世界のホンダを作ったもう一人の男
2001/01/23 14:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dakara - この投稿者のレビュー一覧を見る
本田宗一郎とコンビを組んで、世界のホンダをつくった藤沢武夫自らの手による体験的経営理論です。
小さな企業が世界的な大企業に発展していくプロセスには、名経営者とともに、女房役のような有能なサポート役が重要な役割を果たします。松下電器の高橋荒太郎などは、その例でしょう。そのような女房役のことに関してはあまり多くのことが語られていません。松下幸之助や本田宗一郎に関する著作は多いのに、高橋荒太郎や本書の著者である藤沢武夫に関しては多くのことがいわれてきたわけではありません。
本書は、本田宗一郎の女房役であった藤沢武夫自身によるものです。本田宗一郎は技術のことをよくわかっていたといわれていますが、経理や経営に心眼のある藤沢武夫がいなかったら、本田技研はここまで大きな会社にはなっていなかったでしょう。
本書には、本田と藤沢が衝突しながらも、「よい会社をつくっていこう」という夢を失わず、世界的な優良企業に至るプロセスが、一人称でいきいきと描かれています。特に、最後の本田と藤沢の引退の場面は、感動的ですらあります。
ちょっとした小説よりずっとおもしろいです。
基礎の経営こそ大事な事!
2018/03/09 19:49
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投稿者:ねずみ大根 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホンダを支えた経営者として興味があり、手に取りました。
成功の秘訣は…と思って読んでみましたが、基本に忠実な経営こそ大切だと再認識致しました。
読みやすいので有難いです。
どの世界でも、基本は大事ですね。
良いビジネス書、読み物としても面白い
2015/06/01 19:16
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投稿者:KY - この投稿者のレビュー一覧を見る
本田宗一郎の右腕と言っては語弊があるかもしれない。それほどの重要な役割を主に表舞台に立つことなく真っ当した藤沢氏の本。適材適所の重要性、お互いを補い合うビジネスパートナーを見つけることの重要性がよく分かりました。
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この本と出会ってまだ数年だけど、うちのこの本はかなりぼろぼろ。何度読んでも自分の中の闘志がふつふつと沸いてくる。語っても語りつくせない、何度読んでも読み足りないような大好きな本。
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ホンダ技研工業株式会社の創業者として知られる本田宗一郎。彼の知名度はそのユニークさで抜群な知名度がある。しかし、その彼は技術系の出身、しかも社長でありながら毎日工場の方でその個性を発揮していた。では、ホンダ技研工業株式会社のマネジメントはいったい誰が行っていたのか。その人物こそ、この書の著者、藤沢武夫である。藤沢氏は本田宗一郎とタッグを組み、今のホンダを築き上げた。その成長プロセスは波乱万丈を極め、ホンダという企業が大企業、安定した会社と思っている者には多くの衝撃を与えるであろう。今も規模でいったらトヨタ、日産の足元にも及ばない。400万台クラブ。この選択もホンダは選ばなかった。選んでいたとしたら、今のホンダはないと感じてしまう。その「ホンダらしさ」というものを作り上げたのは本田宗一郎の理論であり、またそれを支える藤沢武夫の才能であると思う。ホンダが現在の姿になるまでにどういった過去を経験してきたか。それをこの本では藤沢武夫氏が自己の経験を思い返しながら話している。本田宗一郎がここまでのキャラクター性を発揮できたのは、この藤沢武夫の存在あってのものであり、両者あっての今のホンダであると痛感した。鈴鹿サーキットの製作の経緯は自分にとって感慨深いものであった。万物流転の自然の大原則にまだまだ抗おうか。
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万物流転
「もう大丈夫。この会社は絶対つぶれないから、安心してくれ・・・」と言ったら、本田の目からバラバラと涙がこぼれ出ました。
「おれ、これ拾ってきたよ」といって、本田がポケットから出したのがクロスネジ。
部屋を借りて一人で引きこもり、日本のいろんな企業の経営分析をやってみました。
有価証券報告書を基礎に勉強しました。
「本田さんの悪い点を面白く書きたいから・・・・」何か話してくれという。
「欠点なんてねえよ。」
いつも一緒にいるということは、一緒に居ないとお互いの考えていることが分からないということ。
「幸せだったな」
「本当に幸福でした。心からお礼をいいます。」
「おれも礼をいうよ、良い人生だったな。」
それで引退の話は終わった。
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ホンダの魅力ある企業文化が継承されていくことを願います。企業は、縦糸と横糸がしっかりしていなければならない。それさえしっかりしていれば、見た目のコミュニケーションがなくてもうまく行く。本田宗一郎氏と著者のように。(2008-05-06読了)
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自分の仕事に一杯いっぱいな僕なので、経営の視点を書いた本が読もうとおもい買った本。経営の本を他に読んだことがないから、他と比較できなくて良著か否かわからんけど、すらすら時系列で読めて読みやすい。
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ホンダといえば宗一郎。と並んで有名なのが藤沢。
ホンダのかっこいいエピソードには事欠きませんが、そんなホンダがここまでの大企業になれたのも宗一郎に藤沢というバックアップがいたため。
そんなホンダ黎明期の自慢話を滔々と藤沢さんが語る本。かっけえっす。
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ホンダ創業者の名参謀、藤沢武夫のホンダ創業から引退までの半生。
「技術の本田、経営の藤沢」、二人三脚でホンダを世界的な大企業に発展させるまでのエピソードが綴られている。
大きな夢を抱く本田に惚れ込み、お互いの力を認め他方の領域には口出ししない、愛情に溢れた信頼関係があった。
「万物流転」の法則から逃れ、未来永劫に社会的責任を全うし輝き続ける企業をいかにつくるか、彼の経営理念は、冷静で潔くかつロマンチック。
何度読んでも胸が熱くなる本。
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技術の本田宗一郎と、経営の藤澤武夫。なるほど、そう言われるだけあって、今にも通じるような斬新な経営の逸話が満載。自ら黒子に徹した人だったらしいけど、経営手腕で言うなら、松下とか盛田ばりにもっと注目されてもいい人だわ。
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自動車メーカーの「ホンダ」の本田宗一郎氏の右腕だった藤沢武夫氏の回想録。経営には無縁の僕ですが、自分自身のマネジメントに役立てたいと読んでみました。
藤沢氏が語ったものを編集者が文に書き起こしたもので、平易で分かりやすい文章になっています。
藤沢氏はかねてから優秀な人間と一緒に組んで、自分の思い通りの人生をやってみたかったそうです。
「オレはタンスを売っているんじゃないくて、人の命を預かる品物を作っているんだ」という本田氏の考えにほれたそうです。
本田氏をもり立てるためのポリシーは2つ。
金は相手(本田氏)が希望しないことには使わない。
その人を面白くさせなければ、仕事はできない。
藤沢氏の文具周辺に関する考えもユニークです。
社員の机の上には、書類を置かせませんでした。「机の上にモノがある人=処理ができない人だ」という考えだそうです。その代わり、私物は置いて構わないと言います。
日本の会社にファイリングシステムを導入したのも、藤沢氏が最初といいます。これは個人に仕事を抱え込ませないで、誰でもが、その仕事をできるようなシステムを構築するためだそうです。
同書では、過去の実務経験と合わせ、経営ノウハウが綴られていきます。それらは実に鮮明なのですが、藤沢氏自身は手帳やノートのたぐいを持ったことは一度もないそうです。しかし、よく覚えているのは、「苦しみ抜いたり、考え抜いたあげくのことが頭の中にこびりついているだけ」と言います。
藤沢氏は「重役とは未知なるものへ探求する役割」と位置づけます。「ホンダ」は技術屋、天才肌の本田氏と経営の達人、藤沢氏の両輪によって、文字通り走っていったのです。
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非常に頭がいい人だなという印象。自動車業界に勤める事務屋として、藤沢武夫氏と本田宗一郎氏の関係は羨ましい限り。自分も技術屋とこういった信頼関係の下、仕事を進められるような事務屋になりたい。
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本田宗一郎と二人三脚で「世界のホンダ」をつくった藤澤武夫の記録。両方をセットにして読むと、いろいろなことが見えてくる。自分がどちらに共感するかで、表舞台に立つか裏方に徹するかを決めるという手もある。ちなみに、私は藤澤武夫のほうにより共感しました。編集者は黒子ですから。
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・生命を預かる仕事
人間を判断するときには、その人の家庭を見る
・万物流転の法則
不景気に値下げするなど他と違うことをする
増産すると、増産による利益なのか、ギリギリに絞った線で利益が出てきたのかがはっきりしない
・本業以外に手を出すな
自分たちの力でやれるという誇りを得る
他に便乗しない
古い知識を今振り回したら時代に取り残される
・たいまつは自分で持つ
相手の立場で土地買収をする
流通のパイプを太くする
販売店の信用を得る
人のふんどしではなく、自分で完成品を作る
・仕事の履歴書
日々の仕事を記録し、功績・能力を明確にする
・営業力と技術力のバランスを
帰りのお客さんの顔をよく見て商売する