投稿元:
レビューを見る
2012.11.15読了。
事故で妻と子を同時になくした男が、物に触れるとその気持ちを読み取ってしまう能力を持った女のコと出会い、その子を他の人にも知ってもらおうと奮闘する新宗教の興隆記?
投稿元:
レビューを見る
事故で妻子を失い、生きる希望を見出せなくなった男が、ある特殊な能力を持った一人の少女との出会いにより、生きがいとなる団体設立へと向かう。
新興宗教って、こんな風に出来上がり、膨れ上がり、空中分解していくんだな・・。
投稿元:
レビューを見る
人の心は弱いんだなぁ、と再認識を繰り返しながら読み進んだ。
登場人物の誰もが、他人に依存している。
新興宗教に群がった人たちなので仕方ないといえば仕方ない。
出て行った娘、亜由美を支配し続けようとする母親の身勝手さに、彼女登場する度に辟易した。
北條メンタルクリニックは衝撃の結末だったが、貫井さんの本を読んだ満足感を一番色濃く味わえた瞬間でもあった。
投稿元:
レビューを見る
人はみな誰かに依存して生きている。
誰かに救われたいと願っている。
でも自分を救えるのは自分だけなのだ。
そう教えてくれる本です。
悩んだときにまた読みたいです。
投稿元:
レビューを見る
相変わらず、テーマの豊富な作家。これも、今までにない
分野。辛い、苦しい境遇から、人はどのように立ち上がるのか?読んでいてもきついものがあるが、最後で読者も救われる。読後感は良し。
投稿元:
レビューを見る
うーん、宗教の話?
人は弱った時に何かに頼りたくなるもの。人から言葉をもらって生きる自信をもつのは悪い事でないけど、結局、自分が前に進もうという気力がないと何も始まらない、って感じかなあ。
貫井作品の中ではあまり好みではなかったかも。
投稿元:
レビューを見る
家族を突然の事故で失った雪藤は、その絶望の中から救ってくれた不思議な能力を持つ女子大生、遥を中心に教団をつくり上げる。どの様にして新興宗教、カルト教団などが発生するのか参考になる。専門的な解説は期待できないが、切っ掛けとしては十分である。続編として、小さな集団から巨大宗教に成長するストーリーを期待したい。
投稿元:
レビューを見る
貫井さんが得意な宗教モノです。
心に深い傷を負うと何かに縋り付きたくなるんですかね~。
周りが何も見えなくなってしまった主人公の行動が痛々しいです。それよりもっと痛々しいのは、あのおばさんなんですが。。。
投稿元:
レビューを見る
『こんなふうに思ったんです。悲しみってのは絶対に乗り越えなきゃいけないものなのか、と。悲しければ悲しいままでいてもいいんじゃないか、とね。
悲しいことや辛いことには、立ち向かっていかなかなければいけないように考えてしまうじゃないですか。それを克服して心の奥底にしまい込まなければいけないと、義務のように感じてしまいますよね。でも本当はそんな必要ないと思うんです。
どうしても乗り越えられない悲しみもあるんですよ。だったら、無理に乗り越える必要はない。乗り越えられないことを恥に感じる必要なんてないと、私は思うんですよね。』
最後の3章がすごい。
みんなが世界を見たいように見ているから、すこしずつ世界はずれていく。そのずれを直すことは非常に難しい。そんなことを考えさせられる作品。
投稿元:
レビューを見る
技巧派ベテランの力作なんだけど、ややマンネリ・新機軸無し、と評論家ウケがイマイチな2枚組アルバム、って感じ。クオリティは安定も、迫力不足は否めない。どこでひっくり返すのかな?とずっと期待してたのに最後までひっくり返らない。貫井作品にしては珍しくストレートです。
投稿元:
レビューを見る
事故で妻子を亡くした雪籐は、偶然町で出会った美少女の天美遙の特殊能力に救いを求める。
彼女の力はやがて多くの人を虜にし、活動は膨れ上がっていく。
やがて宗教化していくが、そこには幾つもの壁が立ちはだかる。
2017.1.8
投稿元:
レビューを見る
これまで宗教や占いを信じる人の気持ちがよく理解できなかった。でもこの本を読んだ後なら理解できる気がする。
何かに救いを求めることは悪いことではない。でも、自分を救えるのは結局自分自身しかいない。今の現状を嘆くのも前向きに捉えるのも自分次第なのだと改めて教えられた。
投稿元:
レビューを見る
本筋とは関係の無い娘が家出した母親の話が時々割り込んでくる。それが、本筋と交差した時に伏線が回収される、ってのはよくある話だが、最終的にその母親と主人公である雪藤の状況が見事に対比されているわけだね。
ミステリーとしてのどんでん返しも中々良いし、不幸からの救いの話としても味わい深い。
投稿元:
レビューを見る
雪滕の妻子を失った悲しみの描写が酷くリアルで、貫井氏の文体に自分の感性がぴったりハマってしまっていることを感じる。天美との出会いから、それに固執し、依存し、徐々にまた壊れていく雪滕の精神構造の様子が痛々しい。その精神構造破壊の進み具合が絶妙。相変わらず人物の描き方も卓越しているし、メーター振り切ってぶっ壊れている人を描くのも上手し。宗教の怖さではなくて、宗教にハマっていく人の精神構造が怖い。もっと言えば、誰にもその破壊の過程へと陥る可能性があるからこそ、身近に感じられて怖い。慟哭とは違い、最後に救いがあったのも個人的には素敵だと感じた(ここは賛否両論だろうが)。マスターありがとう。
投稿元:
レビューを見る
主人公は、亡くなった奥さんとよく話す。でも普通は、こんなにリアルに会話は出来ないでしょう…と思っていたら、ちゃんと訳があったのだ。
そして、こんな風に、何人もの女性を心のうちにリアルに持っている人だからこそ、天美さんに代わって相談に乗れる資質があったんだなと思った。