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ラスト以外非常によかった。映画化も納得。アルジャーノンに花束をみたいなものかと思ってたし、主人公の時折つける備忘録の感じは似ているけれど、荻原作品らしい泥臭さがある分こっちのほうが好みかもしれない。
ラストも綺麗で良いんだけれど、なんで妻が日向窯まで来られたのか、でかなりひっかかって、最初はこの奥さんも児島同様幻覚?と思ってしまった。
若い頃連れて来たという記述からするとそんなに度々ではないはずだし、繰り返し日向窯の話をしていた描写もないからたかが一日いなくなった程度で日向窯だと見当をつけ、尚且つその場所を探せるか?というところでひっかかる。現実的にはありえなくもないのかもしれないけれど、小説としてラストシーンでひっかかる、というのは致命的かと。
数千円を繰り返し騙し取る陶芸の先生も、霊感商法にひっかかる妻も、離れてからわかる安藤や生野たちの人間味も荻原作品らしい。
「ハードボイルドエッグ」でイライラさせられっぱなしだったせいで荻原作品にかなりマイナス補正をかけて読んでいたけれど、「コールドゲーム」など最近の作品は結構好き。
いつもいつもラストが甘いのをなんとかしてくれさえすれば素直に面白いと言えるのに。
詰めが甘かったり(明日の記憶)、書きすぎだったり(メリーゴーランド)、書かなさすぎだったり(なかよし小鳩組)、そもそもそのラスト自体がちょっと…だったり(ハードボイルドエッグ・オロロ畑で捕まえて)。中盤どころか、終わる寸前まで本当に引き込まれるだけにハマりきれないのが惜しい。
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切ないです。身近に若年じゃないけれどアルツハイマーさんがいたので、思うところも多かった。
でも最後???というところが引っかかってしまって、感動し切れなかった・・・。
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読み始める前に帯を読んだだけでまずい。。 と思った作品。 これも本屋大賞からのセレクト。
若年性のアルツハイマーが進行していくさまが努めて明るく描写されるのだけれど、思わず「もしも自分の身に・・・」なんてことを考えてしまい 胸を痛めながら読んだ一冊。
(2008年2月)
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若年性アルツハイマーの話です.
記憶が自分で実感出来る程の早さで
こぼれて行く様は,怖すぎます.
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20080921
読み終わって、なんだか物悲しい気分になりました。病気が進行していくのを見てるのが辛い。
経験の無い自分でも、この病気の人がどんな感覚なのかわかってしまうようなリアルな文章だと思います。いや、作者も経験はないんでしょうからリアルというのは変ですかね。
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記憶すらも「当たり前」ではないことに気づかされた。
記憶にはさまざまなものが含まれる
過去の思い出、物の名前、人の名前など
大切な人の名前すらも覚えていないことなんて
今では考えられない
そうなっていない今の自分の状態と
自分の記憶に感謝するとともに、
認知症についても考えて生きたい
改めて自分の周りの人に感謝です
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仕事が忙しくずいぶん読むのに時間がかかった、決して面白くないわけではないのだが、アルツハイマーに犯されていく過程がすこしつらいが、きっと若年性アルツハイマーにかかった本人はこ んな気持ちなのだろう。自分自身の病の理解が初期の段階では必要で、主人公もなんとか記憶をとどめようとメモ魔になるが、メモした事も忘れてしまい最後は会社を辞めざるえなくなる。若年性アルツハイマーが増えている昨今、自分自身の記憶さえなくなる事がどうゆう事か考えさせられる。
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人ごとだと思っていたことが、我が身に起きてしまった。
50歳にして若年性アルツハイマ ーと告げられた佐伯。
広告会社で部長職に就く彼は部下からの信頼も厚くまだまだ核となる人材であるはずだった。
少しづつ忍び寄る記憶障害を目の当りにして佐伯は苦悩し支える家族も心を傷める。
「ほら、あのハリウッド女優!ジュリアロバーツと何かと言っては比較される。えっとなんて名前だっけ?」
という具合にとっさに固有名詞が出てこなかったりすることが30代を過ぎて結構増えた。
そういう不安からかこの話は読みながら恐ろしかった。怖がりなんでホラーはほとんど読まないけれど
下手なホラーよりも背筋が凍る思いがする。
確率的にこういう事の方がいつ自分に起きてもおかしくないと思える、
いわば、身につまされる話だからだろう。
佐伯がアルツハイマーと診断される前に医者の前で簡単な口頭によるテストをされるのだけれど
読んでいて自分もドキドキしながらテストを受けている気分になって
すっかり冒頭から佐伯と同化していたことに我ながら苦笑してしまった。
本書にも書かれている痴呆とアルツハイマーは混同されがちだが同じではないということを
恥ずかしながら私は知らなかった。
世には私のように曲解した輩が多いためこのような患者達は差別をされているとも記されている。
だんだんと自分の記憶が消し去られ行動がおかしいと周囲にいぶかしげに見られるようになる。
大事な自分の家族である妻や娘の存在さえも忘れ、自分が自分でなくなっていく。
「辛く悲しいなんて表現では到底言い表せないほどの苦しみの一端くらいは判った気がする。
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若年性アルツハイマーになった広告代理店勤務の佐伯が主人公の話。
ラストシーンが涙を誘うとのレビューが多かったが、私は正直この本を読むのは辛かった。
物語の中で書かれているように、若年性アルツハイマーは、平均して7年で死にいたる病気。
とすれば、本書のラストシーンでは、妻のことも忘れた主人公の、これからはどのようになるのだろうか、、。かなしい。そして、現実には壮絶な介護の日々が待ち受けているのだろう。
主人公が記憶が欠落していく日々の中で、これまでの記憶をとどめたいと必死にメモを作ったり、娘の結婚式までは、、とがんばる姿がとてもいじらしく、読者の私までもが、なんとか病気の進行が遅らせられないかと願わずにはいられなかった。
とはいえ、妊婦の娘が、ケーキと共にビールを2本も飲むといった描写や、陶芸に関する細かな描写が多い割には間違いが多く、小説の本筋と離れたところで、残念に思い、☆3つ。
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記憶が抜けてしまっていることに自分が自覚せざる得ないのが切ない。
日記で記述が繰り返されているのとかもなんとも切ない。
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何度も読んだ。
だんだんと記憶がなくなって行く様子。
ページのあちこちに引かれている伏線。
自分も、忘れっぽいこととかを思い出して、もしや私もとドキドキする。
記憶を忘れても残るものがある。
希望の見える一冊。秀作です!
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若年性アルツハイマーと戦う、
50歳のサラリーマンの話。
少しずつ記憶が無くなり、
最後には家族だけでなく
自分自身のことも分からなくなってしまう
怖い病気です。
更にこの病気は、単に自分だけが不幸で終わるのではなく、周りにいる者達にも、大変な苦悩が待っています。
自分だったらどうだろう・・・
想像しても、心が拒んでいるのか
少し苦しかった。
最後のページは、深く読み、自分ながらの解釈を
してみると、涙が出そうで寂しく、そして
家族とのつながりの大切さ、有り難さを感じずにはいられなかった。
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広告代理店営業部長の佐伯は、50歳。ここ数日の間、頭が痛い日が続いてた。病院で検査を受けたのだが、結果は若年性アルツハイマーと診断された。
仕事では、重要な案件をかかえて、一人娘は結婚を間近に控えていた。
銀婚式すませた妻以外の人に病気を悟られないように日々を過ごすのだが・・・。病は、無常にも佐伯から次々と記憶を奪い去る。
彼を取り巻く愛情。若年性アルツハイマーの侵された佐伯の物語です。
荻原さんが書くと、とっても読みやすいですね。アルツハイマーの病気が解る感じがします。しかし、この病気と診断されたら、もっと深刻に悩むのでは?と、思うのですが・・・。ん〜どうなんでしょう?
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これは切ないです。最後の最後までゆっくりと悲しくなります。最後の最後にかなり切なくなりますが、後味は悪くありません。
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【広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀婚式をすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく・・・・】
歳をとって物忘れが激しくなるのは「仕方がない」ですまされるだろうが、
若い時のこの病気は耐えられないものがあるでしょうね。
しかもその「耐えられない」と思う気持ちさえ忘れてしまうなんて・・・
この病気の恐ろしいところは自分が自分でなくなるというところ。
この病気に詳しくなればなる程、読んでいる方も辛さが増してきます。
もし自分がそうなったら。もし家族がそうなったら。。
色々と考えさせられました。
もし自分が若年性アルツハイマーと診断され、
それを自分自身でも感じてしまうようになったら・・・
決して許されない道をとってしまうかもしれません。
この本の主人公や奥様はほんとに強い!
自分にはその強さがないような気がします。。。
映画化されました。