紙の本
「人よく菜根を咬みえば、すなわち百事なすべし」
2012/07/22 21:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人よく菜根を咬みえば、すなわち百事なすべし」
苦しい逆境に耐えることができれば、多くのことを成し遂げることができるという意味だそうです。
400年ほど前に中国明代の学者、洪自誠にょって書かれた処世訓です。
本書では、原典のなかから220項目を選び、分かりやすい現代語にしたものです。人生のあらゆる場面で、困ったとき、迷った時の判断基準として使うことができます。
その特徴は、中庸にあります。著者自身が、儒教、仏教、道教の良い部分を補いつつ、現実世界に適合するような内容で書いているのです。そのため、極端な思想の偏りはなく、行動基準としてそのまま使うことが可能です。
一項目1ページで簡潔に書かれているため、読むための本というより、何度も読みこむ、人生のある場面で確認のために読むという読み方がよいと思います。
気になった項目。
「策略を知っていても使わない」
「激務についても悠々と生きる」
「志を最優先させる」
「繊細すぎない、大らかすぎない」
「友人とは三割の義侠心を持ってつき合う」
「逃げ道を残してやる」
「多くのことをしようとしない」
「清濁合わせ飲む」
「ほどほどで満足する」
一日1項目ずつ読んで、その日の”生き方”のテーマを決めて過ごすとよいかもしれません。
龍.
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抄訳で順序も並び替えられていますが訳が堅苦しくなくていいです。様々な訳本等が出ている『菜根譚』ですがこの本は敷居が低く初心者におススメです。
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●まっとうに生きる
⇒まっとうに生きていると不遇な生活を送るはめになったりすることもあるだろう。一方で権力者にこびへつらったりするような生き方をしている者が優遇されたりすることもあるだろう。しかしそれは一時的なものであって、決して長続きしない。
●人徳を磨く
⇒人徳によって得られた財産や名誉は、ひとりでに枝葉が生い茂る野の花のように、大きくなり続ける。
●自分で運命を切り開く
⇒天が幸福を授けてくれないなら、自分を磨いて幸福を得よう。こうすれば、天といえども、どうすることもできないだろう。
●人目につかない場所で徳を積む
⇒恩返しなど期待できない相手のためにこそ、恩を施すべきだ。
●一生の短さを悟る
⇒人の一生は、一瞬に飛び散る火花のように短いものだ。
●穏やかな生活を楽しむ
⇒ただ、ごく普通の食事やありふれた生活の中にこそ、穏やかで楽しい人生の醍醐味が潜んでいるのだ。
●死を思って現在の日々を充実させる
⇒何の心配も後悔もなく安らかな気持ちで死を迎えられるよう、充実した日々を送るよう心がけなければならない。
●主体的に生きる
⇒自分の考え方や信念をしっかりと持ち、自分が主体となってさまざまな物事を推し進めていく人は、成功してもおごらず、失敗してもくよくよしない。
●世間とのかかわりを減らす
⇒減らすことを考えずに増やすことばかり考えている人は、自分の人生を世間のしがらみでがんじがらめにしているようなものだ。
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バルタザール・グラシアンのほうと比べると、
だいぶ癒し系。
そんな無理すんな、余裕を持てよ。
そんな雰囲気の処世術。
だけど、道徳心は持て!みたいなところは
バルタザール・グラシアンと一緒。
洪自誠とバルタザール・グラシアンはほぼ同時代
の人物。
当時の西洋人と東洋人のそれぞれの考え方の違いを
楽しむのも良いかも。
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人生、楽に余裕を持って生きようよ。
という内容。
バルタザール・グラシアンとは違って力が
入ってなくて、ほっと読めるかも。
同時代の東洋人と西洋人。
考え方の違いを比較するのも面白い。
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論語などに比べあまり聞きなれない中国古典に興味を引かれ読んでみました。
名前の通り今後、何度も噛みしめながら読める一冊となりそうです。
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■概要
4百年程前に中国で書かれた書籍を抜粋し、やさしい日本語で訳されたものです。
儒教や道教、仏教といった思想をバックボーンとして、人生を生きるうえでの原理原則が書かれています。
同意できない項目もありますが、大部分は心に染み入る
言葉が綴られています。
昔から多くの著名人が愛読書としていたことも頷ける一冊です。
頻出単語は、
・穏やか
・ゆったり
・バランス
・自然
■仕事に役立つ点
やさしい気持ちになれます。
なんとなく、仕事にやる気が出てきます。
というより、仕事の悩みが小さなものに思えてきます。
<あし>
装丁の素敵な本ですね。
せかせか読んだせいか、これぞという言葉が残らなかったのですが、
結構ゆるいというか、ああ言ってみたりこう言ってみたり(中庸が良いといったり、突き詰めるべきだといったり)
読む人が欲しい言葉を見つけられる本なんだろうと思いました。
手元に置いて、ちょっとしたときに開きたいような本です。
あしさんありがとうございました。
(さわ)
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世の中において、意思ある人間として生きるための知恵が書き記されている。古人が残した財産ともいえる宝書である。
生きるうえでのテクニックを教える本ではない。
「長期的な視点から落ち着きを持てば、小事に振り回されることはない。そうだろう?」と問いかける。それに応えるのは自身の経験だけであり、歳を重ねるにつれ、格段に理解を深めてくれるだろう。
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中国の古典から学ぶ人生訓。
菜根譚=「人よく菜根を咬みえば、すなわち百事なすべし」
堅い菜根をかみしめるように、
苦しい境遇に耐えることができれば、
人は多くのことを成し遂げることができる。
感じた印象としては、
欲深くなりすぎず、無理をしすぎない。
謙虚であり道徳心を忘れない。
人らしく生きることが幸せである。
という感じでした。
何度読み返しても、その時々で、
得られ物があると思える1冊。
我が家の本棚にはずっと置いておこうと思います。
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欲望に振り回されるな、隠れて悪さをするな、才能をひけらかしてはいけない、死を思って日々を充実させよ・・・と、まるでおじいちゃんの説教みたいだが、ただそんな自分の違和感に着目すると、昔の東洋人が培ってきた道徳心というものに思いを致すことができる。
自分を含めて、現代人は良くも悪くも功利的。金を稼ぎたい、会社では出世したい、金持ちや権力者が羨ましい・・・と、そんな資本主義のパワーの中で生きている。昔も同じような商人や官僚は沢山いたのだろうが、一方で儒教や道教や仏教を学んだ人々は「欲を抑えて倫理観を持てば、むしろ心自由に爽やかに生きられる」と、道徳を堂々と説いていた訳だ。我々には「道徳」というと煙ったい感じがするし、そんな世捨て人みたいな生き方で大丈夫か、とも思うが、長い人生は欲心だけでは満たされないのも事実だ。
人よく菜根を噛み得れば即ち百事なるべし。この本には噛んでも噛んでも味わい尽くせない人生訓が詰まっている。時に我が心の狭さを反省し、時に心がすっと楽になる。間違いなく、ずっと本棚に置いて読み返したい一冊。
18晩年に気力を奮いたたせる
78死を思って日々を充実させる
99家族の団らん
126リーダーの態度
162見えないところで働く悪事は密かに進む肝臓病のようなもの。
178草むらで実を結ぶ瓜のように努力する。
182今やっていることを減らす
197硬軟両面を合わ持つ
205人の欲望は土砂でも埋め尽くすことができない
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中国明代末期の洪自誠(こうじせい)による人生指南の書
「人の小過を責めず、人の陰私を発かず、人の旧悪を念わず」
日本語訳は、
「人のささいな過失を咎めたりせず、人の隠し事もあばいたりもせず、人の過去の悪事をいつまでもおぼえたりしない」
人を許す心とでもいいましょうか。
納得の書!
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どのようなときにも、いつもこうすれば幸せになれるという同じ方法は無い。
菜根譚は紆余曲折の末に幸せがあるとも言う。
どのような時にも、その時々に役に立ったり、助けになる言葉があるのが菜根譚。
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菜根譚前集4
勢利紛華
不近者為潔
近之而不染者為尤潔。
智械機巧
不知者為高
知之而不用者為尤高。
権力、利益に関心がないひとは高潔だ。
だが関心を持ちながら染まらない生き方ができるひとこそもっとも高潔だ。
策略、駆け引きを知らないひとは賢明だ。
だが権謀術数を知りながら使わないひとこそもっとも賢明だ。
向上心と謙虚さを大事に生きたいと思うとき決して忘れてはならない言葉。大事にしたい。
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菜根譚を読んでみたいなーと思いつつ、書店でいくつかの菜根譚を見比べた結果、購入したのがコレ。なにはともあれ読みやすいです。他の菜根譚の本は大抵が原文と訳文がセットで同ページに掲載されていますが、正直原文読んだってさっぱり訳が分からないし眠くなるので、本書のように原文は後ろのページに付録的な感じで載ってるぐらいでちょうど良いかと。
各ページに人生の訓が1つずつ掲載されています。女性の方が訳されているせいか、言い回しや表現がやさしく、なんとなく気軽な気持ちで読めます。内容的にはまぁ当然と言えば当然なことだけれども、今一度気付かされるというか、あえてそれを無視して行っている自分を反省させられるというか、まさに自分を見つめ直す、本来そうあるべき姿を思い起こさせる、そんな本です。
現代に通じる項目だけを抜き出して掲載したとはいえ、昔も今も必要とされる考え方や生き方は変わらないんだなぁとこの本を読んで思います。ともすれば「相田みつお」にも通じるものがあるかな?
経営者や政治家、文化人の座右の書となっているらしいこの「菜根譚」。私もこの本を座右の書として位置づけたいと思います。
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アランとかよりは読みやすくもあり、難しくもあり。言葉は簡単なのに本質を見抜くのが難しいとでもいいましょうか。だからこそ何回読んでも面白いのかもしれません。