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おぉーっ...かなりの本格派ですね。
久々に王道の本格に相応しい内容で読み応え充分。
密室トリックやその動機、そして犯人...全てにおいて
納得できる秀作なんではないでしょうか?
本格にすべく恐らく物凄く丁寧に書いたと思われる
様々なディティールは緻密な取材に基づいて
書かれていて(多分ね)それをさらに読みやすく、
そして分かりやすく描写しているなんて、大変な作業なんだろうね。
ホームズ、ワトソン役のキャラもバッチリ!!
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王道マッシグラな密室殺人事件を
動機とか目的なんかはとりあえず後回しで
犯行の不可にのみ重点を置き解き明かしてゆく。
誰が犯人か、というよりは
誰に犯行が可能だったか、というところ。
探偵は、自称防犯アドバイザーと
第一容疑者の無実を信じる弁護士女。
謎のすべてが明らかになった時
物語は一転。犯人視点へ。
謎解きの前に犯人が明らかになり
若干、拍子抜けしつつも
別の視点、別の時間軸で作りこまれた二部構成は
また新たな物語として楽しませてくれた。
そしてその2つの物語が交じり合う時
事件は終焉を迎える。
終わり方は少々アッサリ過ぎて物足りないか・・・
とはいえ
探偵のキャラの立ち具合といい
全体的に小気味よくサクサクと読めるところといい
シリーズ次作にも期待できる感じではある。
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第58回日本推理作家協会賞受賞作。
最上階の社長室で発見された介護会社社長の撲殺死体。
エレベーターに暗証番号,廊下に監視カメラ,窓は強化ガラス。
続き扉の専務室で仮眠をとっていた専務が逮捕されるが…。
弁護士と防犯コンサルタントのコンビが難攻不落の密室に挑む。
防犯について綿密に調べたことがうかがわれる情報の多さで,
様々な別解を挙げながらそれが否定されていく過程が面白く,
真のトリックについては犯人視点で描かれている点も面白い
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密室ものの推理小説って好きです。
しかし今回は、前半は殺害された社長会社の社員たちをそれぞれ、犯人と仮定して丁寧に検証していくので、
ワクワクしていたのですが、犯行の手口がそろそろ解明しそうになる後半から、
突然、犯人の視点からの犯人の物語にかわってしまい、なんか、はぐらかされてしまった感じがしました。
推理小説としてよりも、真相究明に挑む弁護士と本業泥棒の防犯コンサルトのふたりのキャラクターが、
なんとも愛着が沸いて、このふたりの描写のほうが面白かったかも。
全体としては、まあまあだったかなあ。(って偉そうに(笑))
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エレベータに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。弁護士純子は、逮捕された専務の無実を信じ、防犯コンサルタント榎本の元を訪れるが・・・
*
イマイチ設定に無理があったような・・・
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最初は何となく読んでた感じで、いまいち入り込めなかった
でも、途中から一気に引きづり込まれた感じ
犯人にもちょっと同情してしまったなぁ・・・・・
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久しぶりに本格トリックを読みました。読み応えじゅうぶんでした。
可能性を次々つぶしていって、考えられる犯人はこの人しかいないというところになって、がらりと謎解きに入るところなんか、
読者の気持ちをくすぐる構成。榎本がぐずぐずと謎解きをするよりは、すっきりしてとても読みやすかったです。
いままで「本格、新本格」とうたわれたものを結構読んできましたが、
小学生の時に江戸川乱歩の「三角館の恐怖」を読んだときの衝撃を上回るものはありませんでした。
もちろん、まだミステリーに関しては無垢で、免疫はありませんでしたけれど、
「わ〜、すごい!面白い!」と思ったあの感覚をもう一度味わいたい、
もっと面白い本を読みたいという気持ちが現在まで続いてるといって過言でありません。
そういう意味で「硝子のハンマー」は、最近では珍しい緻密でうならせどころのある本格ミステリーでした。
密室も変な形の古屋敷や、ありえない場所に建っている豪邸とかではなく、
現代で普通にあるセキュリティで、死角のない状態を密室と位置づけ、
しかももうひとつドアの向こうで犯罪が行われているということは「二重密室」になります。
可能性をことごとくつぶされ、行き詰っていく主人公と一緒になって、頭の上に?マークがいっぱい浮かんで、ほんとうにミステリーを堪能しました。
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日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には防弾ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠を取っていた専務が逮捕されて……。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本怪のコンビが、難攻不落に密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。
作者と法月倫太郎とのインタビューを収録。
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疑う、疑う、疑う、これでもかと疑う。
ホラー作品を主戦場とする作者が送り出した初の本格的推理小説は、ビルを舞台とした密室殺人事件である。
作者特有の緻密な構成で、ありとあらゆる可能性を徹底的に検証する、その一つ一つが読者を引き込む説得力を有しており「嗚呼、また外れか・・・」そんな嘆息が止まない。
謎多き防犯探偵と、ちょっぴり天然な女性弁護士。
この2人の軽妙なやり取りもなかなかに見所だったりする、貴志祐介はこの辺も上手い作家である。
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日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径の許を訪れるが―。
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「青い炎」が好きだから読んでみた。
Ⅰでは誰が犯人か全くわからない状態での
推理にのめりこんで
Ⅱではどうなるかにドキドキ…
貴志さんのほかの作品も読んでみたい。
2009/10/13-/15
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榎本のキャラが好きでした。犯人が意外すぎて驚き。ⅠよりもⅡの方が個人的には好きですね。最初はこの人誰だっけ?とか思いながら読んでいました。笑
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また★5つですか…!?
って言われそうですが★5つです。
エレベータに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。
厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。
凶器は。殺害方法は。
この完全密室殺人を解くのは
被告人の無罪を信じる美人弁護士と
防犯コンサルタント!?
異色のコンビですが中々の組み合わせ
仮説を立てては覆され
最後にたどり着いたのは意外な人物だった…
青の炎も良かったですが
こちらもなかなか…
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ちょっと今まで読んだのとは違った。
でもやはり貴志ワールド。
ところどころ大いに端折って読んだ。。
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第58回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞作。
1章と2章で趣が異なっており、2作小説を読んでいるような気分になる。
1章は仮説検証型の展開で、いかにもな推理が構築されては否定され、読者である私も考えさせられた。
2章は一転して倒叙型ミステリとなっており、やや小説に有りがちな動機ではあるものの、トリックの解説を中心としてリーダビリティーが高い。
そしてなんと言っても密室トリックである。
使い古されたトリックに溢れている密室ミステリにおいて、意外性のあるトリックを用いたこの密室は評価できる。
防犯に関する知識も得られる、非常に面白い作品だった。