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寺島実郎氏はTVのコメンテーターとしても
ご活躍されていらっしゃいますね。
北海道出身、三井物産入社。
現在は日本総合研究所会長、多摩大学学長、
三井物産戦略研究所会長。
先日、女性経営者の会、東京産業人クラブの
講演会で 寺島先生のお話を伺いました。
この著書「世界を知る力」は、今年の1月に発売後、
10万部のベストセラーになっています。
「若い人に向けて語る気持ちで」書かれたそうです。
確かにとっても読みやすいです。
この新書本。
読者の75%が男性だそう。
女性が30%を超えると爆発的に普及するそうです。
わかりやすく面白いですから、ぜひとも女性の方に
読んでもらいたいですね。
女性社長は必読!
日本と世界はどこへ向かっているのか?
分散型ネットワークの時代
極東ロシア、シンガポールの地政学的な意味とは?
視野を広げてみてみると
私たち日本人が「アメリカを通してしか世界を見ない」
ということを知る。
今、大切はキーワードは「大中華圏」
ユダヤネットワークの話も面白い。
世界を変えた5人のユダヤ人、
「人間の行動を本質的に規定するものは何か」
モーゼ
キリスト
マルクス
フロイト
アインシュタイン
彼らはそれぞれ、なんと答えているでしょう?
想像はつくと思いますが、こういうところからも
世界を作ってきたのはユダヤ人といわれるのでしょう。
櫻井良子さんの本を読むたび、歴史をもっと
勉強したい、知りたいと思います。
世界の見方も歴史も、世の中には様々な見方、
考え方があるので、それらを知ることは大切。
そして世界を知るということは、結局は
「日本とは何か」「日本人とは何か」と問うことでもあるのですね。
世界から日本を見たときに
これでいいのか!JAPAN!と叫びたくなることも
あるのですが、
日本の素晴らしい可能性が説かれていることが
とても嬉しい。
そして、一歩でも実行していくことが、経営者として
大きな役割だと思うのです。
寺島氏の心のメッセージであり続けた
マージマルマンという生き方。
境界人という意味で、
商社の仕事に加え、産官学の知のネットワークの
中で、一つの仕事を貫いているという実感。
2009年から、多摩大学の学長として、本腰を
入れて教育に踏み込み、若い知性を育てることに
向かっています。
日本の将来を担う若者への知の喚起が
いろいろな形で行われますよう、それらを私たちも
学んでいきたいと楽しみにしています。
久しぶりに知的探究心が刺激される、
とても面白い本でした。
新書版で読みやすい!お買い得です。
私は、本は一番の投資と思っているんです。
この中身で720円!!
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『世界を知る力』(寺島実郎、2010年、PHP新書)
寺島氏によれば、国際化や「さまざまなメディアが登場・普及し、情報環境が劇的に変化」した時代の私たちの「世界を知る力」は低下しているという。そこで、「世界を知る力」が現代を生きるわれわれには求められるのである。
では、一体「世界を知る力」とはどのようなものなのか。
寺島氏は、「世界を知る」ということは、「断片的だった知識が、さまざまな相関を見出すことによってスパークして結びつき、全体的な知性へと変化していく過程」と定義する。断片的あるいは独断的といってもいいかもしれないが、この段階から知識を相関することで、世界を見る力が変わるというのだ。
そして、「自らを相対化し客観視する過程なくしては磨かれない」という。独断的に陥らず、自己を相対化できる人間が「世界を知る」というわけだ。
本書では、そのための方法論あるいは実践が、歴史、ネットワークの中の知識、現代の潮流の中で語られていく。「世界を知る力」を持つ人が今後の日本のリーダーとなっていくのではないか。そう思わせる書である。
(2010年3月20日・大学生)
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気になった言葉
情報は教養を高めるための手段ではない、問題を解決するためにいろいろな角度から集めるものである。〜断片的な情報を「全体知」へと高める動因は、問題解決に向けた強い意志である。
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歴史の知識がほぼ皆無で、
ITの用語にもなれていないので、
読み進めるのが苦しかったです。
世界を繋げてみる視線はとても興味深く、
学んでいこうと思っています。
学び直してから、またリベンジします。
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中国,アメリカ,日本,イギリスなど・・
現在世界をとりまく大国の歴史から現在の世界で行っていることを解明していく.
歴史を読みほどくことで点と点が線でつながり,さらにその先の道筋が見えるあたり,とても興味深い内容だった.
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著者自身が、「若いゼミの学生か現場を支えるサラリーマン、時代を鋭い感度で見つめる知的女性に語りかける意識でつくられたもの」と書いている通り、そのような感覚の人にお勧め。
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教育は、もっと平等であるべきだ。
入試は、もっと違うものを測定するべきだ。
インターネットに頼りすぎるのはおかしい。
歴史は、教科書とは違って、本当はこうだった。
そういう、批判をするのは大事だし、自由。
でも、それだけでは何も変わらないし、
批判したところですぐに変わるものじゃない。
「歴史は、本当はこうだったんだよ。知らないの?」
と言ったところで、本当の本当のところは、誰にもわからない。
また新たな事実がいつ出てくるかわからない。
だから、重要なのは、批判することだけじゃなくって、
常にそういう観点で生きていくこと。
誰も教えてなんかくれないし、自分で判断していかないといけない。
そういう時代だってことだね。
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これもまた単なる視点のひとつに過ぎないが、中国というファクターを冷静に取り入れて過去から現在を見直すと少し変わった情景が見えてくるのは確かに新鮮。
日本人像が少し上の世代に焦点をあてているようにも思え、若めの人たちはそんなにアメリカばかりではないんじゃないかと思う。あるいはそこまで行かず何も考えていないというおそれもあるが。
提言になると新入社員研修でそこらの役員がしゃべるような内容になってしまったのは残念。
「書を捨てずに街に出よう」は良い言葉だ、使わせてもらおう。
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テレビのコメンテイターとして気になっていた。庶民的な感覚と世界につながる問題意識のバックグラウンドが少しわかった。
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1章の”時空を超える視界”では、現代の日本人がいかにアメリカ型のものの見方に染まっているかを、ロシア、中国を通したいくつかの事例で立証している。
→アメリカ型のものの見方からいち早く脱却し、日本的なものの見方を確立しなければ、真のアメリカとの対等な関係など成立しえないであろう。「アメリカを通してしか世界をみていない」という自覚を持ち、民間レベルでもグローバル領域にに関与していくことにより、新しい日本の視点がひらけてくるのだろう。
2章の相関という知では、大中華圏、ユニオンジャックの矢、ユダヤネットワークをはじめとするネットワーク型の視点で世界を再構築している。
→相関知という視点自体はビジネスマンならだれでも無自覚に行っているものだと思う。得意先の○さんと○さんは、同じ大学出身だから仲が良い、○ さんは前職が○○だから、××な意見を持っているだろう、といった類のものである。これを国というマクロの単位で行えるのは著書自身が、再三再四述べているように、鳥の目虫の目を持って情報を分析し、全体知へと体系化してきてからにほかならない。
3章、4章においていよいよ本論
日米中の三カ国関係、かけ橋論、東アジア共同体、シンクタンクの必要性と具体的なマクロ領域の提言、個人レベルで知を志すための具体的な提言が続く。
→現在の民主党の迷走した外交戦略とも重なるため、マクロレベルの提言は若干空虚なもののようにも思える。
しかし、後半部の個人レベルでの提言として、”agree to disagree”という姿勢を持つこと、ある事実に対して感情を育むこと、鳥の目と虫の目の必要性、マージナルマンという生き方のすすめ等、知を志すために著者が読者に覚悟を問うてくる姿勢は非常に迫力に富み、胸を打たれる。
著者の見識は常に取材した事実や、歴史的事実から昇華されており、まさにグローバルという概念の何たるかを丁寧にわかりやすく教えてくれる。だから、読むだけで、今まで見えなかったものが見えているような気になれる。これからも、何度も読み直していきたい。
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■書名
世界を知る力
■筆者
寺島実朗
■選書理由
たまたま手に取った
■内容
・交通手段の発達とIT革命によって情報の獲得は容易になり、
世界で起きていることを手に取るように知ることができるようになった。
・しかし、「世界を知る」という行為は、自分が培った情報を知るための鋳型によってしかできなない。
・つまりは、どんなに情報獲得手段が増えようとも、
自分の鋳型が狭く小さいものであれば「世界を知る」という行為は発達しない。
・世界認識をできるだけ広げ、自分たちの見方、考え方の限界点を知り、未来を知るための力を育てなければならない。
・未来を知る力を育てるためには宇宙船から地球全体を見渡す力と、
虫のように地面を這い現代社会を生きる人間の表情に触れる力の両方が必要である。
■所管
・読んでみて、あまりにも歴史を知らないことに愕然!
・特に驚いたのは、
日本の高度成長は中国の共産化によってもたらされたものだったということ。
・これまで日本の高度成長は、
アメリカが日本を東アジアの監視、戦略的な拠点の最前線にしたいと考え復興を支援してきたと考えていました。
が、ことはそんなに簡単、、いやいやまったく違う背景がありました。
・太平洋戦争時、アメリカは中国と連携して日本に勝利。
それまでは中国と近しい仲だったようです。
・しかし、戦争が終わるとそれまで支援していた国民党の蒋介石が中国共産党に追いやられ。
そして中国全土はアメリカが支持しない中国共産党によって支配されてしまったそうです。
・アメリカは中国を脅威に思い、日本を味方につけ、
アジア政策を日本を基軸に進めることを決めたそうです。
→
この決断によって、
・本来は中国に流れ込むはずだったアメリカ資本が、
大量に日本に流れこみ、
・さらにはベトナム戦争等の特需があり、
・日本は世界に例をみない高度成長をすることになった
・筆者によると、もし、中国が共産党支配にならなければ、
30年は日本の発展が遅れたとか。
こういった認識は政治家のなかにもあまりなく、
日本のアメリカ基地を単純にアメリカのアジアの戦略拠点としてしか
認識していないとか。
アメリカの基地問題は、単に日本の問題ではなく、
これまでの歴史と、各国とのあり方の上で話し合われるべき話であり、
アメリカ、日本、中国、そして東アジア諸国の考えの統合的見解として
解決策を見出さなければならないということがわかりました。
この手の社会科学の本を読むのは、まだまだ自分の読書力では足りないと思う。
たぶん、寺島さんの伝えたいことの3割程度しか理解していないと思う。
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人間の尊厳を守る、国の尊厳を守る為に情報をどう活用するか。今までアメリカに与えられたものしか見てこなかった自分に、歴史的、地政学的に日本を取り巻く国家間の動きをアメリカ以外の視点で学ばさせてくれた良書。世界(の情報)を知るというのは、教養を高めることが主眼ではなく、生き延びるための手段なのである。
それなくして自身の尊厳は守られないのである。
目次
第一章 時空を超える世界
自らの固定概念から脱却するということ
戦後という特殊な時空間
―アメリカを通じてしか世界を見なくなった戦後日本人
1.ロシアという世界
1705年、ロシアの日本語学校
1792年、初の遣日使節
初めて世界一周した日本人
幕府、北方の脅威に目覚める
北海道と極東ロシアは瓜二つ
ウラジオストックで見た一枚の風景画
2.ユーラシアとの宿縁
歴史時間の体内蓄積
七福神伝説にみる日本人的なるもの
空海―全体知の巨人
3.悠久たる時の流れを歪めた戦後60年
歴史時間を忘却した日本人
与謝野晶子の世界地図は逆さだった?
第二章 相関という知
ネットワークの中で考える
ネットワーク型の視界を持つ
1.大中華圏
広義のチャイナと狭義のチャイナ
大中華圏の強固な実体
中華民族なる言葉の二重構造
躍動する大中華圏のダイナミズム
なぜ中国だけがポスト冷戦で台頭したのか
2.ユニオンジャックの矢
世界を動かすユニオンジャック
シンガポールが持つ地政学的な意味
情報と価値の埋め込み装置
3.ユダヤネットワーク
世界を変えた五人のユダヤ人
基軸は国際主義と高付加価値主義
無から有を生み出す力
4.情報技術革命のもつ意味
IT革命というパラダイム転換
暗転するアメリカ、オバマ大統領の登場
就任演説に込められたメッセージ
5.分散型ネットワークへ
太陽・風力・バイオマス
グリーン・ニューディールはIT革命を超えるか
第三章 世界潮流を映す日本の戦後
そして、今われわれが立つところ
1.二〇〇九年夏、自民党大敗の意味
東西冷戦構造と五五年体制
漂流を始めた九〇年代
脅迫観念にも似た小泉構造改革
民主党政権が意味するもの
2.米中関係 戦後日本の死角
日米関係は米中関係である
相思相愛から始まった
メディアの帝王ヘンリールース
二つの中国が日本に戦後復興をもたらした
アジア太平洋は相対化の時代に突入した
3.日本は分散型ネットワークに耐えられるか
二つのグローバリズム
日本の国際化は後退している
分散型ネットっワーク時代に日本を浮上させる
4.友愛なる概念の現代性
冷戦型世界認識から脱却せよ
アジアとアメリカをつなぐ架け橋
オバマ登場と共鳴する友愛なる概念
プロジェクトとしての東アジア共同体
大人の外交にはシンクタンクが不可欠
第四章 世界を知る力
知を志す覚悟
PCと古本屋
書を捨てずに街に出よう
Agreeto Disagree
異文化の中へ飛び込め
異国に乗り込んだ場違いな青年
情報は教養の道具ではない
知―不条理と向き合うために
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固定観念に捉われていては本当の世界が見えない。歴史認識、世界観は時空を超え、俯瞰する目が必要だと思った。特に米中関係の部分について認識が新たになった。
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6/15 読了
ランキングが高かったから読んでみた。世界を見る様々な視点が書いてあり、面白かった。米中関係の重要性なども細かく書いてあった。
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世界を知るには。日本人の固定観念から脱却すること、ネットワークのなかで考えるということ、日本はどう振る舞うという3つの観点について、筆者の独自の論理を展開する。
まず筆者が警笛をならすのは、「アメリカを通してしか世界を見ない」ことだ。歴史的にはやむない面もあるものの、戦後60年に完全に縛られてしまったことを、過去2000年の歴史を紐解いて説明する。自らの歴史を相対的にみることが不可欠だが、これは中国人も日本人も苦手とするところだろう。
筆者の論点で重要なのは、ネットワーク型の視点を持つという点だろう。「フラット化する世界」をもう一つ上の段階、つまり宗教だけでなく、ユダヤや中華圏民族といったネットワークを見ながら考える必要があるという。残念ながら、これは経済と政治だけでなく、文化や歴史の観点からも複雑に分析しないと意味がないため、片手落ち感は否めない。
でも、ユダヤの「MENCH」という本当に尊敬できる素晴らしい方に対する敬意と仲間意識は中国の民族皆団結という中国的発想に近い。世界を支配するには、こうしたロイヤリティの醸成が不可欠なのかな。いずれにしても、それが国家という帰属意識ではなく、独立した個個の戦い方の中で生まれた戦術といっても良いだろう。
こうしたネットワーク型の世界において、世界を知るための方法は情報相互の関連性を発見すること。大空から見る「鳥の目」と、地上でリアルな社会を見る「虫の目」が必要ということだ。異文化の中に飛び込み、孤独と失望の連続を体験することが必要で、「相手の考えに賛成はできないけど、理解はした」というレベルが必要という。まさに、海外で働いていて、感じる実感でもあり、寺島氏の実体験から来る言葉なんだろうなあ。