紙の本
普通・・・。
2005/07/14 10:34
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語、特に何が起きるわけではない。色々な登場人物が色々なシチュエーションで登場するが、それ以上膨らむわけでは無い。
ハラハラのサスペンスもウットリのラブロマンスも無い。
入浴剤の営業マンが、日比谷公園で一人の女性と出会う。名前も仕事も聞かない。でも会う度に不思議な雰囲気と会話で、短い時間をスタバのコーヒーと共に過ごす。そして、また会いましょうと約束する。
その女性に誘われ、公園で気球を真っ直ぐ飛ばす事に執着している男に
話し掛ける。気球にカメラを搭載し、上空から撮影するのに、真っ直ぐ飛ばないといけないとの事。しかし、何の為に撮影したいのかは、聞いてはいけない。そう・・・聞いてはいけない。
ただ眺めただけでは、刺激の無い日常が眼に写る。そこにいる人々も、何の問題も抱えていそうにない。普通だ。しかしその実、みなそれぞれにストーリィを抱えている。とてもオリジナルな二つと無いストーリィを。普通なんて、実は存在しない。誰にも聞かせることは無いかもしれない。でも、自分にとっては刺激的でとても大事な、物語を、誰もが持っているのだ。そう考えれば、普遍であるように見えるこの世界、刺激的な物語で満ち溢れているわけである。
その象徴が、最後の女性の言葉、「よし。・・・私ね、決めた」に現れている。何を決めたのかは分からない。でも彼女中のストーリィが、一つ大きく動いた、瞬間だったのだろう。
誰しもそんな物語を、胸に秘めている。
紙の本
共感できる文章に出会えました
2006/09/26 18:44
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投稿者:のら - この投稿者のレビュー一覧を見る
「パークライフ」は新橋勤務の私にとって非常に馴染み深い日比谷公園が舞台。「flowers」も含め、読み終わったときの爽快感はないけど、読んでいて、なんというか、書かれている文章が心に染み入ってきたり、いちいち共感したりする感覚があります。上手くは説明できないけど。
紙の本
吉田ワールドだね!
2019/05/31 11:59
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投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常でありそうな話でここで終わりという感じの話2編!『パーク・ライフ』…ちょっとしたきっかけで出会い、徐々に日比谷公園で会う回数を増やしていく。果たしてつきあうのか、それとも…。一方で宇田川夫妻は別れちゃうのか。ここで終わりかい!読み手の想像に委ねられましたね。自分ならハッピーエンドで終わってほしい。『flowers』はザワザワする感じで、まあ、元旦は置いといて、夫婦が熱々から冷えきった感じがなんとも言えないですね。これも結末を委ねられた感じで、ふとしたきっかけで夫婦仲が戻ると信じたいですね。どちらの2編も読後感は個人的に日常的で良かったです。
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絶妙な距離感
2015/03/26 11:53
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
『flower』より表題作のほうが自分の好みに合っていた。なんていうんでしょうな。端からみると付き合ってるのに、当の本人は全然何とも思ってなくてただの友達として遊んでる感じを、当の本人視点で読んでるみたい(分かりづらい)近すぎず遠すぎずされど追い越すことはなく並ぶこともない距離感に惹かれた。
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吉田修一の作品は初読。この本には表題作の「パークライフ」(芥川賞受賞作)と「flowers」の二本の作品が収められている。両作品とも語り手が微妙な人間関係のバランスの中で生きていく姿を描いているのであるが、後者がその背後にある事情をある程度書き込んでいるのに対し、前者はあえて表層的な部分の描写に終始している。「flowers」が1999年、「パークライフ」が2002年の発表だが、この間に手法がよりソフィスティケートされた様子がうかがえる。「パークライフ」は、表層をして深層を語らしむるのではなく、表層を表層として受けとめることを求める作品という言い方ができる。この作品の評価は、一種独特の希薄感をどう捉えるかによるが、この作品に限っていえば、希薄感がより強い印象を残すという意味で成功していると思う。なお、「場」と密接に結びついている小説なので、舞台となる日比谷公園の雰囲気を直接知っているのと知らないのとでは、作品への入り込み方にかなり差が出ると思う。
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この話がはらんだ空気は好きなんだけど…、淡々と話が進んでいってお仕舞いって感じ。アマゾンのペンペン草さんとほとんど同意見。
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芥川賞受賞作。
表紙がちょっと怖い?感じだったので(包丁持ってるから・・・)、どうかなあ・・・と思っていたのですが。
結構面白かった!なんとも言えない後味の残る小説でした。
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「これが、賞を取ったの?」(へえ〜)
日常の漠然とした感覚?感じ?それが、この本のウリなのでしょう。
ともかく、安心して読める1編でした。
しかし、2編めの作品は〜。((((((^_^;)
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吉田修一の第127回芥川賞受賞作品、「PARK LIFE」
何となく物語は始まって、
何となく日常は過ぎて行く。何かが起こりそうで、でも何も起らない。
そんな、何も変わらない日常が今風というか何というか。
僕の世代、20代後半のリアリティがこの作品にもあるなあなんて思うです。
ものすごく主人公の考え方とか行動とか発する言葉とか、そのひとつひとつに共感できて。
昔の思い出をいちいち思い出させる。
昔、学生の終わりの頃、「デザイナーズ・ハイ」ってランナーズハイにかけたイラストと言葉で、グダグタないつもと何も変わらない日常の作品を描き始めた事があったのを思い出した。
結局、SPAにおちまさとがプランナーズハイって連載をしていて、それがわかった時点で作る気なくなっちゃったんだけど。
なんか、そんな色んな意味でも共感しまくりです。
(って、これは本の感想じゃないな。)
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公園に一人で座ってるとあなたには何が見えますか?
この文章に引かれて読んでみたらよかった。
私は日比谷公園に行ったことは無いけど 話の中に出てくる「クラクラ感」は味わってみたい。
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日比谷公園を中心に淡々とあまり大きなこともなく話が進む感じ。とくに恋愛が起こるというほどでもなく、ただ一読しただけではわからないことだらけだと思います。でも芥川賞をとるなど、評価は高いようで。簡単そうで深い本、かな。描かれている公園でのひと時がとても心地いい。
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ポップな装丁と手軽に読めそうなところにひかれて購入。芥川賞受賞作だそうだ。日比谷公園が舞台で、淡々とストーリーが展開し、突然なんの前触れもなく小説が終わる。日常って、こんなもんかな、と思う。同時収録の「flowers」は、ちょっとグロテスク。サラサラとした筆致なのに、血なまぐさいのが印象的。
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昼下がりの公園に集まる人々のなんの変哲もない生活を
描写した物語です。
いつも公園で昼食を食べるあるサラリーマンを主観に
その公園にいる人たちとの些細なつながりを書いています。
公園の情景が細かく書かれており、
昼下がりののんびりした雰囲気が感じとれるのどかな物語です。
物語の舞台となる公園は東京都心のある公園です。
都会のあくせくした生活の中にもこんなのんびりした一面もあるということを
見せてもらっただけでなんとなく気持ちが落ち着いてきます。
スローな感覚になりたいときはいい本だと思います。
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芥川賞受賞なのに読みやすく、お値段も390円と安いです。やはり男性心理がお得意の作家という感じです。表紙の包丁男の意図がわかりませんけど・・・
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初めて電子書籍で読んだ。
湿度の低い淡々とした文体で綴られる日常生活の断面が面白い。しかし、現実の日比谷公園は、浮浪者と失業者で溢れかえっている。