紙の本
無敵の爺さん
2024/02/23 05:06
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投稿者:達成 - この投稿者のレビュー一覧を見る
言うまでもなくフィクション歴史小説の入門書
池波氏が描く洗練された文体とキャラクターの粋なセリフ回しに心打たれること間違いなし
全20数巻とかなりのボリュームではありますがサラサラと読めてしまうので気軽に手を出してみては如何でしょうか?
紙の本
痛快にして洒脱
2023/05/01 21:03
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
評者の読んだ初池波正太郎小説本。起承転結上の忠実さ、簡潔平易な表現ながら心に伝わる心裡描写の深味、短篇ながら中長篇並みの重厚さではらはらさせられるストーリーテリング等々、なるほどこれが池波正太郎の小説かと納得。特に、第一話の「女武芸者」は、物語発端の回ということで登場人物のオンパレードなのだが、個性際立つ人物造型とめいめいの登場の仕方などは、アメリカ風というか活劇・映画風というか、きらびやかささえ感ずる出来。
「政事(まつりごと)は、汚れの中に真実(まこと)を見出すものさ」(55頁)
「剣客というものは、好むと好まざるとにかかわらず、勝ち残り生き残るたびに、人のうらみを背負わねばならぬ」(107頁、同旨119頁)
「小兵衛ほどの名人になると、汗の出し入れなど、わけもないことなのである。」(192頁)
「はじめ、女の声が、「なりませぬ」とか、「またしても、そのようなふるまいをなされて、亡き兄上に、なんと申しわけなされますのか」とか、きびしく、男をたしなめ、むしろ叱りつけていた。その声で、大治郎は目ざめたのだが、男のほうは何もいわず、猛々しいうなり声を発するのみで、たちまちに、女の抵抗は消えた。男は完全に女を組み敷いてしまい、おもう存分に犯しはじめたらしい。・・・ はじめは男に抵抗したり、叱りつけたりしていた女が、しだいにあられもなく声をあげはじめ、うめき、もだえるありさまが尋常のものではなくなってきた。・・・ 叩きつけるようにいいながらも、女の体をせめぬき、なぶりぬいている様子であった。」(211~3頁)
「若さは、いかなることをも可能にする。禁欲をもだ。そして、一定の目的へ振り向けた若い健康な男の禁欲は、かならず収穫をもたらすものなのである。」(212頁)
なお、著者いわく、「題名が決まると、しだいに小説の内容が見えてくる。少なくとも、書き出しの情景だけは頭に浮かんでくるものだ」(『池波正太郎の銀座日記〔全〕』、169頁)。そして、「トップ・シーンに悩む。これさえ頭に浮かんでくれれば、後は登場人物の動きにまかせるのみだ」(同286頁)とのことであるが、本書については構成や描写の細部に関しては疑問ないし不分明な点も多く、けっこう読んでいてイラつくこともあった。いずれにして、次巻以降がたのしみたのしみ。
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池波正太郎の、このシリーズは全部買った。秋山小兵衛、大治郎、三冬、おはるの組み合わせがなんともいえず魅力的。その他の脇役たちも、また。
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北京で読む。日本語をつかわない地域ではじめて日本語に飢える感覚。おいしい日本語日本的表現の池波正太郎本。
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何年ぶりかに「小兵衛」さんに会いたくなり読み始めました。
久しぶりの面々、大治郎、三冬、おはる・・・秋山ファミリーはとても素敵です。
小兵衛さんは私の中でヒーローといっても過言で無いほど、かっこいいお爺様なのです。
ひょうひょうと見えますが、抑える所はきちんと押さえる。
それも表には出ず、皆の知らぬ間にやってのけてしまう。
かと言って自分の力に溺れる事無く、「剣客と言うものは好むと、好まざるとにかかわらず、勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。」と言う厳しさも兼ね備えてるんです。
今、動き出した物語、16巻まで続きます。
以前読んだ時は11巻まででした。
2、3冊買っておけば良かった・・・
早く先が読みたくてしょうがありません
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これを読まなきゃ時代劇が好きなんて、言っちゃいけない超逸品シリーズ、第一弾。
わたくしがこの本を手にしたときは、まだ作者がご存命であったし、それほどご高齢でもなかったため、なんとなくお小遣いがある時に買い足して、楽しみに読んでいたのですが、そうこうしているうちに氏は亡くなってしまい、私の剣客ペースはガクッと落ち込みました。
だって、終わってしまうのが悲しくて・・・。
結果として未完の作となりました。氏は、作品を完結させる方でしたので、もちろん「剣客商売」も「梅安」も終わらせる構想があったと、わたくしは思うのですが、そういう悲しみだけでなく、このシリーズはいろいろな当たり前の感動を送り続けてくれる作品です。
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小粋な爺、秋山小兵衛、息子の大治郎の活躍が楽しい一冊。
時代劇嫌いの人にこそ薦めたい本。
+、蕎麦の描写が妙においしそうなのが食欲をそそる(笑)
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この剣客商売が部活で流行って池波正太郎を読むようになりました。剣の達人である小兵衛が目に浮かぶようです。本当にこの人の文章はカッコいい。TV放映もされてますが、一番最初の渡部篤郎が出てたときが良かったなぁ。
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■説明
秋山小兵衛というのが、名前の通り小さな爺さんだが、剣の達人。知る人ぞ知る剣客です。
使い手ではない人がみると、だだの気の良い爺さん。
その息子、大治郎まっすぐなよい青年です。前半はすこしばかり頼りなさの残る
若者ですが、後半はなかなか頼もしく成長してきます。
佐々木三冬 田沼意次の娘だが、これも剣の使い手。美しくてカッコイイ。後に大治郎と
結婚します。
おはる。小兵衛さんの年の離れた奥さん。三冬さんとはちがってのんびりとした暖かな
雰囲気をこの物語に添えています。
■感想
池波正太郎の連続物です。時代物を読まれたことがない方にもオススメ。
この登場人物の妙で一気にとりこになること間違いなし。
話も読みやすいし、この本から時代物にはまる方もいらっしゃると思うけど。。
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剣客という生き方は自分を律する事である。何事にも真摯にそして時には臨機応変に弱気を助け悪を切る。信念を曲げない心を学びたい。
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読んでいて,おいしい和食,そして日本酒が欲しくなる本.シリーズ全巻読み終わる頃には,太ってしまうかも.
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美しい風景と、目に浮かぶ料理の描写、それに人それぞれの物語が小気味よく書かれています。初めて読んだ池波作品だし、虜になるきっかけになった。
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大次郎好きだった。
文体が丸いというか艶があるというか。
しっとり感のある文章で、江戸はこうだったのかなと思う。
文体が雰囲気を持っている。
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このシリーズも全部食い入るように読みました。三冬さんが好きでねぇ。やっぱり小兵衛がカッコイイと思うのですよ!
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池波正太郎の描く東京、というか江戸はあまりにいきいきしていて、おいしそうで、ついトリップしたくなる。