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紙の本

鞍馬天狗への道

2018/10/06 11:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

大佛次郎の鞍馬天狗シリーズは全47作。作家デビューの初期から、晩年に至るまで書き続けた。最初は脇役として出したつもりが、編集者から、次はこっちを主役にして、と言われ、それで人気作家になったのだから、人生不思議なものでもある。そういえば丹下左膳も最初は大岡越前の脇役だったのが、連載するうちに人気が出て主役になってしまったわけで、そういう怪人物人気というのも面白い。
その鞍馬天狗初登場作品「鬼面の老女」など3編に、創作を始める以前に翻訳していたうちの「夜の恐怖」を収録。これはロンドンの裏社会で夜の恐怖という名で知られる謎の男が主人公を助ける話で、なるほど鞍馬天狗の元ネタと思われなくもない。こういう作品を収録したのは、編者の目のつけどころがよかった。
「鬼面の老女」では、本当に背景がなんだかわからない正体不明の怪人である。これが「西国道中記」になると、長州と談判に出かける勝海舟を助けて、新撰組や薩摩を相手に立ち回るというストーリーで、維新の志士でありながら、現代的な視野の広さとヒューマニズムを持った人物に成長している。そしてそれが、鞍馬天狗の人気の秘密というか、作者の思想を反映したと言われる所以だ。同時に当初外務省勤めの片手間で翻訳をしていたのが、大衆小説を専業として書くようになるにあたっての、作者の思い入れの変化でもあった。
エッセイ「鞍馬天狗と三十年」が、もう書くのをやめたいと思いながら、慰問で訪れたインドネシアで出会った将校や、原作者の名前も知らない多くの天狗ファンに押されて書き続けてきた、その遍歴を語ったもので、その間に現代的視点による赤穂浪士や、現代小説、「ドレフュス事件」を始めとしたノンフィクションの執筆、さらに雑誌の創刊や戯曲など幅広く活動しながら、やはり鞍馬天狗が常に彼のパートナーとなって伴走し続けていくこだろうという、諦めのような覚悟のような、おそらくは感謝が綴られている。
とにかく日本の大衆芸能史における最大のヒット作であり、昭和の精神史の柱でもあるシリーズ作品の、成り立ちを知るには格好の一冊と言っていいはずだ。

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