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投稿者:レントン - この投稿者のレビュー一覧を見る
平穏な田舎生活を淡々と描いた作品。
文章は平坦で一見、退屈に思えるが、そこには人生の深みが綴られている。
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医者でもある南木佳士の芥川賞受賞作「ダイヤモンドダスト」に加え、短編三本収録。 個人的には「冬への順応」が好き。
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火の山を望む高原の病院。そこで看護士の和夫は、様々な過去を背負う人々の死に立ち会ってゆく。病癒えず逝く者と見送る者、双方がほほえみの陰に最後の思いの丈を交わすとき、時間は結晶し、キラキラと輝き出す……。絶賛された芥川賞受賞作「ダイヤモンドダスト」の他、短篇三本、また巻末に加賀乙彦氏との対談を収録する。
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寄贈
人の死をこれほど正面から受け止めて、逝く者と残される者の現実を淡々と描けるのは、作者が医者だからという理由だけではないと思う。
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表題作は芥川賞受賞。ゆっくりとあせらず淡々と語られる物語は読後感がなかなかよかった。そのほか、短編3本。どの話も、難民キャンプからの視点を交えながら語られる。私は海外生活の3ヶ月なんて何が何だかわからない間に終わってしまうのが現実だと思うけどなぁ。 15.SEP.07
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カンボジアの医療チームに参加した人々の体験・現状を、ふとした瞬間に行われる個々人の回想という形でつづる。短編のようでつながっていて、難民医療団という同じ場所で活動している人々の、異なった感じ方・ものの見方が上手く描き分けられていました。
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久しぶりに読む純日本文学的美しい表現の作品でした。死をテーマにした作品ってどうも最近心を揺さぶる。自分の生き方を真剣に考えるようになったからだと思う。
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短編集。タイトルの「ダイヤモンドダスト」がやはり秀逸。あとがきの対談が興味深い。
「東京はやや踵を浮かして爪先を立てないとやっていけないところ
地方とか田舎では、踵を地面に下ろして生活ができる気がする」
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表題作を含め、3つくらいの短編だったような・・
芥川賞をとった作品だったので読んでみたのだけど
少しとっつき難い気がしました。
でも、今読んだらまた別の印象を抱くかも。。
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大学受験の模試で出題された。涙が止まらなかった。
アメリカ人宣教師が病床で主人公に語る、自身のベトナム戦争での体験の話が素晴らしい。
生と死を、感情的ではない、それでいて心揺さぶる文章で語っている。
こういった素晴らしい作品が、もっともっと読まれるようになればいいと思う。
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これはね、ケケちゃんの教授がケケに出した課題図書
私もまねっこして、買ってみました。
教授曰く、本を読む意味とは、
世の中に不条理なことがあるんだ ということを知るため。
それを実際に自分が全て体験することは不可能だから、本を通してそれらを知るんだ そうです
納得です。
それを聞いてこの本を読むと、なるほど、教授の伝えたかったことが分かる。
この本の主人公は医者で、難民たちの治療部隊
誰かを生かすために、他の誰かの命を諦めなければならないこと
人が死ぬとほっとする瞬間もあるのだということ
なんか、私には知り得ない世界だけど、小説で垣間見ることができた。
やっぱりすごい、本って。
ちなみに、読みたい本がわからないときに、確実なのは
「信頼できる人が薦めてくれた本」だと聞いたことがあります。
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「パラシュートが開いてから、ふと上を見ると、星がありました。とても確かな配置で星があったのです。」
「誰かこの星たちの位置をアレンジした人がいる。私はそのとき確信したのです。海に落ちてから、私の心はとても平和でした。その人の胸に抱かれて、星たちとおなじ規則でアレンジされている自分を見出して、心の底から安心したのです。今、星を見ていて、あのときのやすらかな気持を想い出したかったのです。誰かに話すことで想い出したかったのです。」
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自然に囲まれ、都会から遠く離れた土地。
年老いた父と保育園に通う息子の3人で暮らす看護師の和夫は、
林の中にある町立病院で働いていた。
表題作「ダイヤモンドダスト」の他、3作を含む短篇集。
タイ・カンボジア国境の情景と、信州の自然の情景を行ったり来たりする。
巻末には、加賀乙彦と著者南木圭士の対談付。
「ダイヤモンドダスト」の最後のシーンはとても美しかったです
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和夫が小学四年生のとき、夏になると必ず姿を見せていた、自転車のうしろに氷箱を積んだアイスキャンデー売りが現れなくなった。
その年の冬、電気鉄道は廃止された。
旅客の輸送はバスに代わり、春になると路線は雑草に覆われた。
父の松吉はバスの運転手への誘いを断り、あっさり退職した。
そして、今。
(冬への順応/長い影/ワカサギを釣る/ダイヤモンドダスト)
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浦野所有。
→11/01/30 葉月さんレンタル →11/08/21 返却
浦野レビュー - - - - - - - - - - - - - - -
生きることは哀しいこと。人はただ、死に向かって歩み続けるしかないのですから。
…そんな、あらがうことのできない時の流れのなかで、人は何を感じ、何を思うのでしょう。死期せまる患者と、患者を看取る医師が見るものとは、一体何なのでしょう。
本作の著者は難民救援医療チームに参加した経験をもつ医師です。臨場感いっぱいでありながら、静かにことが進む病院内の描写はさすが! 人の生死をテーマにしていながら、無駄に力んだクライマックスがないのも好感がもてました。とくに芥川賞受賞作の「ダイヤモンドダスト」は超オススメです。
話の後半で、45歳の末期の肺癌患者マイクが、主人公の看護師・和夫に語りかける場面があるのですが、そこにいたる筆致がすごい。美しすぎます。
併録の「冬への順応」「ワカサギを釣る」もいいです。
ぜひ、読んでください。