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みんなのレビュー439件

みんなの評価4.5

評価内訳

433 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

時代の大きな流れの中で真っ当に生きた貫一郎

2007/10/23 06:31

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポカ - この投稿者のレビュー一覧を見る

人というのは、時代に流される。
社会といのも、時代に流されていく。
そのなかで、一人一人の人間も流されていく。
全てが大きな流れに流されていく。
その流れに乗るも、逆らうも、
つまりはその潮流のなかでのもがきであるから
どちらも同じような気もする。

善悪などの人の価値観までもが、
そのときの立ち位置によって大きく変わってくる。
まさしく「勝てば官軍」で、
勝ったほうが善、負けたほうが悪。
正義や守るべきものや、行くべき道が
時代の大きな流れの中で混沌としている時代。

だからこそ、
違う角度から見ると、全く違った一面が見える。
別の角度では見えなかった違った光を放つ。
それは、いつの時代や社会でもいえることなのかもしれないが、
明治維新の大きな転換期であるこの時代においては
極めて顕著にあらわれることなのかもしれない。

維新の頃の日本について、
新撰組や薩長、そして幕府が語られるとき、
その語り手の立ち位置によって、英雄と悪者の語られ方が異なる。
薩長側からすれば、会津や新撰組は敵(悪)になるし、
会津、新撰組からすれば、薩長は敵(悪)になる。
薩摩と長州との間には、また別の関係があり、
幕府とのそれぞれの関係、
近藤勇や土方やそれぞれの人間、
そのひとつひとつの関係にひとつではない物語がある。

一方的ではなく色々な立場から語られているのが、
この物語に深みを増している。
色々な人に、吉村貫一郎を語らせて、
様々な立ち位置から多面的に見せてくれる。
一人の人物をその多面的に見せることによって、
吉村貫一郎という人物の
人としての大切なものを貫き通し、
いかに真っ当に生き抜いたかというところが、
じわじわと沁み入ってくる。
そして、
彼の周りに居た者、一人一人もまた、
真剣に時代を生きたひとたちであったことを
深く感じさせられる。

時代に流されて、誰もが諦めかけていた大切なもの。
家族や故郷。
吉村貫一郎という人物は、それを諦めずに大切に生き続けた。
その強さと優しさに涙が溢れる。

貫一郎が想い続けた、美しき街、南部の盛岡。
岩手山、北上川、夕顔瀬橋、下ノ橋・・・
今の盛岡と変わらぬ名前が多く出てきて、
見慣れた盛岡の街が、また違って見える。
あぁ、盛岡の風。美しき街。
この美しい故郷が、貫一郎を支え、この物語を支える。

読むなら冬、のような気がする。
物語をすぐ近くで見ているような感じがする。
静かな冬の夜におすすめしたい本です。

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紙の本

「おもさげながんす、吉村先生」

2003/01/06 23:21

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:逢坂 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 泣きたければ浅田次郎を読む。天国までの百マイルを初めて読んでからの、私のポリシーなのですが、今回もやはり、泣きました。
 主人公は吉村貫一郎。諸士取調役兼監察、剣術師範などをを歴任した、もちろん実在する新撰組の幹部です。それなりに新撰組の資料には目を通しているものの、詳しい人となりを知ったのはこの本が初めてでした。
 物語はさまざまな人物へのインタビューという形でもって進みます。その挿話として、貫一郎の独白が入ります。とにかく切なくて切なくて、皆が皆人間臭く、だから一層物悲しい。各々の登場人物たちが、確かにあの幕末の世に生きていたのだと、翻弄されていたのだと、そして吉村貫一郎が大切に思えて仕方がなかったのだと、肌に感じることのできる、お話です。中でも斉藤一の語る鳥羽伏見の戦いのくだりは秀逸で、新撰組のすべてを凝縮した、そして吉村貫一郎という人物像を鮮烈に描き出した、非常に印象に残るシーンでありました。
 また史実を感じさせるエッセンスもふんだんに含まれており、稗田利八のセリフには思わずニヤリと口許を緩めてしまいます。
 貫一郎は非業の死を遂げますが、どうかラストの大野次郎右衛門の手紙まで、しっかりと目を通して下さい。家族のために、義のために、命を散らした、誠の南部武士・吉村貫一郎。表題の意味が明らかになったとき、なんともいえない感動が胸に込み上げてくるはずです。
 実は映画の方も一足先に試写会にて視聴してきたのですが、原作を知っていると、より深くお話にのめり込めること間違いないです。本を読むときも、映画を観るときも、ハンカチのご用意を忘れずに。

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紙の本

感動でした。吉村貫一郎の一代記であると同時に新選組・戊辰戦争の歴史的記録でもある。

2016/11/22 11:02

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

感動でした。吉村貫一郎の一代記であると同時に新選組・戊辰戦争の歴史的記録でもある。
 物語は、南部藩を脱藩し新選組隊士として死んだ吉村貫一郎の過去を掘り起こすための取材形式で語られていく。取材対象者は当然新選組の生き残りを始めとする人々であり、大物では齋藤一(映画では佐藤浩一)が取材対象として登場する。登場人物は実在の人物ばかりであり、それが生存者の聞き書きという形で語られるため、歴史的事実であるかのように思えてくる。あまりに生々しいので、因みに後に東京府知事になる紀州藩士・三浦 安(1829年9月15日(文政12年8月18日)~1910(明治43)年12月11日)なる人物を検索してみたら、何と実在の人物であった。こうなるとその他の人物像に関しても非常に緻密な取材・資料確認をおこなってまとめ上げた作品のようである。武士の時代(徳川幕府体制)が終わったことを最も強く感じていたにも拘わらず、その体制の中でしか生きられなかったがために新選組に身を投じざるを得なかった吉村貫一郎の義と忠を貫き通した生き方に圧倒される。吉村貫一郎が鳥羽伏見の戦いで傷だらけになって京都の南部藩蔵屋敷に辿り着いたところから始まり、そこから時間をさかのぼって彼の生い立ち、脱藩、そして新選組での生き方が物語の大半を占めるが、吉村貫一郎が切腹して果てたあとは親友であった家老・大野次郎右衛門がどのような気持ちで彼に切腹を強いたかという謎解きと、吉村の家族と大野の息子との話が続く。

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電子書籍

幕末もの新選組ものの第一作目

2021/08/03 10:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

多くの作者がそうであるように大作家浅田次郎も新分野の第一作目が一番できがいい傾向がある。この「壬生義士伝」もその例にもれない傑作である。主人公の吉村貫一郎は子母澤寛の発掘した人物だそうだが、浅田次郎の描く主人公は実に味わい深い人物として描き出されている。家族への愛情は感涙モノである。

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電子書籍

"一"を"貫"く

2020/02/17 01:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ワズ - この投稿者のレビュー一覧を見る

かっこいい、なんて言葉で片付けていいのかわかりませんが、とにかくかっこいい。貫一郎のように生きたいと、強く思います。関係者から貫一郎について語られていく、という構成で、少しづつ人物像が明らかになっていく感じが好きです。何度も読み返しています。

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紙の本

浅田作品の中で一番好きです。

2016/09/22 13:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なまけたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る

浅田さんの作品は色々読んでますがこれが一番最初に読んだもので一番好きです。
この本を読んだら次の日きっと顔が腫れるくらい泣いてしまうので注意です。
最後じゃなくてもところどころで切なくて泣いてしまいます。

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電子書籍

何度読んでもいい

2013/04/22 22:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kinchan1012 - この投稿者のレビュー一覧を見る

単行本、文庫本、電子書籍、都合3度読みましたが、読めば読むほど感動が深まります。

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紙の本

特に子供を思う親の心が

2004/09/08 09:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶたころちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 生きる要領というものがあるとすれば、主人公は要領の悪い方なのかも知れない。しかし上下を通して家族を思う心は夫であり、親となった時とても共感を持つところが多い。
 読んでしばらくしてどの場面が一番心に残ったかを考えると、私の場合、詳しい内容は読む方に任せるが、家族に残っているお金を、長男にまだ戦ったことの無い名刀を残すところだった。
 父親の家族や子供のための捨石とならんとする気持ち、とても共感し感動した。

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紙の本

浅田ハードボイルドの頂点

2003/12/29 17:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くれい爺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

神学者バロンは「キリスト教における神と個人の関係は、
神が垂直に個人を串刺しにしているのだ」といい、司馬
遼太郎はこの言葉を引いて「誰も見ていなくても神は見
ている。つねに神が個人を串刺しする。こういう厳しさ
が『愛』を生み、『倫理』を育てます。」と言っている。
この神と個人の関係が個人の倫理の物語であるハードボ
イルドの一つの原点という気がする。
翻って日本の場合を考えると、このキリスト教における
神と個人の関係に最も似た精神風土は「武士道と武士」
の関係だと思う。
歴史・時代小説がハードボイルド的な雰囲気を持ってい
るのはそのためではなかろうか。
人によっては「ハードボイルドの極北は、山本周五郎の
『樅の木は残った』だ」という人もあるらしい。
浅田次郎の「壬生義士伝」は正真正銘のハードボイルド
と私は読んだ。
浅田次郎はこの作品では、「義」こそが大事であって、
武士の考えた武士道はその「義」を「忠義」にすり替え
てしまっている、本当の「義」はそんなものではない、
と言っている。
「義」の本来は「人道正義」、「人の踏むべき正しい道」
だと言う。
では「人の踏むべき正しい道」とは?
それは読者それぞれがこの作品から読み取り、感じ取る
しかないだろう。
佐助の章に出てくる佐助の言葉にそれを感じたのだが。
浅田次郎はこの壮大なドラマで「義」を書ききったと思
う。

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紙の本

辛夷の花

2003/01/20 11:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:てぬぐい - この投稿者のレビュー一覧を見る

一つ一つ、吉村貫一郎という侍の像に肉付けがされていく。
そして、その独白が淡々と、訥々と紡ぎ出される。
物語の中盤も過ぎ、その像がだいぶくっきりとした輪郭を結ぶころ、吉村が辛夷の花が好きだとつぶやく。
「ほかの花は温かくなってから咲くのに、辛夷の花だけは北風に向かって咲く」と。
なぜか突然、涙が止まらなくなった。
僕の中に形作られた、吉村貫一郎の像と、北風に向かって咲く辛夷の花が、あまりにもぴたりと重なり過ぎた。

新撰組は不思議だ。
百人いれば百通りの「カタチ」がある。
僕の中で土方は、この土方でしかありえないし、近藤にしろ沖田にしろ、それぞれに明確な「カタチ」を持っている。
そして、このカタチからはずれて描かれるとき、憤りすら覚えたりする。

これから先、吉村貫一郎がこの「カタチ」以外で描かれると、きっと怒ってしまうのだろうなぁ…

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紙の本

それぞれの義を貫いた男たちの物語

2003/01/16 19:21

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投稿者:T40 - この投稿者のレビュー一覧を見る

もともと新撰組に対してはあまり良い印象がありませんでした。多感な青春時代を司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」を読んで、彼を崇拝していたからだと思います。だから、新撰組を扱った本すら読んだことがありませんでした。お陰で変な先入観も無く、素直に本書に登場する彼らを受け入れることができたと思います。
読み終わってから気がついたのですが、ほとんど女性の発言が無かったと思います。会話の中にも、口述の中にも、回想の中にも。しかし、だからといって女性が不在だと言うわけではなく、貫一郎の妻しづや娘のみつは主人公に次ぐ、圧倒的な存在感を示していました。貫一郎は結局、いづやみつの事ばかり話していたということでしょうか。
いずれにしても、ここに登場する男たちは、それぞれに信じる己の義のために生き、そして死んでいきます。一見自分勝手のようにも見えますが、とてもそれを責めることはできません。家族を養うには、銭しかなかった。銭をもらうためには己の才能、特技である剣を使うしかなかった。彼の気持ちが痛いほどわかります。斉藤一を恐喝するあたりは、ちょっとやりすぎのような気もしますが…
貫一郎と同じく、妻と子供を持つ身としては、今の自分を見直さなければと、深く反省した次第です。

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2009/11/18 07:19

投稿元:ブクログ

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2004/09/29 02:15

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2004/10/03 15:40

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2004/10/09 09:46

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