紙の本
こんな作品が最上のミステリーだとされている日本の出版業を愁う
2009/06/25 22:29
13人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
仙台市内で金田貞義首相が暗殺される。容疑者として浮かんだのは青柳雅春という男。しかし青柳自身には全く身に覚えがなかった…。
伊坂幸太郎には「アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア)」の時に痛い目にあっているので、少なからず及び腰ではありましたが、本書が山本周五郎賞や『このミステリーがすごい!2009』第一位を獲得するほど評価の大変高い作品だと聞き、思い切って手にしてみました。
しかし今回も私は満足することができませんでした。
本書はまず金田首相暗殺の真相を追う物語ではありませんでした。
JFK暗殺事件におけるオズワルドの立場に重ねて描かれる青柳の逃走劇は、逃走そのものに終始していて、その背後にあるはずの巨大な陰謀の真相が明かされることを期待すると肩透かしを食らうことになります。
では青柳の逃走話自体に手に汗握る興奮を味わえるかというと、私はまるでダメでした。
この主人公に同化して物語の中を疾走することができず、常に彼の斜め上あたりからその姿を眺めながら伴走するといった思いに終始して、どこか他人事にしか物語を見つめることができませんでした。
青柳が逃走途上で出会う人々は、どうにもご都合主義的に現れては消えていくばかりで説得力がありませんし、その人々のことごとくが、そろいもそろって軽佻浮薄なしゃべりかたで単調です。
主人公の内面の描き方も薄味で、共感できるような人間臭さは垣間見られません。
全体的に肉付けのない、物語の骨と筋だけを延々と見せられる思いがしました。
さらにいえば、この著者の日本語はワープロの悪い癖で、日常的には使わない漢字表記がルビも伴わずに頻出します。また読点の打ち方も過剰で、日本語の流れがたびたびさえぎられて大変わずらわしく感じました。
文章にもプロットにも練りこんだ跡が見られない、粗雑な作品をつかまされたという苦い思いばかりが残りました。
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今作も大量の伏線とセンス抜群のセリフにニヤニヤさせられ、感動シーンで涙ぐみかけました。とにかくうまい!としか言いようがないです。痴漢死ね!
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伊坂ワールド爆発!!!
やっぱ天才だね♪
お父さんの所と大変よくできましたの所が好き。
森田どっかで生きてるんじゃ…って思っちゃう。
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待望の伊坂作品。
やはり、よかったです。
携帯や色々なハイテク機器がそこら中に溢れる世の中で、目に見えぬ大きな敵と戦う青柳。
なんだか、青柳のような出来事は誰に対しても起こりえて、そしてそれが怖い。
一般市民が翻弄される状態が、マスコミや国家によって起こされるのは不思議ではなので、この話をフィクションとして愉しむだけでなくて、現実の社会を考えさせられました。
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痴漢はしね。父ちゃんかっこいいよ。大切なものは習慣と信頼だね。みんなかっこよすぎた。5部はずっと泣いてた
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ハリウッド的伊坂!!
やっぱ会話がめっちゃよかった♪
あと大学時代ってそんなに楽しいのかあ、って思った。07/12
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ちょっと涙ぐみかけたり、くすっとしたり相変わらずの伊坂作品は、読終えるのが寂しい。これまでの作品同様、相変らずセリフも好きだし、登場人物のキャラクターが好きだなあ。
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071206新橋の文教堂で購入。
自分にしてはめずらしく、時間をかけて(すなわち大切に)読みました。うっかり泣いちゃったよ。世の中捨てたもんじゃないのかもしれないなぁと思った。
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1〜3部を読んで、何て理不尽な!!魔王再び!?と思ったけど、理不尽ながら少しでもホッとできる結末で良かった。伊坂さんの伏線の張り方がもう心憎くてたまらない。やはりその人個人をちゃんと理解してくれる、信じてくれるのは身近な人なんだなぁと実感。
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一体なんなのだ、この小説は。逃亡者とダイ・ハードに伊坂流のスパイスを掛け合わせるとこういう作品ができる、というところは理解できる。だが、ハリウッド映画とは一つだけ違う点がある。それは、結論が冒頭、それも事件の発端が描かれた直後に明かされているところだ。日ごろから「先が気になる小説こそ秀逸」と宣言している私に新たな観点を与えてくれた。結論が出ている=先が気にならない…はずだったから。なのに、事件は結局闇の中だと分かっているのに、主人公の行動は一つ一つが気になる。そして伊坂作品にしてはパンチが足りないかなと思いながら読んでいた私に、クライマックス、そしてラストで鮮やかな爽快感を味わせてくれた。結局、伊坂さん褒めちゃうんだな…「だと思った」。(た)
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結構、読みごたえのある一冊でした。
最初は、私の尤も苦手とする『逃げる』行為に拒否反応!
小さい頃から、逃げるのが嫌いで、苦手で、なんでかくれんぼとか鬼ごっこをしたがるのだろう・・と不本意ながらしていた口でした。
捕まる時のあの嫌な気持ち・・・今度は鬼になって追いかけなくちゃならない・・ちっとも面白くないって思いながらも、やっちゃっていたのは、子供だったからでしょうかね^_^;
で、話を戻します(笑)
そんな拒否反応も、読み進めるうちに消えて、どんどん面白くなっていきました。
伊坂マジックですねぇ〜(^_-)☆
で、主人公の青柳さんは、仕組まれて濡れ衣を着せられ、とにかく逃げる!
”海でな、大きな鯨に追いかけられたら、どうする?戦うか?戦って勝ち目はあるか?おまえが助かる見込みがあるのは、とにかく逃げることだ。今がそれなんだよ”みたいなことを大学時代の友人、これまた仕組まれた罠に加担する一員にさせられちゃった人なんだけど・・この言葉を昔の友達へのヒントとして残し、自分は留まって、青柳君は逃げるようにと促す・・
とにかく逃げる青柳さん、ピンチになるとやってくる助っ人たち。
その助っ人たちのキャラがまたいい・・間違いなく伊坂ワールドの住人たちだね。
正直、久しぶりに、好きな伊坂さんの作品だったなぁ〜
表題のゴールデンスランバーは、ビートルズのアビーロードの中の一曲、ポールがマザーグースの中の子守唄を聞いて出来た曲らしい・・
あのアルバムだよねぇ・・4人が道を渡っている・・あの頃、ビートルズは決裂寸前で、一緒にレコーディングすることさえ拒否られて、バラバラのレコーディングだったそうな・・それでもなんとか仲を修復しようと、ポールが1人で奔走していたなんて・・知らなかったなぁ・・
すみません、ビートルズを正直、真剣に聞いたことってあまりなく、みんな中途半端にしか知らないのです、私。
伊坂さんの著書は、製本されているものに関しては全て読んでいますが、最近ちとう〜〜ん・・って思うことが多く、久しぶりに満足の行く一冊でした。
そおそお、死神の精度も映画化されたそうですね。
好きな本なので、とても興味があります。
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はい、おもしろい!
いつもどおり一気に読みきってしまいました。
一回だけじゃわかりきれない、細かい設定と読んだあとの読後感は相変わらずよし!
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★が5つじゃ足りません。
今まで読んだ本の中で1,2を争う好きな作品になりました。
出てくる言葉のすべてが伏線と言ってもいいくらい
どの言葉も見逃せません。
そしてその伏線が本当に見事!
もちろん伊坂作品の粋な会話や魅力的な登場人物も満載です。
最後には涙も…。
ぜひ多くの人に読んでほしい作品です。
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いくつもの伏線が絡み合っていくのはさすが。読み終わっても、もう一度読み返したくなってしまう。
雅春の父がマスコミに言い放ったコメントにグッときた。
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無実の男の地味目な逃亡劇。
すごく満足の行く終わり方でした。
大きな陰謀からは逃げるしかない!とかね。映画なら立ち向かうんぢゃないの?みたいな感じがすごくいい☆
あと、密かな応援団(笑)とかね。
でも、本の中みたいな監視社会になったらちょっと嫌だね。なる可能性は高い気もするし…。
深読みかもしれないけど、社会への警告にも感じなくはない。
あと、ベースにリンカーン大統領暗殺事件があってパロってるのににんまりしたくなるのもGOODだった。