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戦後日本人が連合国の支配下に治まってしまったことで「アメリカを通してしか世界を見」れなくなってしまい、それは場合によっては大きく歪んだ世界像を作り出してしまう。
そんな凝り固まった世界認識を環境や制約を乗り越えて「世界を知る力」を身に付けようというのが本のコンセプト。
第1章でアメリカナイズされた日本の歴史認識を3つの具体例を挙げながら論じる。
過去の日露関係について取り上げると、ロシアからラックスマンやレザノフが遣日使節として1853年のペリー来航よりもずっと前に、通商関係樹立のために訪れており、列強の極東進出の野心に脅威を感じていた。
本文には他にも様々な事項が記されているが、これらを通して、日本人が持ちがちな「近代は黒船以降に始まった」とされる認識はいかに偏った見方かを論じている。
第2章ではこれらの固定観念から脱却して、一見バラバラになったように見える情報をいかに統合して見ていけばいいのか、ネットワーク型の視界の持ち方を、「大中華圏」、ユニオンジャックの矢などを通して説明する。
第3章では、世界潮流を映す日本の戦後について、
第4章では「世界を知る力」を身に付けるための具体的な方法について書かれている。
個人的には第2章3節「ユダヤネットワーク」のところで上げられた、ユダヤ的思想の基軸の2つ、「国際主義」と「高付加価値主義」がとても興味深く感じた。
ローマ帝国によって国家を喪失させられた流浪の民族で、いつ今住んでる所から追い出されるかわからない、という歴史を歩んできた。
それ故、自国の土地でとれるような資源やモノに頼らず、技術や情報などの知力で世界に勝負し、頭一つで無から有を生み出す(仕事でいえば金融、ジャーナリズム、医師、弁護士など)ことに最大の価値を見出してきた。
それは「世界を知る力」の源泉になる。
そして、それ故にユダヤ人は概して高学歴の人物、歴史に名を残すような人物が多い。
モーゼ、マルクス、アインシュタイン、ソロスetc・・・。
なるほど確かに・・・。
気になる方はぜひ読んでみてください。
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「新しい資本主義」を読んだ時に原丈人氏にも感じたことだが、この寺島実郎という人物も非常に骨太で、魅力的な人物だと感じた。
両氏は”知”に対しての謙虚さ、現実世界における行動力、深淵なまでの問題意識など多くの点で共通している箇所がある。
まあそれはさておき、なぜ自分はどうしてこうも団塊の世代(あるいはそれに近い世代)に魅かれるのだろう。彼らからは同じ時代の空気を吸ってきたような、共通のニオイを感じる。厳しいけれど、でも未来にすごく希望の持てる、そんな時代を若い時に経験してきたんだろうなあと思う。
例えばホリエモンからは決してそのようなニオイは感じられないし、これから未来永劫感じることはないと思う。
時代が人を作るんだろう。
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私のキャリアの中で、とても大切な大切なクライアントからいただいた1冊。寺島さんの本は1度読んでみたいと思っていたのだが、なかなか自分で購入するジャンルではなかったので、ありがたく読ませていただいた。世界と日本の中国のとらえ方が随分と違うことを知ったことがもっとも印象的。さらには知を得ることは感情論であるところにも共感。多摩大学大学院の講演にも行ってみるかな。
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歴史と世界を知ることで、“いま”の全体を掴もうとする試み。
絶対的な正解のない歴史観を理解した上で、
大中華圏を構成する「中華民族」という枠組、
世界を動かすユニオンジャックの矢などの視点は面白い。
まとめると『不条理と 差別渦巻く 現実を 変えよ一歩と 知識をもって』
といったところでしょうか?
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極東ロシアのルーツはウクライナ 白系ロシアとは、共産主義の赤に対する白 肌の色でない ウクライナからシベリア送り
恵比寿、ヒンズー(大黒天、毘沙門天、弁財天)、道教(福禄寿、寿老人)、(中国)布袋の七神のうち日本土着は恵比寿のみ
日本がアメリカと中国の連携に負けたことから目をそらしてはならない。
20世紀初頭から続いた親密な米中関係があったからこそ戦中の悲劇的な日米関係がもたらされたこと、そして、戦後に米中関係の混乱があったからこそ日米同盟がもたらされたことを忘れてはならない。
ロンドン 最大の書店 Foyles
世界を知ることは、断片的だった知識が、さまざまな相関を見出すことによってスパークしてむすびつき、全体的な知性へと変化していく過程をさすのではないか
自分たちが有している歴史認識とは違う捉え方が、他の国民民族にはありうるということ、世の中にはさまざまなものの見方考え方があるということを知ってほしいい。賛成はできないけれども、あなとの物の見方、誠実に物事を組み立てて考えてみようという見方については大いに評価する。という姿勢が外交においても、国際社会を個人として生き抜く上でも大切だ agree to disagree
私たちは世界を知るという言葉を耳にすると、とかく教養を高めて世界を見渡すといった理解に走りがちである。しかし、そのような態度でみにつけた教養など何の役にも立ちはしない。世界をしれば知るほど、世界が不条理に満ちていることが見えてくるはずだ。その不条理に対する怒り、問題意識が、戦慄するがごとく旨に込み上げてくるようでなければ、人間としての知とは呼べない。単なる知識はコンピュータにでもつめこんでおけばよい。
世界の不条理に目をむけ、それを解説するのではなく、行動することで問題の解決に至ろうとする。そういう情念をもって世界に向き合うのでなければ、世界を知っても何の意味もないのである。
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中華圏(中華人民共和国、台湾、香港)華僑国家=大中華圏[グレーターチャイナ](中華圏+シンガポール)。ユニオンジャックの矢(ロンドン⇒ドバイ⇒バンガロール⇒シンガポール⇒シドニー)と命名された旧大英帝国の支配下にあった主要都市のつながりなど、シンガポールの物流や政治の動きを見るときの納得感のあるよい視座になった。ただ、寺島氏のフィールドワークからの考察という手法は共感するが、結論がいささか概念的すぎる傾向があるように感じた。
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"世界を知る"ことは"自分の鋳型を知る"ことから始まる。
「井の中の蛙 大海を知らず」の諺のとおり、"井の中"という認識が無い限り、"大海"というものも存在し得ない。
つまり、まずは自分が「井の中にいること」を知ることが"世界を知る"出発点になる。
逆説的な言い方だけれど、たぶん間違ってはいないと思う。
この本は要するに、日本、あるいは自分を知れ、と言っている。
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アジアを旅した時、筆者が述べているような中華圏の人々のつながりや、埋め込み装置としてのユニオンジャックの矢のネットワークを確かに感じていることを思い出した。
生の経験と知識を連帯させ、内と外との相関を見いだす力を養うことが大切。
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激動の現代でどのような考え方で物を見て行くのか…日本人として、1人の人間として考え方の変容を求められている気がする。
鳩山政権の予測については外れてしまい日本は東日本大震災を受け益々混迷していくのかな。
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冷戦時代はアメリカとソ連という2つの大国が世界を動かしていた。
現代もアメリカと中国のG2体制と呼ばれるが、かつてのようにこの2つの国が世界を動かしている訳ではない。現代は「ネットワークの時代」である。世界の知識・情報は、インターネットによってフラット化し、ネットワーク化している。国と国の関係もネットワークを築く時代に入っている。
例えば中国には、台湾・シンガポールと「大中華圏」と呼ばれるネットワークを、またイギリスは、ドバイ・シンガポールをつなぐ「ユニオンジャックの矢」と呼ばれるネットワークを持っている。
こういったネットワークを築けるかどうか。資源のない日本にとっては、一層重要である。
21世紀は「ネットワークの時代」だ。
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「世界を知る」とは、断片的だった知識が、さまざまな相関を見いだすことによってスパークして結びつき、全体的な知性へと変化していく過程を指すのではないだろうか。
空海は、人間の心に潜在する仏性を信じ、絶対平等の世界を訴えると同時に、現世の現実的な課題にも正面から向き合おうとしたのである。
様々な先端技術を持ち帰り、学校を設立して伝える、誰にでも門戸を開放して、給食付きで。
人間世界の総体を体系的かつ調和的にとらえようとする全体知。
幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、大学院、会社、部活、家庭、友人、恋愛、本、旅行、その他すべて、色々な場所で、色々な人から、自分は何を学んできたのだろう?
色々学んだようで、結局今も日々模索中。
たまにスパークするときがあるけど、最近はそれも少ない。
スパークしてた瞬間は、何かに挑戦してた時が多かったかな、
沢山考えて、色々試行錯誤してた時が。
まぁそんな時もあるわな、天地自然に四季があるように、人生とは繰り返す四季の如し、と誰かが言ってたっけ。
それにしても、季節はすっかり春ですね
The most glorious moments in your life are not the so-called days of success, but rather those days when out of dejection and despair you feel rise in you a challenge to life, and the promise of future accomplishment.
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日米関係は米中関係であるという言葉は印象的である。
大東亜戦争において、中国も戦勝国に入っていること、中国の躍進、軍事力の強化、G2となったなどを考慮にいれるとなると当たり前なのであろうか。
また、「日本はアメリカを通してしか物事を見れない」というのはまさにそのとおりだ。若い人でさえ、そうなってしまっている。
まだまだ、自分の勉強不足が否めない。
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[ 内容 ]
世界同時不況のさなか、日本には民主党新政権が誕生した。
冷戦が終結して二〇年が過ぎ、長く続いた戦後体制は名実ともに変わろうとしている。
日本と世界は今どこへ向かっているのか?
長く世界潮流を観測してきた著者が、“時空を超える視座”“相関という知”を踏まえて、“分散型ネットワーク時代” の新たな展望と日本の針路、いま最も必要とされる「全体知」のあり方を提示する。
米中二極体制をどう考えるか?
極東ロシア、シンガポールの地政学的な意味とは?
「友愛」なる概念は日本の未来を拓くのか。
[ 目次 ]
第1章 時空を超える視界―自らの固定観念から脱却するということ(戦後という特殊な時空間―アメリカを通じてしか世界を見なくなった戦後日本人;ロシアという視界;ユーラシアとの宿縁;悠久たる時の流れを歪めた戦後六〇年)
第2章 相関という知―ネットワークのなかで考える(ネットワーク型の視界をもつ;大中華圏;ユニオンジャックの矢;ユダヤネットワーク;情報技術革命のもつ意味;分散型ネットワーク社会へ)
第3章 世界潮流を映す日本の戦後―そして、今われわれが立つところ(二〇〇九年夏、自民党大敗の意味;米中関係―戦後日本の死角;日本は「分散型ネットワーク革命」に耐えられるか;「友愛」なる概念の現代性)
第4章 世界を知る力―知を志す覚悟
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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世界を知るために、固定観念に基づいて情報を集めたり、個々の国ごとに調べていっても、その全体は見えてこない。この本では、「全体知」を掴むためのアプローチを紹介している。大中華圏、ユニオンジャックの矢、ユダヤネットワークといった、横のネットワークについて解説したり、米中関係と日本との関わりを解説したり。自分の思考が何らかの殻に囚われていないか、常に注意を払っていたいと思える一冊。
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サンデーモーニングで寺島さんのコメントを聞き、着眼点・表現力ともにこれは素晴らしく優れた人だなぁと感じ入ったため、読んでみました。
世界中を旅し、地に足ついた経験と、世界規模で見渡す目。個人的には、大中華圏(特に胡錦濤主席の北京オリンピック閉会後のスピーチ)と、世界を変えた5人のユダヤ人のお話が面白いと感じました。おすすめ。