ。
登場する数少ない女性がまた亡くなった。好ましく思っている楊志の妻と子に何かあったら、読めないかもしれない。
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主に楊志、武松、宋江の動向が綴られています。
僕の中でかなり盛り上がってきています。
最後の方の宋江の弟の話はやや残酷な話ですが。
いよいよ主役の一人、宋江の出番が廻ってきました。