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~内容(「BOOK」データベースより)~
大奥女中と法華宗僧侶の乱れた性の証拠を掴むべく、密偵として大奥に忍び込んだ齢十九の登美に魔の手が迫る。部屋住みの三男坊、新之助が大胆に敵を翻弄し、事態はますます息をもつかせぬ大攻防へ。両陣営に犠牲者が続出。そして、衝撃的な結末は―。全てを見届けた新之助の目には儚い陽炎が揺れていた。
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おもしろい。本性を現した石翁と新之助の壮絶な戦いについつい引き込まれてしまった。権力争いの空しさを改めて感じずにはいられなかったが、石翁が最後に見せた潔さに救われた気がした。
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菊の乱れ
長局
猫
秋の怪
新しい女
渦紋
雨
愛欲の文
愛経
攻勢
密告
輪
乗物部屋
夜霧の中
黒い彷徨
脇阪事件
推察の糸
向島の寮
潮
大御所他界
烈風
陽炎の絵
著者:松本清張(1909-1992、北九州市小倉北区、小説家)
解説:島内景二(1955-、長崎市、日本文学)
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黒幕石翁と水野忠邦と勝敗が決するクライマックスまでに準主役とも思われる縫や脇坂淡路守の呆気ない運命に驚いた。だが、これも正悪別無く儚いかげろう絵図の一コマなのだろう。2016.4.8
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おもしろかったけれど、欲を言えば、新之助が石翁に直接鉄槌を下して失脚させたいうシナリオのほうが、死んだ仲間たちが浮かばれるのに・・。 水野忠邦が出たことで、なんかこれまでの苦労が水の泡になった気分です
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身延山久遠寺の壮大で絢爛たる伽藍を見た時、感応寺の遺構が使われていると聞きました。大奥きっての悪女“お美代”の実父が住職だったお寺であり、大奥スキャンダルの現場です。「かげろう絵図」は、その事件を題材にしています。旗本新之助やお縫さん、市井の人たちは活躍してくれるのですが、権力闘争の決着は、それとは関係ないところでついたようで、お縫さんは可哀想でした。艶な豊春さんが無事だったのはなによりでした。