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紙の本
事故と労務に揺れる企業の実態を描いた力作
2008/02/10 21:54
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
山崎豊子が自ら巻末のあとがきで書いているとおり、現実に起こったことをモデルとして小説を書くという山崎自身としては新しい技法でまとめた長編小説である。
出版後には新聞、週刊誌を初めとして相当な議論が巻き起こったようだ。それもそのはず、モデルは実在する航空会社、登場人物も実在し、ストーリーも実際にあったように描かれているからである。
誰しもそれは分かって読んでいるので、悪役として描かれている企業や人物が反発するのは当然である。本書では主役と悪役がはっきりと描き分けられている。主役に敵対する人々はすべて悪役である。名誉を毀損されたと訴える人がいても、不思議ではないという実感だ。文庫本5冊という超長編ではあるが、大きくはアフリカ編、御巣鷹山編、会長室編の3部に分けられている。
ストーリー展開だけを追うのであれば、これほど長編にはならなかったはずであるが、実際に起こった事実に基づいているという点を強調したかったのか、その都度出された新聞記事や社内文書などを丁寧に紹介しているので、このような長編になったと思われる。
一気に5巻を読み進んでしまったが、冗長感は免れない。途中で息が切れてしまった。しかし、これだけ読み手を引き付ける力はさすがだと思う。
インターネットのブログやホームページでこの『沈まぬ太陽』に関する批判や賞賛が縷々述べられているが、それほど大きな影響を社会に与えたといえよう。どこかのライターがその逐一を事実と突合せ、批判をしていたが、これは小説なので、突き合わせても意味がないことに気がついていないようだ。事実と異なっていても当然である。類似していても、それは偶然であると言われれば、それまでなのだ。事実と一致させれば、それは小説ではなく、ドキュメントになってしまう。
冗長ではあったが、企業小説を堪能した気分になった。小説での描写の真偽はともかく、現実には合併後も財務上の苦難を抱えつつ、さらに労務上の問題、安全上の問題と、どれ一つとして明確に解決できていない現状であることは、今後もいばらの道が続きそうである。
紙の本
組織の怖さ
2002/05/19 00:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごまた - この投稿者のレビュー一覧を見る
組織の中で生きる事の難しさ、組織という壁を強く感じた。
組織の中で自分が信じる道を貫き通す事は難しい。
けれども、それを行ったものに対する会社と言う組織の仕打ち
が本当にひどく、これが事実なのか信じられない。
ほんの数十年前の出来事とは到底思えない。
紙の本
自分を曲げない主人公
2020/05/27 10:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のび太君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
無理矢理労働組合の仕事をさせられ、本格的に行動したことにより周囲からの迫害にあいながら、決して自分を曲げない主人公がすごい
紙の本
不当な人事に立腹
2016/06/10 14:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スミレ - この投稿者のレビュー一覧を見る
航空会社勤務の恩地は、労働組合の委員長を努め、それが原因で海外勤務を命じられる。
今作は、労働組合委員長としての働きと、懲罰人事により異動させられたカラチという国での生活が描かれています。
恩地の正義感の強さ、責任感の強さにはとても好感がもてます。それが仇となりどんどん悪い立場に追いやられることに悔しさを感じました。
WOWOWでのドラマ化を機に読みましたが、意外に読みやすく、次作が楽しみです。