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面白かった!一家殺害犯・死刑確定囚のルポを克明に書いた渾身の作だと思う。何の痛痒もなく人を殺せる人が、ただ事実として存在するんだということをひしひしと感じた。
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ハッキリ言ってあまりいい感想を持っていない。
たぶん今後引越しでもしない限りこの本は家の中で漂流して見つからなくなるだろうと思う。
とにかく読後感が最悪だ。
この著者は一体何を追い、何を書きたかったのか。
その疑問に尽きる。
時折犯人に憤り、諭そうとする様など苛々とさせられた。
私は決して犯人を擁護しているわけではないが、著者の願いや祈りを押し付けられるのにはどうしてもうんざりしてしまった。
きっと私が事件を起こした少年の心の深淵を覗きこみたい! と切望していたからかも知れない。
だがこれはルポライターでも一個人としてでもない中途半端な著者の好奇心を満たすためだけの本に過ぎない、とどうしても思ってしまう。
つい酷評になってしまったが、やはり著者の締め括った結末には残念でならない。
重松氏の言葉をお借りするなら”イチャモン”つけてしまってごめんなさい、という感じです。すんません。
しかし、今までにも死刑判決を受けた犯人を取材している人の一個人としてでもあり、ライターとしてのプライドも併せ持った男の戦いに素直に興味のある方にはいいのかもしれないと思う。
私は著者の分析や一時の感情の揺れを共に体験したかったのではなく、少年の独白、事件、手紙の全貌、精神科医との面接の全てなど、いっそ事務的に書かれていてもいいから、そういった類のものが読みたかったのだ。(そんなもん無理だって分かってるけど)
だからちょっと残念。
しかし、著書を読んでまた少し犯罪心理について理解が深まったように思う。
そうした時間を与えてくれた著書には感謝しています。
以前からこの事件のことを詳しく知っていたわけではなく、
どちらかといえば「永山則夫」の事件の方がよく知っており、だからこそこの事件は永山の判決がこの一家四人惨殺犯の少年を死刑に導いたのだろう、といった漠然とした思いがある程度のことだった。
著書に書かれた殺人犯、関は想像以上に凄かった。
殺人を「殺人」とも思っていない皆無の罪の意識。
彼にとって人を殺すことは何だったのだろう、と未だに考えている。
狭い世界でただ呼吸だけをしていたこの男は暴力(セックス、殺人も含む)を振るうことで初めて「生きている」という感覚を得たのか?
いやいや。そんなことじゃないか。
殺人は思い通りにならなかった今までの世界を牛耳っているような感覚に、一時でも酔いしれたりすることを彼に齎したのだろうか? デスノートの月みたいに。
いやいや。やっぱ違うか。
こんなことの繰り返し。
それでも私たちは考える必要があると思う。
犯人のこの男を罵ったり、「反省がなっていない、死ぬべきだ」「そんな状態で死んで貰っても何にもならないじゃないか」などと叩く前に理解することも忘れてはならないと思う。
ポーズだけなら誰だって出来るのだ。
偽善者にならいつだってなれるのだから。
よく少年犯罪を追っていくと「犯罪で自己の存在を証明、実感しようとした」などという言葉が聞かれるがそれってどういうことなんだろう、と思う。
これからも私はそれが全く何の役に立たず、ただの時間の無駄だったとしても、まだまだまだまだ考えなくてはならないと思う。
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この本は、92年に千葉県市川市で実際に起こった事件の詳細が書いてある。
それもこの一家四人惨殺事件の19歳の犯人「関光彦」の半生を追ったルポである。
「人を殺すこと」・・・理由があったとしても、それは許されるものではない。
しかし、理由も無く殺人犯と偶然に出会っただけで、凌辱され、その家族までなぶり殺しにされたら・・
本当に無念であり、これ以上の不幸はない。
この犯人は、この家族の四歳の女の子まで刺し殺しているのだ。
この方たちの死を「貧乏くじをひいた」「運が悪い」という言葉だけで済ますわけにはいかない。
だが、こういう災難に遭うことを何か予防したりすることは不可能だ。
だから、やはりこんな言葉でしか、表現ができないのだ。
犯人の光彦は留置所でこう言っている。
「19歳という年齢だからやった。20歳だったら、やらなかったかも・・」
確かにその不幸な境遇には、同情すべき点はあるのかもしれない。
しかし、殺人を犯すところの描写が実に生々しく、どうしてこんなに残虐になれるものかと、暗澹たる気持ちになった。
これがフィクションの小説であれば、まだ救われる。
しかし、事実だとわかっているため、読後感も後味がわるく、非常にやるせない。
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1992年千葉県で一家四人が惨殺された事件があった。現行犯で逮捕されたのはまだ19歳の少年だった、、、。ノンフィクションは好きでたまに読みますが、これは・・・微妙な本だと思います。事件とその背景を追っているだけで犯人の内面にも入れていないし、それは犯人が入れなかったのか、それとも本当に何も考えていないだけなのか分かりませんが最後の方では著者の疲労感が出ています。何と言うか・・・同情が欲しそうな感じに読めてしまいました。俺はここまでやったのに!みたいな。事件の内容を知るには良い本かもしれません。
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★救いはない。がモノを書く意味を感じる★再読。4人を殺め死刑判決を受けた19歳の男。生育環境を辿り、犯行に至る経緯を再現。拘置所でのやり取りももちろん迫力がある。事件の舞台となった地域に住みづらさを感じるほどだ。それ以上に重松清の解説が秀逸。叙事と叙情の書き分け、ノンフィクションの誇りと書き方、迫力と限界を非常に分かりやすく説明する。同じ著者が書いたフィクションを読みたくなる。
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自分の家の近くで、自分が物心ついてからこんな事件があったことを知らなかった。人は遺伝的に犯罪者になることもあるという。もちろん後天的な理由でなる場合が多い。
彼の犯罪も心情も理解は出来ない、ししてしまったらまずい。彼がかなり利己的な人物であることは否めない。
ただ幼少期の何か、が彼の世界を見る目に変な色をつけてしまったのも確かだ。それでもそれを自らではずせる人がいるのも確かで刑は妥当だと思う。
そして5才の差で死刑になるならない、が変わるんですね。
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怖い。怖い。
色んな視線で読んでしまう。
3〜4年前に買って読んだ本だよ。
ブックオフに要らない本全部売っちゃおう思って、
選別してたら見つけてもう一回読んでしまった(-ω-;)
売ること決定!!!
とりあえず、お勧めはしません!
読んだ後の後味が悪いです。
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一家四人の命を奪った19歳の少年。彼の生い立ちや気持ちをつづった本。
少年犯罪はいつの時代も横行していて、ニュースを見ていると虐待を受けていたり、親同士の仲が悪い、離婚しているなど様々なつらい環境の中で生きている子たちが多いように思う。自分を認められたいとか、自分の存在をこういう形でしか表せないのかと感じました。
怨恨でもないただの自分の自己主張で人を殺すなんてもってのほかだけど、一番頼りにしたい親に頼れない子どもの気持ちもわかるなあ。
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興味本位で読むものではなかったなぁ、と後悔。
19歳だから、と犯人は思っていたようなことを書いてあった。
少年だから、何をしても許される。
そう思っていたらしい。
少年だからといって、許される域をとうに超えている。
許されるべきではない。
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殺人現場の描写がリアルすぎて具合悪くなった・・・
犯人は恵まれない家庭に育ったとか。やっぱり育つ環境って大事なんだな・・・
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ノンフィクションの恐ろしさがここにあると思った。
殺害時の描写が生々しいうえに、犯人の歪んだものの考え方に耐えられない人も多いはず。
事件の内容を知る分にはいいと思う。
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昨年末の新聞か何かで「今年のベスト3」とかいう企画で誰かが紹介していたものを買っていんだと思う。日本の現実の社会の問題である。例えばホワイティング「東京アンダーワールド」、あるいは永沢 光雄「AV女優」(どちらも名著! お勧め)と同様に、そこには僕の知らない別の日本社会がある。なぜ彼は19歳で、見ず知らずの一家4人を惨殺しなければならなかったのか? 彼の告白を読んでも、著者の分析を考えても、僕にはどうしても理解できないのであ。しかし、この社会にはそういう狂気が遍在しているのである。時々こういう本を読んで、自分生きている社会を客観化することが必要だなーと思うのであった。
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19歳の起こした四人殺害事件。
あまりに凄惨な殺害の状況に、ちょっと気分が悪くなるほどだったが、少年事件について、死刑のあり方について、重大犯罪を起こしてしまう人の家庭環境や背景について、いろいろと考えてしまった。
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ノンフィクションで怖い。
~が憎くてとかじゃなくて
ケーキ切るみたいだったとか
恐ろしすぎる。
妹さんも残された少女も可哀想だな~。
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なかなか面白かった。加害者にも犯罪を実行する環境や素因があって・・・というある意味予定調和的な展開かと思いきや、最後に突き放される。この文庫版には、最後の方にかなりの加筆があるようだが、それを余計と思いかどうかは、判断が分かれるところ。