紙の本
誰も彼も早熟だったのか
2015/03/26 09:52
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
新撰組と吉村貫一郎の絡みに異常なまでの食いつきを露呈している。息子の嘉一郎の姿が涙ぐましくて何とも言えない。昔の時代は誰も彼も早熟だったのか。現代とは危機感のレベルが段違いだから当然なのかもしれないが、見習うべき点は少なくはないはずだ。
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(2004.06.25読了)(2004.01.31購入)
新撰組隊士、吉村貫一郎の物語。近藤勇、土方歳三、沖田総司、・・・。吉村というのは聞いたことがない。最初からの隊士ではなく、池田屋騒動の後、大坂と江戸で新規に隊士を募集した時、江戸からやってきたという。奥州盛岡、北辰一刀流、免許皆伝。南部藩の脱藩浪士。永倉新八と立ち会ってみて強いことがわかったので、諸士調役兼監察という役目に抜擢された。十番隊まであった隊長に次ぐ幹部だ。
物語は、幕末から50年後に新撰組の生き残りから話を聞くという形で進められている。だから、物語が終わったかなと思うとまた新しく別の人の話が始まる。上巻もこれで完結でも構わない。下巻でいったいこれ以外にどんな話がありうるんだろうかと思ってしまう。
南部藩の二駄二人扶持(どれぐらいの給料かはわからないけれど、二人扶持というのだから夫婦の分しかないということか)の下級藩士として、妻子を養うのは大変で、才能があり腕が立っても禄が増える事はない。三人目の子供を身ごもった時、妻は入水自殺を図った。入水寸前に救い上げたが、いまのままでは、子供を育てることなど出来ない。脱藩し江戸にでて、何をしてたかはわからないが、新撰組の募集に応じ、京都にやってきた。もらったお金は、京都に店を出している、南部藩に本店を持つ店に頼んで送っている。自分のためのお金はほとんど使わない。服装も着古しをいつまでも着ている。
鳥羽伏見の戦いで、傷ついて大阪まで撤退し、新撰組大阪屯所に立ち寄ったが、その後近くの南部蔵屋敷へかくまってもらいに行く?だが救ってはもらえず、切腹を申し付けられる。切腹して死んだという場面はまだ出てこないので、結局どうなったのかは、下巻?
稗田利八(池田七三郎)の語る吉村貫一郎
「きれいな目をした人でした。あの人はいつも、誰に対しても、あのきれいな目をまっすぐに向けていましたよ。見映えはしないし、お金はないし、口下手で、上の人たちからは小馬鹿にされていたけれども、あたしたち若い隊士はね、みんなあの人のことが大好きだった。あの人、誰よりも強かったもの。それに、誰よりもやさしかったですよ。強くて優しいのって、男の値打ちじゃないですか。ほかに何があるってんです。」
吉村の考える大義とは
「少なくとも、武士の踏むべき正しい道のことではない。人の踏むべき、人として歩まねばならぬ正しい道のことです。だから義を貫くのであれば、たとえ武士道をたがえても人の道を踏み誤ってはならない。」
(浅田次郎は、人間の踏むべき道ということを考えて欲しくてこの作品を書いたのか!)
淀千両松の激戦での話
池田七三郎が傷ついて、吉村が「手負いでは役に立たん。先に大阪まで下がれ」というのに対し「この先生きたところで何が出来るのですか」と訊ねたところ「何が出来るというほど、お前は何もしていないじゃないか。生まれてきたからには、何かしらなすべきことがあるはずだ。何もしていないお前は、ここで死んではならない」と吉村。
(物語に夢中になっていると、吉村はなかなかいい事を言うとか思ってしまうけど、これって浅田次郎の言葉だよね。)
著者 浅田 次郎
1951年 東京生まれ
中央大学附属杉並高校を卒業後、自衛隊に入隊。
1995年 「地下鉄に乗って」で第16回吉川英治文学新人賞受賞
1997年 「鉄道員」で第117回直木賞受賞
2000年 「壬生義士伝」で第13回柴田錬三郎賞受賞
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浅田次郎さんという作家を完全に見直した作品。時代背景の理解をここまでできる作家が今どれだけいるだろうか。新撰組というセンセーショナルな集団の中で吉村貫一郎にスポットを当てるという視点も驚愕の一言。でもとりあえず上巻はまだ「準備」です
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映画化されてましたね。
見てないけど。
どう考えてもこれを超える映画が作れるとは思えないんだもの。
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大河ドラマ「新選組!」の影響で新選組に興味をもち、関連本が読みたくて手にしたこの本。吉村貫一郎という人物や、大河とはまた違った隊士たちの姿が、語りを通してリアルに描かれています。
「新選組!」を毎週見つつ、こちらを読んでいたので、ストーリーが頭の中で少々ごちゃ混ぜになってしまっているフシあり。
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ちゃんと上下とも読みました。泣いたなあ〜これ。最後、駅から家までの距離をずーっと読みながら帰って、家についたら荷物もおかずにラストまで読んでました。
強さとは何か。人間が本当に守るべきものとは何かという話。
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DVDを見てから読んでよかったです。若い人は、DVDを一度見てから読むことをお勧め☆そうすることで、聞きなれない方言や喋りを違和感なくサクサクいけるようになります。
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三ページに一回はグショグショになった顔を拭い、鼻をかみ、嗚咽をこらえながら読んだ本。
あとからあとから涙が出てくる。顔が塩分でヒリヒリしたくらい。
読み終わったあともじ〜ん…と痺れたようになってしばらく動けませんでした。
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今(2004年秋)、大河ドラマ新選組!」に夢中なので、新選組つながりで読んだ本 鳥羽伏見の戦いに出かけるくだりは、思い出すだけで涙が出そうになるくらい 「新選組!」出演者の顔を思い浮かべながら読むと、より入りこめます(下巻レビューにつづく)
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映画よりずっといいよ、と職場のおじさまがおっしゃってたので読んでみました。確かに映画より深い。南部訛は映画のおかげでよみやすかったけど。
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新選組隊士・吉村貫一郎。家族のために新選組に入隊する。隊士、教え子が語る吉村貫一郎の生き様に、涙なしでは読めない小説。なぜここまで生きるのか、貫一郎を取り巻く人々の生き方が心を打たれる。
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これほど感動した本を読んだことがない。上巻から下巻まで泣き続けた。男というもののあるべき姿を見た気がする。下巻は、同じことの繰り返しになっていていい加減しつこいと思えてしまった部分もあるけれど、一押し。浅田次郎が歴史小説という新しい境地に踏み出して作風に幅が出た。歴史物の方がいいんじゃないかなヾ(゚ω゚)ノ゛
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新撰組隊士吉村貫一郎について彼に関わった様々な人々が語っていく形式の小説。新撰組という殺伐とした血生臭い世界に身をおく主人公の故郷や家族を思う生き方に涙があふれてくる...映画やドラマにもなった。浅田次郎さんの新刊に「輪違屋糸里」があり、こちらは土方歳三のお話。私もこれから読みます。
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これまで読んだどんな小説よりも泣きました。2回目も泣きました。岩手弁がやさしく染みます。石割り桜、見てみたいなぁ…! 上・下巻です
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もぉボロボロですよ。泣いてるのを見られるのが嫌で、後半はトイレの中で読みました。
物語の構成は・・さすが!!