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ほとんど面白い。
特に牧野修「黎明コンビニ血祭り実話SP」~円城塔「Beaver Weaver」~飛浩隆「自生の夢」と続く編集者いわく「微妙にシンクロしている」かのような文学でしか表現できないタイプの作品がすごかった。
田中哲弥「隣人」は幻想的な描写になっていくSFというよりもマジックリアリズムのような作品で、この人を知れたのは収穫。
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難解な作品がいくつかありましたが、総じて面白かった。
読んだことのない作家さんの文章にも触れられてよかったです。次に誰の本を読むかの指針にもなりました。
しかし、屍者の帝国面白かったなー……
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大森望さんが編集したSFアンソロジー集。笑いあり、ホラーあり、スペースオペラあり、SFミステリありと多種多様。お気に入りは山本弘「七歩跳んだ男」、斉藤直子「ゴルコンダ」、伊藤計劃「屍者の帝国」。「七歩跳んだ男」はこう来るかというどんでん返しで見事にだまされました。「ゴルコンダ」は癒し系のドタバタコメディ。是非とも梓さん1人ほしいです。「屍者の帝国」、この先どのような展開が待っていたのでしょうか。亡くなられたことが惜しまれる序章です。
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『隣人』 田中哲弥
「なんだよこの胸糞悪い小説は…食事前に読むんじゃなかった。ほんとに意味が分からない。これがSF?冗談だろ。誰が得するんだ。この小説は何を伝えようとしてるんだ。考えたくもない。あー気分が悪い。こういう小説を書く人なのか。もう二度と読みたくない」
「あー吐きそう。よくこんな気持ち悪い文章かけるな。すごい。ほんとキチガイじみてる」
「完全にトラウマになった」
読んだ勢いでそのときの率直な気持ちをTwitterに書いたら田中哲弥先生本人が反応を下さった。本当に死ぬほど驚いた。ぼくみたいな若造がこんな失礼なこと書いてしまって申し訳ないと思った。でも嬉しかったと言って下さったので良かった……
汚物耐性が無かったのだ。いや、実際に目でしかるべき場所にあるものを見るのは全く問題ないのだけど、これはいろいろ狂ってるとしか。不条理って一番ダメだ。納得できないし何がしたいのかわからない。とにかく、理解出来ない。読んでてホラー的な怖さよりは生理的に受け付けないっていう方が圧倒的に強かった。こういう気持ち悪さが良いっていう人もいるのか。それとも別の解釈があるのか。スプラッター映画のようなエンターテインメント性も無いし、本当にただ気分が悪くなっただけだ。一体何がなんなのかさっぱりわからない。
田中先生も胸糞悪い話とおしゃっているのでそういうものだと割り切るしかないのかな。
『忘却の侵略』 小林泰三
すごい電波くん!一番好きな話かもしれない。現実に居たら絶対避けられるような人物が主人公になれるのもSFのいいところだ。
『七歩跳んだ男』 山本弘
面白かった。わかりやすくオーソドックスなミステリー。
なんかもう誰が犯人でも驚きは無いよね。
『ガラスの地球を救え』 田中啓文
すべてのSFオタクの夢が!地球を!救った!!こんなに気持ちいいことはない!
『ゴルコンダ』 斎藤直子
字の成り立ちは普段あまり考えないから面白いと思った。
『黎明コンビニ血祭り実話SP』 牧野修
インターネットをやっていると、様々な画像を見る。そのなかにものすごくグロテスクなものがあったりする。画像で見る分にはもう結構慣れてしまった。でも、こうやって文章に起こすと無理だ。きっつい。
『Beaver Weaver』 円城塔
全然頭に内容が入ってこなかった…。初めてSFを読む人がこれを読んだらSF嫌いになるんじゃないかと思った。
『屍者の帝国』 伊藤計劃
これが絶筆だなんて、めちゃくちゃ勿体無い。「なんで死んでもうたんや……」
まとめ
お気に入りは『忘却の侵略』 いろんな意味で衝撃を受けたのは『隣人』
SFがなんなのかよくわからなくなってきた。僕はもう単純に読みやすくてイメージしやすい話が好きです。感想を書いてない話は考えても普通の感想しか出てこなかったので書いてないだけです。
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伊藤計劃の未完の絶筆が収録されていれとのことで地元の図書館で。ストーリーのさわりの部分だけであったが、設定や人物描写が緻密。月並みになるが先がとても気になる。彼の頭の中では、物語が出来上がっていたのだろうか。
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アンソロジーにはいつだってワクワクさせられる。一冊の本の中に様々な才能が、時には雑多に詰め込まれ、息つく間もなく色々な世界に連れて行ってくれる。
そしてアンソロジーは一つのジャンルの隆盛に貢献することもある。<異形コレクション>シリーズなどはその代表例だろう。日本のホラー界は<異形>以前と<異形>以後に分けられるくらいだ。その影響はSFやミステリなどの周辺ジャンルにも波及している。
前置きが長くなったが、『NOVA』は翻訳家・評論家としても活躍する大森望氏が満を持して送り出す新作SFのアンソロジーである。彼は、自身が2008年に創元SF文庫でスタートさせた<年刊日本SF傑作選>シリーズの中でも、わが国に短編SF発表の場が非常に少ない事をしきりに嘆いていた。
そんな大森氏があえて「編」者ではなく「責任編集」者として挑む書き下ろし短編SFアンソロジー。年間2冊を目途に刊行を目指すようだが、これが軌道に乗れば日本SF界にとって強力な突破力を持つシリーズになるかも知れない。
収録作は下記の通り。シリーズ開幕にふさわしく、名前を聞くだけでワクワクするようなラインナップだ。収録順。
北野勇作「社員たち」、小林泰三「忘却の侵略」、藤田雅矢「エンゼルフレンチ」、山本弘「七歩跳んだ男」、田中啓文「ガラスの地球を救え!」、田中哲弥「隣人」、斉藤直子「ゴルコンダ」、牧野修「黎明コンビニ血祭り実話SP」、円城塔「Beaver Weaver」、飛浩隆「自生の夢」、伊藤計劃「屍者の帝国」
最後の一編は、伊藤計劃氏の死去により絶筆となった第四長編のプロローグ部分。これを読んだだけでも恐らく傑作になったであろう事が想像できる。今回特別に収録された。
その他の作品もいずれ劣らぬ作品ばかり。不条理なものからオチが効いたもの、怖いものから温かいもの、ギャグとしか思えないものまで、それぞれの作家性が実によく表れている。
中でも大森氏が語るとおり、牧野修‐円城塔‐飛浩隆と続く微妙にシンクロした後半の三連作は怒涛の破壊力。テキストによる現実改変がそれぞれの作家の手により展開される。特に円城塔氏のスペースオペラ(!?)は圧巻だ。
雑誌≪S-Fマガジン≫2010年3月号のレビューで指摘されている通り、この3作のおかげで全体的にまとまりすぎてしまった感はあるが、シリーズとして今後さらに大きく飛躍していくことは十分期待できる。
ちなみに同雑誌の2010年2月号では、大森氏自身が連載「大森望の新SF観光局」の中でタイトル名の由来を書いている。それによると、『オービット』やら『ユニバース』やらといった候補の中からどうしようかと考えていた時、目に入ったハリイ・ハリスン編の本の題名からとったらしい。新作ばかりの作品集なので「新星」というタイトルはピッタリだと思うが、実際の新星は恒星の最期の姿であったりする。この本はそうならない事を祈っている。次巻のメンツもほぼ決まっているようなので、それを楽しみに待ちたい。
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「NOVA1」大森望/責任編集
書き下ろし日本SFコレクション。特になし。
有名どころ、旬どころの日本SF作家が書き下ろして寄稿した短中編集。贅沢!のひとこと。
ひっそりと(といったら河出書房に失礼ですが、)出ているわりに熱い企画だと思います。2巻以降にも期待。
それにしても大森望さんはいい仕事するなあ!
個別の感想としては、
『忘却の侵略』小林泰三…いつものようなインパクトがなくてちょっと物足りない、観測問題のパロディ化というか。
『エンゼルフレンチ』藤田雅矢…テーマとしては物珍しいところはないけど、情の書き方がうまい!きれいな読了感。
『七歩跳んだ男』山本弘…と学会長のSF短編です。もうなんていうか、、古くて新しい!(苦笑)
『ゴルコンダ』斉藤直子…一番ライトで読みやすい。ショートショートの形でも読んでみたいなあ。
『BeaverWeaver』円城塔…一番難解、たぶんいま最先端のSFの傾向なんだろうな。科学的思考の村上春樹みたいな感じ。難解さで煙ってる読み心地に陶酔します。
『屍者の帝国』伊藤計劃…作者の絶筆。SFマガジン追悼特集で集録された編が、書籍の形で読めます。
全11編、平均点でも十分以上の一冊でした!(4)
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日本のSFということで、最近好んでいる作家が並んでいるため、玉石混交を覚悟して手に取った。
トップバッターの「社員たち(北野勇作)」は駄作。「忘却の侵略(小林泰三)」は大阪大学基礎工学部の方。なかなか面白かった。シュレディンガーの猫が出てくるとたいてい面白く思うのは私の欠点かな。そして、「エンゼルフレンチ(藤田雅矢)」は泣けるお話。きれいだなぁ。
既読の「七歩跳んだ男(山本弘)」はパスして「ガラスの地球を救え!(田中啓文)」に飛ぶが、超駄作。気を取り直すが、「隣人(田中哲弥)」もまたいやになる。今度こその気持ちで「ゴルコンダ(斉藤直子)」にたどり着くが、イマイチ。さらに「黎明コンビニ血祭り実話SP(牧野修)」はさっぱりだし、何度目かのリベンジ「Beaver Weaver(円城塔)」も苦手なまま終わる。
ラストに期待したが「自生の夢(飛浩隆)」も難解だし、既読の「屍者の帝国(伊藤計劃)」は絶筆だから感想も何も・・・。
ということで予想通り玉石混交。まぁまぁかなぁ。
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伊藤計劃の名でこの本に魅かれたが、「SF」という分野を初めて特化して読んだ。さすがに違和感だらけ。2、3度読み込まないと僕の読み方では理解しきれない。しかし、新鮮味があって、何人かの作家の作品は読んでみたいと思った。個人的には、山本弘氏、飛浩隆氏が良かった。
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#dks 「自生の夢」飛浩隆 読んだ(また読書会間に合わず)。ひー面白すぎ。創造物と出来事が入れ子になってて、どっちが外側で内側なのか、中心が何なのか判らない。殆どが会話で構成されていて情景描写が僅かなのに、読書中になぜか荒涼な乾燥した広大な岩地が思い浮かんだ。(つづく)
#dks googleや増殖するウィルス、膨大な情報が断片化され別の情報が自動生成されていく様子は、非常に身近で、「既にあるもの」。人格や意思までもが既存のエッセンスの合成で生みだされたら…。しかも、これは全部「言葉」の話だ。全部、実体は無いのかも。と考えると、ほんと面白い。
#dks (これで最後にしよ)物語に挟まれている「ブルーベルベット」や「ミツバチのささやき」のイメージが箸休めになって、重量感のある話を最後まで読み切れ楽しめた。初めて読んだ作家だったけど、他の作品も読んでみたい。お薦めしてくれた人ありがとうございます。
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短編SFのアンソロジー。新人作家よりも癖があって尖ったのが多い。というか遊んでる。
良かったのは飛浩隆「自生の夢」くらい。あとは藤田雅矢「エンゼルフレンチ」、山本弘「七歩跳んだ男」と斉藤直子「ゴルコンダ」が普通に読めたくらいで、残りはご勝手にという感じ(ただし伊藤計劃「屍者の帝国」冒頭は除外)。
「自生の夢」は、多くの殺人を犯して収監されていた間宮潤堂と、高度情報社会に生じた事件”忌字禍”をめぐる物語。ややとっつきにくいけれど、比較的理解しやすい。拡散していく展開と、間宮と”インタビュアー”との緊迫したやり取りに気を取られている間に、ふっと足をすくわれて言語の世界へと引きこまれてしまう。想像力の向こう側にあるような、そんな作品だった。
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書き下ろしのSF短編集であり、現在日本のSFの第一線にいる方々の作品を収録。なんと言っても目玉は、故伊藤計劃さんの「屍者の帝国」の遺稿。未完ではあるが、スチームパンク風のイギリスを舞台に、ワトスンが語り手となる本作は、ホームズシリーズの読者ならにやりと来る事請け合い。
あと印象に残ったのは、悪い意味では田中啓文さんの「ガラスの地球を救え!」。良い意味では円城塔さんの「Beaver Weaver」と飛浩隆さんの「自生の夢」
ガラスの地球はとにかく汚い(ゲロ的な意味で)。あと、これでもかというほどパロディで埋め尽くされている。訴えられないかと心配になるほどに。
「Beaver Weaver」はよくわからない世界観だけれど、その裏にある理論は面白い。
「自生の夢」はGoogleとtwitterと他色んな者を混ぜ合わせたら、とんでもない怪物が生まれたとう感じ。視点移動が多用され、先が気になる。
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本格、奇想、幻想、純文学、ミステリ、恋愛…SFというジャンルが持つ幅の広さと可能性を詰め込んだオリジナル・アンソロジー。完全新作10編+伊藤計劃の絶筆を特別収録。
(BOOKデータベースより)
***
〈2〉は既読。
2よりもちょっと難しくて、思いっきり理系な話が多かったという印象。
「社員たち」北野勇作
地中に埋まった会社を掘り返す話。うーん。可もなく不可もなく。
「忘却の侵略」小林泰三
面白かったけど、ちょっと?となる部分も。
「エンゼルフレンチ」藤田雅矢
好き。胸きゅんと切なさと。
「七歩飛んだ男」山本弘
読みやすく、面白かった。宇宙での殺人事件、もっと長く読んでみたい。
「ガラスの地球を救え!」田中啓文
面白く、最後は大森さんの解説通りになりました(笑)こういう流れに私は弱いのです。
「隣人」田中哲弥
こういうの、作り話でも本気でイライラしてしまう。
「ゴルコンダ」斉藤直子
主人公に若干イラっと。話は面白かった。
「黎明コンビニ血祭り実話SP」牧野修
よくわからなかった。*2はどこにつくの?私が見つけられなかっただけ?
「Beaver Weavr」円城塔
難しかった。。。
「自生の夢」飛浩隆
難しかったけど、好きな雰囲気。最後の真相がなんとも。
「屍者の帝国」伊藤計劃
ものすごく楽しめそう。続きが読めないのがただただ哀しい。
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SFの書き下ろし短編集。
田中哲弥目当てで読んだけど、他にも面白いのがあった。
ちなみに田中哲弥は「隣人」って短編を書き下ろしてた。最高。はた迷惑な一家が隣に引っ越して来るという不条理系で、現実の認識が交錯していく筒井的な表現方法。
他では、山本弘の「七歩跳んだ男」、斉藤直子「ゴルコンダ」、飛浩隆「自生の夢」、小林泰三「忘却の侵略」が面白かった。
「七歩跳んだ男」は、月面での殺人事件を取り扱ったミステリー。トンデモ系かと思ったら、本格派SFでビックリした。ミステリーとしても良く出来てる。
「ゴルコンダ」は、妻が11人に増えるというドタバタコメディ。主人公の軽さが、軽快さを演出していて面白い。
「自生の夢」は、未来的なクラウドシステムが、自立型のウイルスに侵食される話。広がりきったヴァーチャルなデータベースは、第二の自然であるという世界観が面白かった。
「忘却の侵略」は、シュレディンガーの猫をモチーフとした、量子力学的なロジックで描かれたインベーダーもの。一見小難しそうに見えて、理解しやすいように表現されているのが好印象。
あと、編者が『文学賞メッタ斬り』の人やと、読み終わってから知った。
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「忘却の侵略」「自生の夢」面白かった。「BeaverWeaver」読めませんでした。「ガラスの地球を救え!」どうしよう、好きじゃないのに忘れられない。