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男がバス旅行生還され、宝くじまで当ててしまう辺り、結構うらやましかった。
図書館で借りました。文庫本。
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文庫の裏表紙の紹介文から多大な期待をしてしまった「奇跡の男」から始まったこの短編集は、全体的な印象から云えば、別段心に残るような意外な真相、プロットは無いものの、何故か気になってしまう。
それは各々の短編に出てくる人物たちがやたらと存在感をアピールしているから。
純文学の香気漂う「狐の香典」、「密会の岩」の糀屋五兵衛と安里に代表される飄々とした物腰は何とも堪らない。また他の作品から懐かしい顔が出ていたのも嬉しかった。
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泡坂妻夫の短篇ミステリ作品集『奇跡の男』を読みました。
今月上旬にアンソロジー作品『贈る物語 Mystery 九つの謎宮』に収録されていた『病人に刃物』を読んで、泡坂妻夫の作品を読みたくなったんですよね。
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バスの転落事故で一人だけ生き残った男が、今度は袋くじの特賞に大当たり。
そんな強運、あり!?(奇跡の男)
小さな飲み屋「糀屋」の客が死に、なぜか警察に被害者の香典が送られてきて……(狐の香典)。
“卯の花健康法”や“健脳法”など、珍妙なことばかり思いつくナチ先生が殺された。
雪に残された足跡が唯一の手掛かり?(ナチ式健脳法) など、ユーモラスで奇想天外な極上ミステリ短編集。
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昭和61年(1986年)から昭和62年(1987年)に発表された以下の5篇を収録して昭和63年(1988年)に刊行された短篇集です。
■奇跡の男
■狐の香典
■密会の岩
■ナチ式健脳法
■妖異蛸男
■解説 山前譲(推理小説研究家)
60人を越す死者が出たバスの転落事故で、たった一人生き残った男… 宝くじを買えば、その賞金の十倍という袋くじの特賞に当たる、、、
果たして、この世の中にそんな男が存在するのか? 写真週刊誌の記者・白岩百合子は、彼に興味を持ち、追跡を開始するが… 『奇跡の男』等、奇想天外でユーモラスなミステリ短篇集。
ユーモラスで軽く読める5篇でしたが、個人的には、
奇跡の男に三度目の軌跡は訪れるのか… 二度あることは三度あるという諺を使った計画的な犯行が印象的な『奇跡の男』、
雪に残された足跡が手掛かりとなる密室殺人事件… 奇妙なタイトルに秘められた謎解きのユニークさが印象的な『ナチ式健脳法』、
民宿の浴室での密室殺人事件… マリンスポーツが巧く絡めてあるユニークなトリックが印象的な『妖異蛸男』、
の3篇が好みでしたね。