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新装版となり、地名が実名になって読みやすくなりました。
実在の事件の詳細は知りませんが、まるでノンフィクションを読んでいるかのようなリアリティーがあります。
ここまで、人間って悪人になれるのかという印象を受けました。
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事実だけが積み重なられていく構成になっている。
殺害場面もなく、もちろん犯人・榎津が心情を吐露する場面もない。
犯行後の現場の描写はあるものの、第一発見者をはじめとする証言などが語られていく。
これはノンフィクションなのだろうか。
確かに登場人物の名前は違うし、一応小説として発表されてはいるけれど、限りなくノンフィクションに近いもの・・・と言っていいと思う。
映画化の企画が榎津の家族から抗議を受け断念するエピソードが描かれている。
「家族まで罰するのは赦してほしい」という嘆願書だったという。
結局、映画化は残された家族の人権を侵害するとの理由で断念された。
犯人の人権、被害者の人権、そして残された加害者家族・被害者家族の人権。
そんなことを考えながら読み終えた。
逮捕され、裁判が進む中で徐々に変わっていく榎津が興味深かった。
変われるのなら、どうしてもっと前に変わることが出来なかったのか。
現実に起きた事件に基づいているからこその怖さが伝わってきた。
この世で本当に怖いのは、人間が人であることを止めてしまったときなのかもしれない。
すんなりと入ってこない部分もあったけれど、最後まで一気に読んでしまった。
犯罪小説とでも呼んだほうがいいこの手の作品は神経が逆なでされるような気がする。
それをどこかで感じながら、それでも読まずにはいられない。
いつも不思議な感覚に陥ってしまう。
※実際にあった「西口彰事件」を題材にしている
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観たことないけど映画が有名だったので原作を読んでみた。が、気分が悪くなってくる。こういったジャンルが好きな人もいるんだな、と思うとそれも気持ちが悪い。
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池上冬樹編・ミステリ201から。これ、名前は変えてあるけど、実際の事件を元にしたいわゆるノンフ作品なんですよね。時系列を追っているだけと言ってしまえばそれまでだけど、次に何が起こるか分からない不穏さとか、小説さながら。不謹慎ながら、普通の娯楽作品としても十分楽しませてもらいました。
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5年ぐらい前に読んだので勘違いしてるかも。
あちこち流れながら、ひたすら人を殺しまくる。映画版は何も考えずに見れてエンタメ色が強いが、こちらはノンフィクションぽさが全開で陰惨で読ませる。だけどなぜ彼という根本的な疑問が残った。
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たまたまTVでドラマ版見て(柳葉敏郎)実話ベースということに驚き、その後 映画版見てからの読書。
復讐するは我にあり(新約聖書 ローマ人への手紙12.19) 。というフレーズにある「我」は神でなく自分自身のことだとこの犯人は思い込んでいた。という一説をどこかで目にしたような記憶があったけど、これは私の思い違いであろう。犯人はカトリック信者だったので、いくら信仰から離れた生活をしていたといっても、幼いころにどこかでこれは耳にしていると思うし、一連の犯行は復讐とは関係ないものであるから。
(余談ですが、「ローマ人への手紙」の「人」は「ひと」ではなく「びと」)
大人は誰も気が付かなかったのに(それどころかすっかり騙されている)小学生の女の子に気づかれた、なんて犯人は信じられなかったでしょう。初めてドラマで見たときは、この子も、、、、とサスペンスドラマの流れで最悪のパターンを想像してしまった。
別の書籍で犯人が死刑になるまでの様子について記述されたものを読んだことがあったが、これも佐木隆三だったかな
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映画を視聴したのちに購入。
映画版よりもこちらの方が深みがあるというか、映画版の「行間」の意味が分かったともいうか。とはいえ、映画版との展開と違うところも多いが。
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「佐木隆三」のノンフィクション作品『復讐するは我にあり 改訂新版』を読みました。
ノンフィクション作品は久し振りですね。
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ノンフィクション・ノベルの金字塔、再び
連続殺人事件の発生から犯人の死刑執行までを克明かつ重層的に描いた直木賞受賞作。
世紀を超えた執念の全面改訂版、待望の文庫化
列島を縦断しながら殺人や詐欺を重ね、高度成長に沸く日本を震撼させた稀代の知能犯「榎津巌」。
捜査陣を翻弄した78日間の逃避行は10歳の少女が正体を見破り終結、逮捕された「榎津」は死刑に??。
綿密な取材と斬新な切り口で直木賞を受賞したノンフィクション・ノベルの金字塔を三十数年ぶりに全面改訂した決定版。
解説・「秋山駿」
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以前から気になっていた作品、、、
たまたま先日、「佐木隆三」原作の映画化作品『すばらしき世界』を観る機会があり、読んでみようという気になりました… 女性や老人を含む5人の人間を殺した連続殺人犯「西口彰」を題材にした作品です。
■1 畑
■2 峠
■3 車
■4 血
■5 猊
■6 火
■7 声
■8 刃
■9 汗
■10 濘
■11 繋
■12 蠢
■13 嗤
■14 脚
■15 海
■16 幟
■17 土
■18 舌
■19 影
■20 爪
■21 纜
■22 目
■23 街
■24 雨
■25 旅
■26 檄
■27 釘
■28 風
■29 鎖
■30 官
■31 朝
■32 歌
■33 檻
■34 春
■35 髭
■36 瘤
■37 告
■38 島
■39 夜
■40 刑
■あとがき
■文庫版のためのあとがき
■解説 秋山駿
昭和38年、高度成長に沸く日本国中が震撼した連続殺人事件… 言葉巧みに人を騙し、殺し、日本列島を縦断しながら犯罪を重ねる男に対し、警察は史上初の全国一斉捜査を開始した、、、
関係した女、目撃情報は多数あり、立ち回り先の遺留品や人をおちょくったハガキ…… 広島―静岡―東京―千葉―福島―北海道と証拠の山を残しつつ、空前の捜査網をかいくぐり続けられたわけは? 78日間に及ぶ逃亡、10歳の少女が正体を見破るという予想外の逮捕劇、そして死刑執行までを、綿密な取材と斬新な切り口で克明に描くノンフィクション・ノベルの金字塔。
巧妙な詐欺と凶暴な犯行… 知能犯であり凶暴犯、そして全国の捜査機関が犯人の発見に苦慮焦燥しているのを尻目に、全国を股にかけて逃げ回り、大学教授や弁護士と称して女と遊び、ギャンブル資金を稼ぎ、宇高連絡船では偽装自殺を図る等の大胆不敵な行動、、、
現実とは思えない犯行内容、逃避行に驚かされました… 本当にこんなことがあったなんて……。
その知能や判断力、行動力が別な方向で活かせたら、どんな活躍ができた人材だったのか… 残念でなりませんね。
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重い。
救いがない殺人鬼。
関わった全員を不幸にする…これが現実かと呆然とするしかなかった。
何度も言うが…救いがない…
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高度成長期の日本を震撼させた。連続殺人鬼、榎津巌。78日間の逃亡劇から、逮捕、裁判、死刑執行までの一人の殺人犯のノンフィクションノベル。
モデルは、西口彰事件。(昭和38、39年)
こちらは改訂版で、当時30年ぶりに全面改訂され出版されたもの。
最初の殺人事件から、全国を転々とし、その間、大学教授や弁護士などと偽り、各地で詐欺を働きながら逃亡生活を切り抜ける。
かなりの取材をされているのでしょう。詐欺の手法から、被害に遭った人達の人柄から生活まで、丁寧に時間を追いながら書かれている。
あくまで、事件そのものを追う。ノンフィクションということに重点を置いたためか、犯人の心情や行動動機などは、よくわからない。
犯人は、キリスト教カトリック信者であった。タイトルも新訳聖書ローマ人への手紙から取られている。
長い間、このタイトルからハードボイルド系の何かだと思っていたことがある。神のみぞ罪に審判を下せる的な意味だと思うけど、犯罪は法律で裁いて良いのではと思う。文章は読みやすいし流れもよくわかる。でも、直木賞はノンフィクションでない方が良いなあとも思った。