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孤独を抱える3人の物語
2016/11/27 13:39
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投稿者:タケチヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく松田の徹底した猟奇ぶりに驚愕でした。真の家族を作るという母親からの使命感にも似た思いが彼をここまでの行動に追い込んだのであれば、怖いと同時に可哀想だとも思ってしまう。最後の対決シーンでのバトンの下りは良かった。
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孤独
2001/08/08 12:49
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投稿者:よさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰が一番孤独だったんだろう? 歌への情熱を抱えているアルバイト? 連続殺人犯?それをおいかけている婦警? ひょっとしたら、殺人犯のお母さん。
全体から見たらとてもすくない描写だけれど、確実に狂気をはらんだ孤独を感じます。自分の世界にだけ生きていこうとする怖いくらいの孤独。ゆがんだ世界。
今はもうなくなってしまっていますが、第6回日本推理サスペンス大賞の優秀賞を受賞した作品です。
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孤独の歌声
2001/06/25 00:00
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投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
天童荒太という作家については、これまでほとんど知らなかったのだけれど、TVドラマで「永遠の仔」を観て、俄然その名前の注目した。「永遠の仔」にしても「孤独の歌声」にしても、サスペンス仕立ての人間ドラマ、刑事ドラマという体裁は共通しているし、驚くほど濃密でありまた希薄でもある人間関係が描かれている点でも共通している。強く他人とのつながり・同化を求めるあまり、ついには自他の区別が無くなり犯罪に走る人間、また自他の同化により自己を見失うことを恐れるあまり、心を閉ざして生きる人間。そうした人達の人生が複雑に絡み合うところにドラマが生まれる。そうした両作品の登場人物達の心の有り様は、極端な形ではあるにしても現在を生きる人間の心理を見事に表象している。「孤独の歌声」は作家のデビュー作に近い作品であるようだが、つい最近の作品「永遠の仔」とをあわせて読んでみると、現代人の心の孤独・心の傷というものが、一貫したテーマとして作家の内にあるようだ。
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孤独が好きと言うけれど
2001/05/29 04:19
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投稿者:春都 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もっと「どろどろじめじめ」な重厚なものを予想していたのだが、文章が若者っぽさもあり読みやすい(語り手が若いからだろうけど)ので、思ったよりライトな印象。
しかし事件そのもののショッキングさと、その裏にある現代的病理は決して軽くない。「独り」と「家族」、そして「他人」。
よくあるような「あとは読者それぞれが考えましょう」といったものではなく、作者が信ずるそれらへの認識というか「距離のとりかた」を強烈に主張している。
天童荒太は安易に問わず、ただひたむきに語るのだ。
「時代を切り取った」と評される作品というのは、えてして数年経ってからみると評価が落ちがちになってしまうと思う。時代が作品に追いついた、ではないだろうけど、発表当時には斬新だった「作家が敏感に察知した感覚」が知らず知らず世の中に浸透し、慣れてしまうのかもしれない。
この『孤独の歌声』もある意味で時代性を持っていて、それが表れる事件とその真相にさほど新鮮味も驚きも感じない。表面上のストーリーがおもしろいから楽しむぶんには困らないものの、そういった点を味わえない、味わうためには「その当時」を鑑みる必要があるだろうことには、少しばかり悔しさを覚えたり。
孤独は悪なのか善なのか。悩む時代はおそらくすでに過ぎている。